ご主人と2人の男の子の家族を守る奥さんが、末期がんに侵され余命一年と宣告を受ける。あくまでその日を迎えるまでは、子ども達には元気な姿を見せたいと願うのだが、入院して抗がん剤の治療を受けることになる。
入院の束の間に自宅に帰り身辺整理を始める妻に言葉が出ないご主人。そして新婚当時の住まいや夫婦の思い出の地を訪ねて時間を過ごし、子どもとも別れて病院に戻る。
いよいよ妻の最後の時間が迫ったことを医師に知らされて、夫は子どもたちに告知をする。「世の中には多くの高齢者が生き続ける中で、何でママがこんなに早く死ななければならないの」と子どもが悲痛な叫びをあげる場面では涙が止まらない。
亡くなってから三ヶ月後、病院の看護師が訪ねて来て、妻からの手紙が届けられる。その手紙には一言だけ「忘れていいのよ」と書いてある。何時まで家族が哀しみから抜け出せないのではとの思いが伝わる。
実は現在もボランティアでお手伝いの「千葉県がんセンター病院」で緩和ケアセンターの部長から、現在の終末医療の実情を講演で伺ったこともあり、身につまされる内容でした。
主演は妻「壇れい」夫が「佐々木蔵之介」である。なかなかの好演だと見ました。