樫や椎の老木は主幹が節くれだって大きな洞を抱えているものばかり見てきた僕にはこの山蔵のイチイガシは新鮮に見えた。
樹齢約1000年、目通り約7.5m、根周り実に12m超、樹高約25mと有りまるで巨杉でも有るかのように、すくっと立っている。
巨大な根元は、その樹齢を納得させるような巨大に樹瘤が隆々と脈打つが、洞などは見当たらず、至って旺盛まるで1000年も生きているというのが俄かには信じがたい
宇佐市、安心院中心街より、県道718にて高速インターを突っ切り佐多の交差点を越えると直ぐに山蔵の集落。
集落の裏、小さな斜面の広がる山裾、民家の屋根越しにその姿を確認することができる。
隆々と脈打つ主幹の木肌は鱗様の白い樹皮がめくれ上がり、幹は地上7m辺りで二分、次いでで5本に分枝して大空を塞いでいる。
根元には小さい祠が有り、小石造物がならべられていて、日々崇められているのが手に取るように解る。
もう何十年も昔には根元大きな空洞が有って石祠が祀られていたそうですが、現在その石祠を飲み込んで洞もすっかりなくなっています。
石祠を飲み込んだイチイガシの巨木は正月前でしめ縄も新しくなり、もはやこの地の神そのもののようです。
昭和30年大分県天然物指定。
撮影2009.12.26
不思議な感覚を覚えます。
九州は巨樹の多さと大きさが格別ですよ。