YS Journal アメリカからの雑感

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政治への失望

2016-05-24 10:52:00 | アメリカ政治
お呼びも掛かっていない Mark Cuban が、ヒラリーの副大統領候補の可能性を口にしたことで、アメリカ大統領選は、ビリオネアー且つテレビスターが席巻する様相を呈してきた。

今にして思えば、8年前オバマを選んだ時からアウトサイダー志向が本格的に始まったのだ。(オバマはワシントン政治のど真ん中にいながらワシントン政治を批判し続けている。大いに矛盾しているが、マーケティング的には正解である)

オバマは紛いなりにも連邦上院議員であったが、実質的な経験が無い事をアドバンテージにして、カリスマ性とルックスで政治的スターの座に一気に上り詰めて大統領となった。その後も、オバマ大統領の当選の要因として、政治経験の無さがメリットとして分析された事は皆無である。

政治経歴の豊富な人々は、首長として実績、議員としての投票履歴で矛盾した言動が記録される。政治の営み自体が妥協の産物なのだから致し方ない。一方で、政治的な経歴がなければ、だだの方言、勘違いで逃げられる。例えば、2008年の民主党大統領予備選では、ヒラリーのイラク参戦賛成投票は、参戦投票時に上院議員でさえなかったオバマの強力な攻撃ポイントとなった。

ヒラリーは豊富な経歴があるので、多くの人が大統領になったときの想像が出来き、その光景は明るいものでは無いと想像しているに違いない。一方で、トランプにはいろんな人の希望が投影出来る真っ白なキャンパスがある。究極的には、トランプはオバマと全く同質なのだ。

ヒラリー対トランプになったときに、新しいものを求める傾向のあるアメリカは、トランプを選ぶ様な気がする。輝かしい経歴にがんじがらめにされたヒラリーは、究極的にはオバマ路線継承しか拠り所がないので、辟易されるだろう。

全く政治経験が皆無が必須条件であり、大金持ちでテレビスターであれば大統領になれそうだ。

経歴の無い人が大統領になった場合、大統領職務に適しているかどうかは運頼みだ。

オバマは大きく外れたが、トランプが大統領になった場合は「当たっている事」を祈るしかないのだ。会社再建のため外部から経営者をスカウトする場合と全く同じだ。