すとう功の周回遅れ

元駅伝選手の「いろんなことに走り続けます」

鳥インフルは養鶏の敵

2011年01月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 インフルエンザのことをブログに書いていたら、人だけでなく鶏が被害に遭っています。宮崎県では養鶏場の鶏を41万羽殺処分することにしました。

 この措置は今期2例目であり、1例目と合わせると42万羽を処分することになります。宮崎県最大規模の養鶏場が感染したことは、地域経済に大きな波紋を呼んでいます。

 400万羽の鶏の卵や肉が移動制限されているのです。宮崎県は採卵用の鶏が397万羽、食肉用のブロイラーが1838万羽いるとのことです。今回の殺処分の対象(42万羽)は採卵用で県内の1割を超えています。

 宮崎県は都道府県別食糧自給率で、生産額ベースでは日本一の農業生産県なのです。食糧自給率はカロリーベースと生産額ベースに区分されているが、カロリーベースでは北海道が一位です。

 カロリーベース(40%)が通常メディアでも取り上げられる数値であり、国際比較される数値です。生産額ベースの1位は穀物ではなく、肉や卵を生産しているからでしょうね。

 農水省が公表している生産額ベースは自給率で65%になります。インフルエンザによる鶏の殺処分で関係する地域経済損失はどのくらいか計り知れません。

 正式名を「高病原性鳥インフルエンザ」は、野生である渡り鳥のカモ(水禽類)に自然宿主として存在しています。宿主になっているカモは発症しませんが、家禽類の鶏やウズラなどには高い病原性となって養鶏場の脅威です。

 鳥インフルエンザはヒトに感染することは少ないと言われますが、水鳥のインフルエンザがヒトインフルエンザに何らかの過程で変異したものとも言われています。

 感染した鶏肉や卵を食べても人に感染した事例はないと発表されています。42万羽もの鶏を殺処分することになったからには、多くのウィルスが存在するかもしれません。人に感染しないといっても、科学的に否定できない状況です。

 北海道や郡山市などで、鳥インフルの発症が確認されており対策をしています。郡山市は浄水場の取水池から渡り鳥の死骸が見つかりました。

 そのために取水池を通さずに猪苗代湖から迂回して取水することや、鶏の移動を禁止する措置を講じています。これも大きな被害であることは間違いありません。

 鳥インフルには人間同様ワクチンが開発されているそうです。しかし、感染の完全回避は確認されておらず、完全に阻止する対策は無力だそうです。

 ワクチンを使用した地域はウィルス撲滅に失敗したそうで、日本では使用が禁止されています。有効な撲滅方法は発生した圏内の鶏を、処分する以外にありません。

 近年宮崎県は鳥インフルや口蹄疫(こうていえき)の関係などで、農業生産額が減少しています。地球環境の異変から被害が別な方向に向っているのでしょうか。

 これからの対策にも充分な検討をしなければと思います。農業を取り巻く環境が厳しくなることは、これからの食糧自給率にも関係するので避けなければなりません。

 岩沼市議会は外敵が居ないのに別な方向を検討しているグループがいます。定数削減案は、単に11月議会の期末手当削減に反対し市民から批判を浴びたため。そのようなことも聞こえています。

 そのためのアピールであれば、無意味な対策です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする