yoosanよしなしごとを綴る

つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

2019.5 ポーランドの旅⑥ 3日目昼にジュレックを味わい、夕はウォッカで乾杯する

2019年06月29日 | 旅行

2019.5 ポーランドの旅 ⑥食事と酒 3日目  マルボルク→エルブロング→古城ホテルへ/昼にジュレック、夕にウォッカを体験

 6:30朝食、キュブスホテル1階レストランのモトワヴァ川沿いに席をとる。
 ビュッフェスタイルで、2日目朝食とほぼ同じ、野菜を盛りつけ、酢漬けタラ、酢漬けサーモン、ハム、ソーセージ、チーズ、スクランブルエッグなどを選ぶ。
 パンはライ麦パンとクロワッサンにし、ヨーグルトにフルーツを入れ、カフェオレを運ぶ。
 今日は外国人のグループがいくつかいて、7時ごろには満席状態になった。みんな、身体が大きい。席と席のあいだが狭く、食材をのせたトレーを運ぶのも大変そうだ。

 12:30昼食、エルブロングの田園地帯を走り、由緒ありそうな館に着いた(写真)。
 レンガ積みの館を改修してホテルとし、レストランを併設したようだ。
 前菜にジュレックzurekが出た(写真)。おもわず歓声を上げる。ライ麦粉を発酵させ、家庭ごと、レストランごとに工夫した食材を入れるポーランドの基本料理の一つである。
 一般にはスープ皿に盛りつけるが、パンをくりぬいた中にスープを入れるのも少なくないそうだ。スープは濃醇で酸味がきき、おいしい。野菜、ソーセージが煮込んであった。パンにもしっかりスープがしみこみおいしいのだが、なかなかのボリュームである。
 主菜はベーコンをはさんだポテトのパンケーキである(写真)。
 生クリームをよけ、一つ目を食べる。ベーコンのしょっぱさがきいてポテトケーキがおいしいが、ジュレックのパンでかなり満腹感があり、2個目のポテトは半分ほど残した。  
 デザートはアイスクリーム+ホームメイドケーキである。ケーキにはリバーブ西洋大黄が使われていて、アイスクリームにリバーブが添えられていた。苦みが身体によさそうな気がするが、ふだんデザートを食べない私にはケーキが巨大に見える。アイスクリームは完食した。
 ビールももちろんあったが、ガイドによるとポーランド南部のワインもおいしくなり、最近はよく飲まれているというので、ハウスワイン赤9zlを頼んだ(写真)。
 酸味のしっかりしたワインだった。写真のワインの隣の青のペットボトルはノンガスのミネラルウォーター、緑がガス入りミネラルウォーターである。
 ポーランドでは青と緑でノンガス、ガス入りを分けているようで分かりやすい。

 17:40エスプレッソ、エルブロング運河でクルーズ船を体験したあと、古城ホテルに向かう途中、ガソリンスタンドに併設されたミニショップでトイレ休憩になった。
 ショップの壁にコーヒーマシーンが設置されていた(写真)・・ほかのガソリンスタンド併設のショップも同じスタイルのコーヒーマシーンが設置されていた・・。
 マシーン下の台に大中小の紙コップがあり、マシーンに紙コップをセットし、モニター画面からコーヒーの種類=エスプレッソ、コップの大中小=小を選んでスイッチを押すとエスプレッソが出てくる。
 それをレジに持っていき、5zlを払った・・北欧では同じ形式のコーヒーマシーンだったが、先にレジで紙コップを購入してから、マシーンでコーヒーを選んだ。段取りが少し違うが、基本は同じである・・。
 エスプレッソの味も同じで、苦みが勢いよく喉を流れていった。

 19:40夕食、古城ホテル・リンは迷路のようで、通路を間違えると部屋に戻れなくなりそうである。
 ロビー階の大ホールでは大きなグループが食事中で(写真)、私たちは大ホール先のいかにも昔ながらの食堂といった雰囲気の部屋で食事を取った。
 前菜はニシンタルタルといわれた(写真手前、奥はジヴィエツビール14zl)。もしかするとタルタルニシンかも知れない。
 ポーランドではニシンをシレジと呼び、前菜で食べるそうだ。円形のご飯の上に細かく切った酢漬けのニシンやタマネギなどの和え物がのっている。
 タルタルは、ソースではなく、牛肉を叩いて挽肉にした料理法を指し、タタールが変形したともいわれている。
 ニシンをタルタルのように料理したというのであろうか。真偽は不明である。ジヴィエツを飲みながら、ニシンのタルタルを食べた。
 モルドバワイン・・東ヨーロッパ、モルドバ共和国のワイン・・があるというので、ワイン15zlも味わった。味の差が分かるほどの通ではないが、しっかりした味わいだった。  
 本菜は、チキンにすり下ろしたポテト、カリフラワー付きである(写真)。前菜のニシン、タマネギなどは食べ、ご飯を残したので、本菜は完食できた。チキンはぱさぱさしていたが、モルドバワインが味を補ってくれた。
 デザートは大きすぎるチョコレートケーキが出た。

 私たちの隣のテーブルには正装をした20人ほどが盛り上がっていた。隣り合わせなので目が合う。
 主賓らしき男性が小さなグラスのウォッカを持ち上げ、私を見ながら乾杯の仕草をしたので私もワイングラスで合わせたところ、補佐役?の男性がグラスにウォッカを注ぎ私を手招きする。誘われるまま、ウォッカで主賓に乾杯をした。
 ポーランドでは50才の誕生日にパーティを開く習慣があるそうで、このような記念日ではウォッカを飲むらしい。
 ちなみに健康を祝し乾杯はズドロヴィエというらしいが、ウォッカを2杯もいただいたせいか、耳が遠くなったせいか、発音ができなかった。
 ウォッカは40度ぐらいの蒸留酒で、ポーランドの予習で読んだ五木寛之著「ワルシャワの燕たち」、稲垣晴彦著「夜霧のポロネーズ」、須賀しのぶ著「また、桜の国で」には、ウォッカが日常的に飲まれていた光景が描写されている。
 ガイドによれば、若者を中心にウォッカ離れが進み、ビール、ワインが好まれているようだ。ビール党、ワイン党の外国人観光客が増えたせいかもしれない。
  誕生パーティのグループに別れを告げ、迷路を乗りきり部屋に戻って、23:00ごろ寝る。(
2019.6)

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2019.5 ポーランドの旅⑤ 2日目昼はタラ+ポテト、夕はポーク+ポテトをいただく

2019年06月27日 | 旅行

2019.5 ポーランドの旅 ⑤食事と酒 初日・2日目

1日目 成田→アムステルダム→クダンスク 機内食を楽しむ
 成田空港の集合は8:25なので、朝4時過ぎに起き、5時ごろ、あらかじめ冷蔵庫に残しておいた牛乳、パン、バナナを食べる。
 9時過ぎ、KLMビジネスラウンジ=デルタスカイクラブで、野菜スティック、ナッツ、クロワッサンを肴に、スパークリングワイン、栄川大吟醸・・福島県会津・栄川酒造・・、赤ワインを味見する。

 離陸前、ビジネスクラスはシャンパンとジュースのサービスがある。さっそく、シャンパンNicolas Feuillatte Brut Reserveで乾杯する。ニコラ・フィアットは辛口で、さっぱりした味わいである。
 日本時間12時ごろに機内食が配膳される。まず食前酒にニコラ・フィアットをもう一杯と、前菜=海老の手まり寿司、スモークサーモン砧巻き、蟹のキュウリ巻きなどの盛りつけをいただく。
 主菜は和食を頼んだ。豚肉白菜巻き、鮭の木の芽味噌焼き、鯛の茶碗蒸しなどが並ぶ。和食なので日本酒を頼んだら、シャンパングラスでKizakura Ginjo・・京都・伏見、2016年5月黄桜記念館を見学したのを思い出す・・が出た。端麗でなめらかな味わいだった。  
 デザートはチーズプレートとメロンシャーベットを選び、オーストリア産のデザートワインTschida Muskat Ottonel Ausleseを味わう。甘味のある濃醇な味で、チーズにもシャーベットにも合う。

 アムステルダムまで11時間余、映画を見たり、持参の本を読んだり、予習をしたり、うつらうつらしたり、その間に本場オランダのハイネケンHeineken・・グリーンの缶ビール・・とポルトガルのポートワインTaylor's Late Bottled Vintage Port 2013をいただく。
   日本時間20時ごろ=現地時間13時ごろ、和風弁当を頼んだ。アサリの芥子醤油和え、蒲鉾、帆立貝、田作りなどが詰め合わせになっていた。再度、ハイネケンを飲む。  アムステルダムでの乗り継ぎ時間は短い。入国審査を終え、急ぎ足でKLM機クダンスク行きに乗り込む。
 横4席の小型ジェット機だった。飛行時間は1時間半ほどだが、軽食と飲み物のサービスがあった。空腹を感じなかったし、眠たかったので断った。

