ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

「毎日が日曜日」

2007-03-27 18:14:42 | 独り言
経済活動の中から日本人の姿を浮き彫りにしようとした経済小説家の城山三郎氏が死去された。
この方の作品の題材は多彩を極めている。
実業家渋沢栄一の姿を通して背後にある時代と国家の姿を描いたのが「雄気堂々」だ。「辛酸」では足尾銅山の公害と戦う田中正造を通して社会や組織と人間関係を突き止めている。代表作のひとつ「落日燃ゆ」ではただひとり文官で戦争犯罪人として処刑された広田弘毅の生涯を書いている。
「輸出」「総会屋錦城」の経済小説では、企業の乗っ取りや総会屋のこれまでの小説には出てこなかった分野だった。
さらに社会が直面する問題をいち早く取上げたのが、閑職に追いやられたサラリーマンが主人公の「毎日が日曜日」。
通産省の官僚を扱った「官僚達の夏」。受験戦争をテーマにした「素直な戦士たち」だった。
特に「毎日が日曜日」は当時の流行語になったほどだ。

この方の生き方の中には、17歳戦争に駆り出されて、その組織の腐敗ぶりに裏切られた思いが、組織とは個人とは何かを終生問い続けたのではないかと言はれている。

筋を通す事でも一家言を持たれていたと思う。「驕らず、阿らず、怠らず」の人生だった様だ。

小生はある機会に城山氏の講演された記録を読んだ事がある。(20数年前の事である。)
それは今や世界の「トヨタ」に上りつめた成長期にあったトヨタ自動車を批判して止まない発言だった。
曰く下請け業者への限りないコストカットの要請の強要。期間従業員を採用しての正規従業員の縮小等を激しい表現で批判している事に驚いた。
トップが日本経団連の会長に君臨する前の事だが、世界の自動車界のトップに位置して、今や年間利益が2兆円にも達する「トヨタ」だが、これだけの利益を従業員や自動車購入者や、広く社会に還元する姿勢さえ見せていない同社の姿勢を既に喝破していたを思う。

当時と言えどもこれだけの激しい批判を浴びせる城山氏とは?と思った記憶が鮮明に蘇った。

知人の面白サイトを紹介してみる。笑いがこの世を楽しくする。
      http://emizo.jp//
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする