知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

社会について考える4 正義論

2014年02月27日 | 国家論
正義と法律は一致する。
社会的正義を文章にまとめたものが法律である。

人を殺してはいけない=正義に反する
人を殺さないための規範を作ろう。
その規範をまとめたのが刑法。
破れば処罰する。


多くの場合、このような考え方になると思います。
しかし、本当にそうか?

これが、今回のテーマ。


戦争で人を殺せば、手柄を立てたと褒められる。
クーデターで大統領を殺せば、新政権からは褒められる。

人を殺す=正義

子供に、
「人」を殺してはいけない
と教えながら、
戦争やテロで敵である「人」を殺すのはよい
と教える。

一部、その過程において、巻き込まれる「人」がいても
やむを得ないと教える。


つまり、絶対的な正義などないということ。

場合において、あるいは、権力によって、
 正義がつくられる
ということ。


その作られた正義に基づいて、
 法律を制定し、統治をする
というのが、権力である。

これは、世界史を学ぶとよく分かると思います。

帝国が滅び、新たな帝国が生まれる。
その際に、歴史を書き換え、自身を正当化する。

物事には、良い面と悪い面があるため、
 どちらに力点を置いて、語るかによって、
 物事を正当化することができる。

そのため、
 たいてい滅ぼされた王については、
 こんなひどい奴で国をめちゃめちゃにしたんだ
という史実が語られ、
 新たな帝国を打ち立てた王は、偉大な聖君として描かれることが多い。


これは、政権交代も同じ。
すでに、国民の記憶からは消えつつある、民主党政権誕生時。

消えた年金問題、公共事業の不正、天下り問題、財政危機・・・

無駄な税金の支出を辞めさせるとマニフェストを打ち立てた民主党が選挙で
政権奪取。
長期政権における自民党の腐敗ぶりが前面に出てきた。

その後、仕分け作業がなしくずしになり、
東日本大震災で、民主党政権の無能ぶりが明らかになり、
防衛戦略もひどいありさま。
子供手当など福祉はばら撒きとなる。

そんな中で、民主党が悪者になり、再び自民党政権へ。
自民党政権は、
 政権担当能力を前面に出しながらも、
 大型公共事業予算を組み、従前の利権構造が復活。

振り子のようにふれているわけです。

酷い有様←是正する権力←酷い有様←是正する権力


話を戻すと、
 権力の交代においては、前の権力が衰退し、不平が生まれ、
 権力を倒すことが正義であるとの価値観が生まれ、
 それが社会を形作る。

正義は、それほど、確固たるものではなく、
 人や時代や環境などにより、相対的に形を変えるものである
ということ。
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