 クダンスク空港に18:00ごろ着陸、バスで30分ほどのクダンスク旧市街に隣り合うキュブスホテルに19:00=日本時間夜中の2時ごろチェックインする。5階の401号室、窓下は川が流れ、先に旧市街が見える。
 部屋にはガス入りとノンガスの500ccミネラルウオータが1本ずつ用意されていた。  
 ポーランド初日を祝し、部屋で明日の準備をしながらビールを飲もうとバーに下りた。バーカウンターにはおしゃれなデザインのサーバーコックが並び、向こう席の客がビールを飲んでいたので、サーバーコックを指さしながらビールを頼んだ。
 ビールの銘柄はジヴィエツzywieckで、味はピルスナーに似る(写真、右のペットボトルはノンガスのミネラルウオーター)。バーで12zl≒400円・・デビットカード払い・・ぐらいだったから安い。
 日本から持参のナッツをつまみに、ポーランド初日を終える。あとで分かったが、ポーランドではビールが好まれていて、代表的な銘柄の一つがジヴィエツビールだそうだ。  
 就寝は22:00過ぎになった。日本時間では翌朝5時過ぎである。

2日目 クダンスク 昼はタラ+ポテト、夕はポーク+ポテト
 朝食前に外の雰囲気を感じようと早めに下りたら、すでにレストランで食事を取っている観光客がいた。6:45、キュウブスホテル1階レストランで朝食にする。ビュッフェスタイルで、食材は多かった。
 生野菜、酢漬けのタラとサーモンを一切れずつ、種類の違うハム数枚、ソーセージ、チーズ、スクランブルエッグなどを盛りつける。黒パンを選び、フルーツヨーグルトにカフェオレを運び、モトワヴァ川を見ながらいただく。
 別グループの日本人ツアーもいたが、ほとんどがヨーロッパ人の観光客のようだ。

 13:15クダンスクのDalkowski Swojeski Smakで昼食をとる(写真)。
 前菜はパスタやニンジンなどの入ったスープ、本菜はタラ+ポテト(写真)、デザートにヨーグルトが出た。ビールはジヴィエツ12zlを頼んだ。
 ポーランドではスープをズパと呼ぶそうだが、スープで通じる。若干塩味が強い・・我が家はかなりの薄味だから塩味を感じるのかも知れない・・が、おいしく完食した。
 クダンスクはバルト海に面した港町として発展したし、ポーランドでは「主食はジャガイモ」といわれているから、主菜のタラ+ポテトは定番、基本の料理のようだ。タルタルソースは避けてタラは完食、ポテトもほとんど食べた。
 ヨーグルトは濃厚だった。羊?、トナカイ?、聞き漏らしたが牛ではなかったと思う。果物のジャムが入っていて食べやすかったが量が多い。
 初回のポーランド料理はまったく抵抗なくおいしく食べた。以降、最終日までポーランドの食事はどれも口に合った。難点は量が多いことである。

 18:05、夕食はクダンスク旧市街から駅に向かう王の道と呼ばれるメインストリートに面したレストランGdanskでとった(写真)。
 店内には帆船の模型が吊り下げられ、壁には船用のランプらしき品なども展示されていた。単なる装飾品だろうが、港町クダンスクらしい。
 前菜のコンソメスープは、やはり味が濃いめに感じるがおいしく完食する。
主菜は、ポーク+ポテトである(写真)。昼の魚料理も夕のポーク料理も、日本の料理と変わらない味付けである。豚肉もよく食べるらしいから、豚肉+ポテトも定番、基本の料理のようだ。ほぼ完食する。
 デザートは、ロールケーキ風でケシの実が入ったマコヴィエツケーキが出た。ケシの実のプチプチといった歯触りはまんじゅうなどに入れられた胡麻に似ていて違和感はないが、甘すぎる。半分残す。
 ビールを頼んだら、ジヴィエツビール11zlだった(写真)。クダンスクはジヴィエツが主流のようだ。

 クダンスク旧市街を散策しながらホテルに向かう。日没は21時ごろで、まだまだ明るい。
 途中のミニマーケットでジヴィエツビール缶4zlを買う。風呂上がりにモトワヴァ川を眺めながらビールをいただき、22:00ごろ寝る。(
2019.6)

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2019.6 さいたま市染谷花しょうぶ園を訪ねハナショウブを楽しむ、アヤメ、カキツバタとの違いは?

