アナーキー小池の反体制日記

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#545 勤め人時代(18)道路の仕事③

2010年11月23日 | 勤め人時代
道路造成工事の続きです。
マチなかの道路の設計は意外と簡単なのです。
大抵の場合下水道が整備されていますので、排水のことを考慮する必要がありません。
仲間うちで”バカチョン道路”と品のない言い方をしていました。
設計は簡単でしたが、工事が始まるとその道路と接する家が多くて折衝が結構大変でした。
歩道が設置されるため歩車道を分離する高さ20cmの縁石がつきます。
そのままでは車が出入りができませんので、必要な箇所に低い縁石を設置するのですが、その位置と幅のことで必ず地先住民ともめました。
今になって、当時の縁石を低くする基準は厳し過ぎたのではなかったかと思うのです。
歩行者の安全を考え過ぎ、低い縁石の幅が少な過ぎるようにしたと感じます。(いまは少し広くなっています。今も昔も道や国の基準どおりなのですが当時の運用が厳格過ぎたのでしょうか。)
関係住民からよく文句を言われましたが、当時の住民の意見がわかるような気がします。

設計を終え工事を発注しますが、設計どおりに出来上がったことはありません。
不思議に思われるかもしれませんが、いざ工事が始まると予期しないことが次から次へと出てくるものです。
不都合が生じても面倒なので設計変更を極力しない主義の不精な担当者もいましたが、ボクの場合は関係住民の立場に立って必ず変更をしました。(今では当ったり前です。)

この頃はとても忙しく、簡単な路線など現場に一度も出向かないうち工事が終わってしまったなんてことがあるのです。
お恥ずかしい限りなんですが、検定のときに検定官を乗せて現場へ行くんですけど、場所すらはっきり覚えていなくて行き着けなかったことがあるくらいです。

・・・
防衛施設庁国庫補助の道路造成も、長年、携わりました。
建設省のと同じようなものが出来るのですが、補助採択に要する資料、補助申請書、完了検査などはとても面倒なので、皆が敬遠していました。
補助金を出す目的が違いますし、補助率もほかより高いので仕方がありません。
このマチには陸上自衛隊の駐屯地と演習場があります。
駐屯地と演習場は数キロメートル離れています。
演習時、駐屯地から演習場まで関係車両が頻繁に行き来し、道路が傷むし、ほこりも立つなど障害が発生しているので道路改築の費用を一部負担してくださいとの論理です。
これも出場所は道路特会なのですから訳が分りませんが、高率の補助金が出るのを為政者が見逃すわけがありません。
自衛隊車両が行列を作って行き来する様子を撮影し、申請の添付資料にするのは建設省のときと同様です。

建設省、防衛施設庁補助事業の道路造成を終えて、このあとは国の補助を受けない(市単独事業といいます)で行った思い出深い工事に進みます。ただ、昔の工事の事ばかりでつまらないとの指摘がありますので、次回はこのシリーズを中断して最新の科学モノを紹介します。
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