こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

詩集「おしあわせなわたし」

2019-05-15 18:05:37 | 読書

手のひらサイズの小さな本に収められたのは20編の詩。

本の帯にある「子どもたちの手をひきながら、社会の行く末と夕飯の献立を考えていた頃――。」

1941年生まれの著者が、幼い「子どもの手」をひいていた頃の作品が40数年の時を経て文庫本として復刊された。


詩が生まれたころ、手をひかれていた子どもの一人、北村みきさんは身近な友人でもあり、衆議院19区国政対策委員長、2度の国政選挙にチャレンジした人。


みきさんの言葉で語られる「お母さん」のイメージが私の中にはあった。

一つ、ひとつと読み進むうちに「お母さん」のイメージが膨らみ、一度もお会いしたことがないとは思えない「実像」となっていた。


20編の詩のそれぞれの向こうに、それを生み出したドラマ~現実の暮らしと闘い・・・~が広がる。


表題となった「おしあわせなわたし」の一節。


誰もけおとさずに

もう少しでいいから ゆっくり暮らしたいから

車にぶつかったくらいで ふっとんでしまうしあわせでなく

ほんものの ガンとしたやつが欲しいから

ずっとずっとおしあわせなわたしでいようと思うのだ




「ほんものの ガンとした」しあわせを求め、歩き続けたに違いない著者の「その後」に思いをめぐらせる。


読み終わって、「続きを読みたい」と心から思う1冊の本に出会った。・








著者: 玉田ミタテ

発行所: 株式会社文芸社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする