九州の巨木では何と言っても先ず筆頭に上がるのは樟の木・・・・九州、どこへ行こうが樟がついてくる。
朝倉市は福岡県南部を横断、有明海に注ぐ九州きっての大河、筑後川沿いに位置し、合併以前は甘木市と呼ばれ、この「甘木」という地名は、この寺「甘木山安長寺(かんぼくざんあんちょうじ)」に由来すると言われている。
そんな名古刹「安長寺」地蔵堂背後から建物を覆い尽くすかのように、見事な樹冠の大樟が聳えて居る。
延喜二十年(920)、南都よりこの地管理のため移り住んだ甘木安長(遠江守安長)により創建、地蔵堂には何と矢田寺より請来の地蔵が祀られ天然痘予防に霊験あらたかとされ、「バタバタ市」として、今に信仰が伝えられて居る。
そんあ地蔵堂背後に聳える大樟は伝承樹齢700年、目通り約12m、樹高32mと、九州の大樟としては特別飛びぬけたものでは無いが、目の当たりにすると馬鹿でかい。
姿の良い緑泥片岩の自然板碑を前にどっしり根を下ろした大樟は、100m程も離れた道路工事の際に確認された程、その根を伸ばしている。
根元の大きい洞には小さな祠が祀られ、この樟自身も信仰の対象に成っているようだが・・・、天正14年(1586)、羽柴秀吉と戦った島津軍がこの地に侵入放火、その傷跡が今に残ったものだそうです。
しかし、そんな事はものともせずに樹勢は益々旺盛、ここより400m程離れて対峙する須賀神社(祇園社)の大樟とは「夫婦樟」と呼ばれ、こちらは芽起ちが「赤芽」なので「女樟」と呼ばれています。
因に、二樹共に福岡県の天然記念物に指定されて居ます。
撮影2011.12.16