YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

IRS Scandal

2013-05-19 21:26:37 | アメリカ政治
最大で唯一の関心は、オバマ政権にとってのウォーターゲートになるかどうかだ。

オバマ辞任、罷免に至らなくても、官僚もしくはホワイトハウスの上級スタッフが辞任に追い込まれる事態になれば、IRS に限らずオバマが目指す大きな政府、つまり連邦政府のやり過ぎに警戒気運が高まるであろう。

まず今回の IRS: Internal Revenue Service(内国歳入庁と訳してあるが日本で言う国税局)のスキャンダルであるが、非営利団体の申請審査で Tea Party, Patriot などキーワードとして使い、保守系グループに対し税金申請とは無関係の政治信条や必要以上な情報の開示を求め、そのうえ通常数ヶ月で終了する審査が2年以上経っても処理さえされない。

IRS は当初は否定、その後下級職員によるものとしていたが、苦情が広がり収束を急ぐオバマ政権は責任者を更迭させるている。

保守系グループをターゲットにし始めたのが 2010 年であり、ObamaCare への反対が盛り上がり草の根グループが多く誕生した頃である。非営利団体の認定を受けると寄付金集めや活動が格段にしやするなる。そして IRS は2012 年つまり大統領選の時まで、続けていた事が明らかになっている。

まだ、ホワイトハウス、オバマ自身の関与については何も出てきていないが、オバマの再選キャンペーンのウェブページでロムニーへ寄付をした人達を個人攻撃した事があるのだが、そのうちの何人かには IRS の意図的と思われる監査が入っている事実もある。

この IRS スキャンダル以外にも、リビアのベンガジ領事館襲撃の真相、そして 司法省による AP 通信社の盗聴問題が噴出している。

オバマ陣営は共和党が極端に政治問題化させていると非難し、オバマ大統領に至っては IRS Scandal に憤慨していたりすのだが、ホワイトハウスが関与している可能性は高そうだ。

叩けば必ず埃が出そうなので、共和党が連邦下院の公聴会等を上手く使って、どこまで追求出来るかが今後の展開の鍵であろう。これまでオバマにたいして厳しい批判をして来なかった大半のマスコミも、司法省による AP 通信社の盗聴問題が明るみになった事で少し風向きが変わった様にも見受けられる。

どちらにしろ、アメリカ政治は暫く停滞する事になるだろう。(この状態は 2010 年の民主党中間選挙大敗から少しも変わっていないのだけれど)