神仏混淆の一大拠点として栄え、今尚、仏教色が色濃く残る境内に往時を偲ぶように立つ二本の巨楠です。
前回紹介の白石町深浦海童神社より北へ約5km強、海岸線を離れ、杵島山の東面、白石平野を一望する斜面に建つ。
寺院を思わすような大きい随心門(山門)の立つ急な石段参道脇には鐘楼も残り明治廃仏毀釈以前の姿をそのまま留めている。
稲佐神社は、古く飛鳥時代、百済より「阿佐王子」が来朝し、稲佐大神と共に両親を・・・、後「阿佐王子」自身もも合祀された。
その後平安時代には空海により稲佐泰平寺が開かれ、一大霊場になり、 稲佐神社その鎮守社となり稲佐大明神と呼ばれた。
大楠は山門への登り石段右手、稲佐泰平寺を彷彿取とさせる鐘楼脇斜面にどっしり根を下ろしている。
うんと斜めにせり出しているように見える巨幹も、しがみつく様に立つ斜面に対しては垂直・・・・・・、それでもしっかり踏ん張っています。
地上5m付近より三方に分岐、株許付近はコケに覆われ、マメヅタやノキシノブなどが共生し、幹には空洞がありますが、樹勢旺盛で夏には降りしきる蝉時雨でで溢れそう・・・・。
鐘楼を背に凛々しい樹姿を持つ一号樹は根回り26m」目通り約10m、樹高17mと成って居る。
片や境内社務所脇に立つ二号樹。
その巨大な幹は根回り19.2m、目通り10.5m・・・、こちら平地に在り、すくすく伸びて樹高26.5m。
共に樹齢は600年以上とされ、佐賀県の天然記念物に指定されて居る。
撮影2010.4.30