1967年の夏、茨城県でおきた強盗殺人事件、「布川事」件の犯人として無実の罪をきせられ、当時20歳の桜井さんは逮捕された。
49歳までの29年間を獄中で生きる。
再審請求で無罪判決を勝ち取ったのは64歳のとき。
「人殺し」の汚名をはらしてから8年後、末期がんで「余命1年」を宣告される。
ステージ4のガンの闘病生活の中私たちに贈られた言葉の数々。
その中の一節。
これまでの人生を振り返ると、29年間の獄中生活を含めて、全て幸せだったと言える。充分に人生を楽しみ、1年後に死んでも満足だと心底思えたのだった。
私が初めて桜井昌司さんを知ったのは、長野県松本市で学生生活を送っていたとき、無期懲役の判決を受けた「獄中詩人」としての桜井。さんだった
著者; 桜井昌司
発行所;マガジンハウス