2019年06月24日 | 旅行

2019.6 染谷花しょうぶ園を訪ねる   日本の旅・埼玉を歩く一覧

 少し前のさいたま市報?に染谷花しょうぶ園が掲載された。
 40年ほど前、現さいたま市西区中釘=旧大宮市中釘に住み始めたころ、大宮市報に染谷花しょうぶ園が紹介され、出かけたことがある。
 そのころはナビも、もちろんインターネットも無い時代だから、地図と住所を頼りに運転し染谷の地名までたどり着いたが、しょうぶ園がどうしても見つからずあきらめた。  
 その後、毎年のように染谷花しょうぶ園が市報に載るが、分かりにくい場所なので敬遠してきた。

 先日、朝の天気予報の中継で花しょうぶが見ごろと報道していた。うまい具合に梅雨晴れになった。車のナビに染谷花しょうぶ園を入れたら8kmぐらい、3時のコーヒータイムを兼ねて出かけた。
 ナビがなければ通り過ぎてしまいそうな横道に入ると、林のすき間にしょうぶ園の文字が見えた。入園料500円を払い入園すると、見下ろした先に花しょうぶが咲き誇っていた。
 園主の由来書きによれば、屋敷の北側は低地で雨期に流れ込んだ雨が抜けず、冬になると凍結し、春になるとどろどろになり、手がつけられなかったそうだ。
 園主は植木生産販売を営んでいたが、長年この荒れ地をなんとかしたいと考えていて、花しょうぶの栽培を試し始めた。各地の花しょうぶ園を訪ねては試行を重ねるうち、花しょうぶのとりこになった。池をつくり、橋を設け、東屋を建て、次第に本格的な花しょうぶ園に発展し、開園にこぎ着けたそうだ。
 花しょうぶは6月が見ごろである。染谷花しょうぶ園は6月だけ開園している。

 花しょうぶの英名はIris ensataで、irisはアヤメ、ensataは剣のように鋭いを意味するそうだ。
 確かに、花しょうぶの葉は細く鋭い。
 ギリシャ語ではirisは虹を意味し、ゼウスの妻ヘラから7色の首飾りを与えられた侍女irisイリスは虹の女神になったとの伝説もある。
 虹色は誇張かも知れないが、花しょうぶは白色、桃色、紫色、黄色、青色など色とりどりで、目を楽しませてくれる。
 染谷花しょうぶ園には200種、20000株が栽培されているらしい。花によって若干の時期のズレがありそうで、1週間ほど前が盛りだったそうだ。
 それでも園内一杯に花を咲かせていた(写真)。
 順路があり、まず園内を広く眺め、次に花しょうぶのあいだを歩き、橋に上って見下ろし、東屋でくつろぎながら眺められるようになっている。
 順路を一周する。入口脇に売店があった。珈琲を飲みながら一句ひねろうと思ったが、淹れ立ての珈琲はなかった。
 わずか8kmほどだから、句づくりは次の機会にし、家に戻ってコーヒーミルで豆を挽き、梅雨晴れの空を眺めながらバルコニーで珈琲を楽しんだ。

 余談:花しょうぶはアヤメ科アヤメ属で、菖蒲アヤメ、杜若カキツバタもアヤメ科アヤメ属の仲間である。
 菖蒲湯に使う菖蒲ショウブAcorus calamusはサトイモ科で、川や池に生える。葉っぱはアヤメ科アヤメ属に似るが別種である。同じ漢字を使うから混乱する。

 アヤメIris sanguineaは乾いた土地に育ち、背丈は40~60cmで、5月上旬~中旬に紫色の花が咲く。外花の網目模様、花びらの黄色い模様が特徴である(上写真、web転載)。

 カキツバタIris laevigataは水中や湿地を好み、背丈は50~70cmで、5月中旬~下旬に青紫~紫、白の花が咲く。外花に網目模様はなく、白い斑文が特徴になる(中写真、web転載)。
 在原業平が三河国で「ら衣 つつなれにし ましあれば るばる来ぬる びをしぞ思ふ」とカキツバタを見て歌を詠んだことから、愛知県の県花になっているそうだ。

