ゆうゆうの教会便り

私の教会のこと、教会生活をボチボチと・・・・

昨夜読んだ本

2015-05-16 15:34:33 | 美竹教会
「神はわが病いを負い: 病める友へ」 日本基督教団出版局 1983年

昨夜、眠る前に何気なく手にとりました。
この本は8名の方が御自分の病気を通しての「証し」を語られた本です。 
最後の著者「伊藤虎丸」というお名前に、なにか見覚えがあるような気がして、惹かれるように読みました。
伊藤虎丸さんの病を通して信仰の確信に至った証し、強く心に響きました。
薄くて浅い私の信仰を強く確信を持った喜びに変えてくれる文章でした。
少しだけ抜書きしておきます。

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信仰の「証し」を語るということは、自分の上に起こった主の恵みを語ることです。

人はひとりで生まれ、ひとりで死ぬーーずっと後になって知ったことだが、「人はひとりである
(人間は個体として自覚される)」というのは、聖書の宗教の基本的な原理の一つである。
その時には自分では全く気付いていなかったが、「人はひとりである」と知った時、私は、
信仰への道の入り口に立っていたのかもしれない。

カール・ヒルティの『幸福論』に
正しい道を踏んで幸福に至る道は必ずある、幸福は必ず得られるものだ、という確信に満ちた“証言”があった。
聖書、は不幸から逃れる道について何も語っていない。不幸は人間の生活に付き物である。
人はそれを避けることはできない。聖書は、「まず神の国とその義を求めよ」、そうすれば不幸は問題ではなくなる
ということを説くだけだ、とヒルティは書いている。
そして、人はすべてを理解してから信仰を持つことはできない。
「聖書は神についての説明を断固として却(しりぞ)けている。」
ある時期には、無条件に信じて「実際にやってみる」ほかない。
ただ聖書が偽りでないことには「雲なす証人」がいる。「勇気ある者はやってみるがよい。」「信仰とは行為である」
単なる観念や信条ではなく、意志を向け変えることだ。
そして天国(幸福)へのもんは、人が自ら叩かなければ決して開かれないが、しかし叩けば必ず開かれる・・・・・・。
私はこの確信に満ちた証言に励まされて「やってみる」気になった。

一つずつ砕けていく希望、私に残る希望は「叩けよ、さらば開かれん」というイエスの約束が
本当か否かを「実験」してみることしかもうない。

「祈り」が空虚なことではなく、寝返りさえひとりではできない病人に、最後に残された具体的な
「行為」であることを知り、この自分に何ができるかを示し給えと祈ることを知った。

それまでの必死な絶望的な闘病の努力は、何か温かい大きな手に支えられた楽な努力に変わった。
自力で治ろうという努力を諦めて神に委ねた時、逆にこれまでよりずっと積極的な努力が、しかも楽にできるようになったのである。
その日から他人のことを考えることができるようになった。

私が経験した喜びは「病気が治らずこのまま死んでも自分は不幸ではない」という喜びだった。
死によっても絶ち切られることのない希望、墓の向こう側まで続いている希望、死にも病気にも壊されることのない真の幸福、
自分の責任(意志の向きを変えること)によって誰にでも得られる幸福を(まだ小さなおぼろな光ではあったが、
そして今にいたるまでまだそうだが、しかしその時確かに)見ることができたという歓喜だったのである。
その時、私の上には、病気が治る治らぬよりもはるかに重大な本質的な出来事が起こっていたのだと言えるだろう。
それはあえて言うなら、私の罪の問題がすでに解決されたということだろう。 私に起きた奇跡とはそのことである。

然(しか)のみならず患難をも喜ぶ、そは患難は忍耐を生じ、忍耐は練達を生じ、練達は希望を生ずと知ればなり。
希望は恥を来らせず、我らに賜ひたる聖霊によりて神の愛、我らの心に注げばなり (ロマ書5:3-5)

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伊藤さんの文章の最後、「おわりに」の項に美竹教会で受洗されたと書いてありました。
そうだったのです、私が何十年も昔、美竹教会に通っていたころ(放蕩息子状態で美竹教会を離れる前)
教会で何度も伊藤さんのお姿を見たおぼろげな記憶があります。
何も考えていなかった信仰浅き私の傍らにこんなにも深い信仰の先輩がいらしたのですね~、感無量。



ツツジに止まる<アゲハ>です。

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「死によっても絶ちきられることのない希望、死にも病気にも壊されることのない真の幸福」
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