yoosanよしなしごとを綴る

つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

ヴェネツィア=ゴンドラに乗り、カンツォーネを聴き、イカ墨スパゲッティを食べ、99mの鐘楼に上る・・

2015年06月23日 | 旅行

イタリア紀行2004-33 イタリア5日目 ゴンドラ カンツォーネ イカ墨スパゲッティ 鐘楼 サン・マルコ大聖堂 聖テオドーロ 聖マルコ/2015.6記
 かつてのゴンドラは喫水線が深かったり、色とりどりだったり、船室があったりと自由につくられたらしいが、ヴェネツィア経済の減衰に伴って倹約が奨励され、いまのように黒色で、船室を備えない、喫水線の浅いゴンドラに統一されたらしい。黒色の船体に舳先が鋭く伸び上がっているから、精かんな感じがする。
 ゴンドリエーレの巧みなさばきで小運河から大運河に出る。両岸にはゴシック様式、ルネサンス様式をまとった貴族の館が並ぶ。
 小運河に戻ると、ゴンドリエーレが歌を披露してくれた。かつてアメリカの観光客がゴンドリエーレにナポリ民謡を希望し、それが定着したそうで、通常はゴンドラセレナーデというらしいが、日本人はカンツォーネ(イタリアでは単に歌を指すらしい)=ナポリ民謡と信じて疑わないらしい。日本民謡をサービスしてくれ、ゴンドラ体験終了。
 昼食はヴェネツィア名物のイカ墨。栄養価も高く、味もいい。ただし、量が多い。前菜に山盛りのイカ墨スパゲティ、メインに白身魚のムニエル、デザートで食べ過ぎた。
 午後は自由行動なので、まずは鐘楼に上った。99mの高さ、ビルなら33階に相当する。ありがたいことにエレベータで上れた。鐘楼はもともとは見張り台だったそうで、音色の違う5つの鐘が備えられ、上院開会、議員召集、正午、処刑、始業と終業を知らせたそうだ。非常事態には全部が打ち鳴らされたかも知れない。
 鐘楼からは街なかも埠頭も丸見えである。いまは赤茶色の屋根瓦に染まった街並みとその向こうの運河、海の風景を楽しむことができるが、見張り台だったころは敵に防衛体制が露見してしまうから、許可された者しか上れなかったそうだ。
 サン・マルコ大聖堂を見下ろすと、ギリシャ十字平面のクロス・ドーム形式で、交叉部に大ドームを載せ、十字の四方にもドームを載せた構造が手に取るように分かる。こうしたつくり方はローマ・カトリックの聖堂とは異なっている。ヴェネツィアは建国のころ、ビザンティン帝国領だったから、ビザンティン帝国の聖堂をモデルにしたらしい。
 当初の守護聖人もギリシャ系の聖テオドーロだった。テオドーロは古代ローマの兵士で、キリスト教に帰依しローマ軍に逆らったため殉教したそうだ。ところが、ヴェネツィアが国力を蓄え、他国と競い合うようになって、聖テオドーロでは心許ないと思ったのか、聖マルコの遺骸を盗み出すことに成功し、以来、守護聖人は聖マルコとなった。
 これがヴェネツィア流の生き方らしい。

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