 ハナショウブIris ensataは花菖蒲の漢字を当て、乾いた土地を好み、背丈は80~100cmと高く、6月上旬~下旬に紅紫、紫、白などいろいろな色合いの花を咲かせる。外花に網目模様はなく、黄色の斑文が特徴である。
 といっても植物に疎く見分ける自信はない。花を愛でる気持ちがあれば良しとしよう。(
2019.6)

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「顔に傷のある男」は独立後のポーランドの農村を舞台に巡査長が強盗殺人犯を証す推理小説

2019年06月22日 | 斜読

book493 顔に傷のある男 イェジィ・エディゲイ 早川書房 1977  (斜読・海外の作家一覧)
 ポーランドの予習にとポーランド人作家の本を探してこの本を見つけ、ポーランドツアーの飛行機で読み始めた。しかし、ツアー中は読む時間が無く、帰国後に読み終えた。
 著者イェジィ・エディゲイ(1912-1983)は、16世紀、ポーランド王国がもっとも勢力を拡大した時代の宮廷騎士団が祖先らしいが、この本は現代を舞台にした推理小説である。
 この本の原作は1970年出版である。第2次大戦下ではナチス・ドイツの支配下にあり、町は徹底的破壊され、300万人といわれるユダヤ人が犠牲になった。
 第2次大戦後、ポーランドは独立するものの共産党一党独裁の圧政を受けた。たぶん著者も20代に戦争を、30代で共産党独裁と民主化運動を体験したに違いない・・ポーランドの民主化は1989年、残念ながら著者没後になる・・。

 この本の主人公スタニスワフ・フシャノスキーは、P56・・義務教育を終えるまえの17才のときに・・たぶん第2次大戦の・・志願兵となり、銃撃戦で胸に銃弾を受け敢闘十字賞を授かる、20才で除隊し、・・たぶん独立後の共産党一党支配時代に・・警察学校で訓練を受けたのち警官となり、暴徒作戦を成功させて地方都市の署長になったが、P57・・偉大なる経験者の時代が終わりを告げ始めたのに気づき、義務教育修了資格を取ろうと猛勉強を始めた、45才の実戦的で冷静な判断力の前向きな人物として描かれている。著者の分身だろうか。

 物語は、義務教育修了資格を取ろうと猛勉強する「1 数学の復習 」から始まる。分署でフシャノフスキーがP9等脚台形に内接する円で四苦八苦しているところに、6km?を自転車で走り続けた村長が村の協同組合の店が襲われ、女店員のミハラコワが殺された、と告げる。
 フシャノフスキーは警察電話で県警に報告し、部下の運転する単車で現場に駆けつける。 一般家庭にはまだ電話がなく、車も普及していなかったようだ。

2 「犯行現場」   この村では収穫後に協同組合で一気に買い物をするため、事件当日、店には47800ズオーティという大金があった。その大金を狙った犯行のようだ。
 なぜ犯人が大金のあることを知っていたのか、強盗目的なのになぜ殺したのか、疑問がわく。これが伏線になる。
 なお、ポーランドの通貨はズオーティで、この当時1ズオーティ≒33円だったから、およそ160万円になる。1960~70年代の物価を現在に換算すると10倍ぐらい、1600万円ぐらいだろうか。なお、ポーランドは2004年にEUに加盟したが通貨はズオーティを用いて、2019年5月のツアー中は1ズオーティ≒32円とさほど変わっていなかった。

3 「あれは悪魔だったわ」  小さな姉妹の証言から、犯人はヘッドライトをつけずに単車で逃げたこと、一人は背が高く、額に傷があり、もう一人は背が低く、二人ともストッキングをかぶっていたことが分かった。
 顔に傷のある男は2年以上前から、隣接する県まで含め、20件以上の押し込み強盗を重ねながら、追跡を逃れていた。しかし、これまで強盗と傷害だけで殺人は犯していない。
 重ねて、なぜ今回は殺人を犯したか、なぜ大金がある情報に通じていたか、疑問がくり返される。・・この答えは終盤で明かされる。

4 「台形のヘアスタイル」   フシャノフスキーは警察本部に出かけるが、本部長が会談中だったので、カロルの理容院で調髪する。
 雑談中に、等脚台形のