The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1967 シャトー・ラフィット・ロートシルト MG

2010-08-15 10:59:03 | ワイン
恐らく、盛岡在住のワインヒートの面々の中にも、


この年が『バースデイ・ヴィンテージ』の御仁もいることでしょう!


ボルドーの1967年は、赤と白が逆転のヴィンテージでして、


困難な赤と出来の良い白(例えばソーテルヌ)が、混在した年だったようです!


ボルドーのメドックは、1855年の格付けにて、


プルミエール・グラン・クリュ・クラッセの筆頭の評価を得た『ラッフィット』ですが、


1960年代は長い長い苦難の時代であったようです!


あの奇跡のヴィンテージと言われた、『1961年』ですら凡庸な出来、


『1966年』もミディアムなボディーで生気少なく、


わずかに、ワタクシが満足したのは『1962年』のみ、だったのでしょうか!


で、今回ご相伴に預かりました『1967年』・・・


こと『熟成』の観点にだけ絞ってみますと、飲み頃を既に過ぎた代物と言えましょう!


では、一番良かった頃合はいつなのか?と聞かれれば、


リリース後10年~15年のところ、でしょうか?


しかしながら、ワタクシとしては、全てを曝け出したこの状態も一興なんですね・・・


このワインの直後に登場した、1994年の超スーパー右岸との対比が興味深く、


コレを飲んでは、次を飲み、そしてまたコレに戻る・・・


そうしますと、超スーパー『ヴァン・ド・ガルド』のクローズ振りと、


このワインの複雑な滋養と、時間と共に変化する七色振りが、


正しく対極に感じるわけなんです・・・


薄いガーネットの色合いで、


焙煎珈琲、スー・ボワ、黒胡椒、セミドライなプラムの香気が立ち昇ります。


舌先にわずかに感じますタンニンと、適切な酸度の広がりは、


枯淡のブルピノとの判別の証明で、全てが削ぎ落とされて、枯れかけていてもなお、


ラフィットの持つべき、メドックの王道を垣間見せてくれるんですね・・・


いずれ、貴重なワインを頂きました!