The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1990 リッシュブール ドメーヌ・ルロワ

2012-11-20 20:34:56 | ワイン
まずは『第136回・・・』においては、このワインを差し置いて、
他のワインを語ることは出来ないでしょう。



マダム・ビーズ・ルロワがDRCから袂を分かってから3年目、
そして『ドメーヌ・ルロワ』は凄いぞ!と、
この業界から認知された『1990年』ヴィンテージ!

この年に初めて『ドメーヌ・ルロワ』が、あの有名なワイン評論家R.P.から、
100点満点を獲得した年でもありました。

100点満点は『シャンベルタン』と『クロ・ド・ラ・ロッシュ』、
その時『リッシュブール』は98点だったか?と思います。

まあ、そのことはどうでもイイのですが、
と言うのも、実は数年後に、これら全てのワインの点数が下げられる羽目になりまして、
『90’リッシュブール』は、確か93点だか、94点あたりに納まることになったわけ・・・

当時ワタクシは、修善寺のとある酒販店さんから、
90年物の『ドメーヌ・ルロワ』を大人買いして、
これまでに何年かにわたって飲む機会がありました。

当初はこの『リッシュブール』も、黒に見紛うホド色濃く、纏わり付くタンニンにも辟易し、
内省的に篭もったままで、いつになったら本当の姿を見せてくれるのか?という感じだったんですね・・・

そして今回、『第136回 オテル・・・』でお披露目となりました。



エッジは僅かにアンバーに染まり、濃い目のクリムゾンに輝くも、
その濃さは『ジャン・ルイ・トラペ』の『97’シャンベルタン』よりも薄く感じます。

しかしながら、スパイシーに立ち上がる、カレイドスコープのごときアロマは、
甘く、誘惑的で、官能の世界へと誘います。

紫の花、カラント、ブラックチェリー、ヴァニリン、トリュフそして焙煎の香気・・・

味わいは純粋な果実が中心にあって、一口飲んで見ますと、
まずはその立体感にオドロキ、一方では精緻さは崩すことなく、
幾重にも押し寄せる濃密なエキスのさざなみに、ただその舌を委ねるだけ・・・

これがメタモルフォーゼ、これが熟成したブルゴーニュの醍醐味だ!

やはり、最後をこのワインで〆てヨカッタ♪
メインディッシュ『牛すね肉のパテ、鶏と豚肉のグリル、赤ワインソース』との相性も良し!



テロワール・リッシュブールの権化を垣間見た思いがしたのは、
おそらくワタクシだけではないでしょう・・・