こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

常任委員会視察の報告会

2017-04-18 22:18:13 | 市政&議会報告
総務都市常任委員会、厚生文教常任委員会の行政視察の報告会を合同でしました。


2月に静岡県の掛川のスポーツ施策、藤枝の教育について厚生文教常任委員会の視察に参加しました。

その内容について、このブログにも残しておこうと思いつつ、すぐに予算議会に入ったこともあり、そのままになってしまいました。



この機会に、視察報告書に添付する所感として、提出した文書を以下に転載しておきます。


全ての視察報告書は、市議会のHPにアップされています。


1、 NPO法人掛川市体育協会・掛川総合スポーツクラブ
 掛川スポーツクラブ(通称「掛スポ」)が理念とする「あらゆる年代の住民が、生涯を通じスポーツ・レクリエーションが楽しめる環境づくり」「健康で豊かな生涯学習社会に向けた『スポーツによる地域づくり』」は、本市行政にとっても重要な課題のひとつである。その意味で「掛スポ」が、「スポーツ参加率向上」を目標に掲げ、住民主体の体育協会が法人格をもち、「NPO法掛川体育協会」として事業の担い手となっていることは注目に値する。
 見学させていただいた東遠カルチャーパーク総合体育館「さんり~な」は、掛川市を含む周辺市町が広域的に連携、約50億円の建設費を財政負担をすることによって建設されたとの説明を受けた。「総合体育館」の名にふさわしく、「バレーボール・コート4面」など広々としたアリーナで卓球やトランポリンを楽しむグループの姿、屋内プール、マシンを使ったトレーニングルーム、弓道場など、どこもスポーツを楽しむ人たちの活気であふれていた。
 視察を終えて、特に感じたのは以下の2点。
第1には、電車、バスなどの公共交通を利用してのアクセスの利便性は良いとは思えないこと。文部科学省の「総合型地域スポーツクラブ育成マニュアル」(以下「マニュアル」)によれば、「『地域』とは、一般的に拠点となる施設を中心として、会員が自転車等で無理なく日常的に集うことができる範囲」としている。「あらゆるスポーツ種目に対応する施設」は、当然、大規模になり、市単費での建設・運営は困難となる。「広域的な施設」と「地域に密着した施設」の相互に補完する役割の発揮とともに、広域・大規模施設の利用は、対象範囲の人たちがより公平に利用できるような交通アクセスを課題とするべきではないだろうか。
第2には、利用料負担も年会費2千円の他、参加するプログラムによって月会費が必要であることから、家族で利用すれば相当の費用負担となることなど、「全ての市民に開かれたもの」と言えるのかどうか。「掛スポ」の利用料負担を、各事業の独立採算を可能とする「受益者負担」とすることによって、必ずしも「誰でも気軽に利用できる」のもではなくなっているのではないか。会員役2千名のうち、半数以上が19歳以下、特に0歳から9歳が最も多くを占めている。「子どもの貧困」が社会問題となる中で、「スポーツを楽しみ、心身ともに健康に育つ」という子どもの権利にも「格差」が生じていることに胸が痛む。
 文科省「マニュアル」には「誰もが行いたいスポーツを自由に選択できるとともに、各種のイベントなどいろいろな形で楽しむことができる身近な場」、「内輪で楽しむ『私益』ではなく、地域住民に開かれた『公益』を目指した組織」ともある。「身近な地域で、全ての市民が健康で暮らすこと」は、「スポーツ参加率向上」の結果としての「公益」に他ならない。その意味で、「スポーツによる地域づくり」に、国と自治体が財政負担を含めた責任を負うことの重要性を感じた。

2、 藤枝市の「教育日本一」をめざす取り組みについて
 「教育日本一」が、いわゆる「学力テストの結果日本一」ではなく、全ての子どもたちの「生きる力」を育てること、その環境づくりに「市民総ぐるみ」で取り組んでいることに大いに触発された。その取り組みを効果的に発信することによって「子どもと教育を大切にする市」として内外の市民に評価されていることが、全国的な人口減少、その中でも減少率の高い静岡県にあって、藤枝市が人口減少に歯止めをかけていること、微増であっても増加傾向にあることに表れているとの報告もあった。
 特に印象に残った点を以下に2点あげる。

①、「藤枝市教育振興基本計画」の「基本理念」を「笑顔があふれる教育 ~子どもを中心に、大人も学びあい、支えあう」としている。わかりやすい平易な表現でありながら、何をもって「日本一」をめざすのかが、端的に表現されていると思った。「子どもたちに身につけて欲しいこと」として掲げた3点は、文字どおりの「生きる力」としてインパクトのある表現だった。
 本市においても、登下校の見守りに多くの市民の方々が参加していただいているなど、「市民ぐるみで子どもたちの成長を見守る」素地はあると感じている。それを生かし、「市民総ぐるみ」の取り組みとするためには、教育の理念と目標を、わかりやすい表現で「言葉」で共有することが重要なのではないかと思う。

②、「ふじえだ教師塾」として、教員の育成、若手教員の力量を高めることに取り組んでいること。また、「教員が授業に専念して子どもと向き合う時間を拡充」するために「支援相談員を全校に配置」という説明があった。「支援相談員」の役割や雇用形態、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーとの関係などついて質問した。支援相談員は、SSWやSCとは別に、配慮の必要な子どもに直接寄り添う援助をするとのこと。時間の制約があり、十分に聞き取ることはできなかったが、スクールソーシャルワーカーは市全体で4人が配置され、うち1人は県からの派遣、3人は市独自の雇用など、大阪府とは比較にならない手厚さだと感じた。
教師の過重負担、多忙が問題となっている。本市の学校訪問をさせていただく中でも、驚く実態があった。教師が必要な休憩、休暇も取りながら学び続け、誇りと自信をもって子どもたちの前にたち、子どもたちと向き合うことができる条件を保障しなければならないと思う。

その他にも、図書館運営と読書活動、放課後子どもプラン事業、遊びを通して子どもの自主性、創造性を育むプレイパーク、など・・・もっと聞きたい内容が満載の視察だった。家庭や地域との連携、「0歳からのマナー教育」などの取り組みのためには、教育委員会だけでなく市長部局との連携が不可欠と思われるがそのような連携の仕組みがあるのか、就学前の保育・教育との連携はどうか?などについても、質問したいところだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「夫婦相和し」の意味は・・・ | トップ | 元気に生まれてきてくれてあ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

市政&議会報告」カテゴリの最新記事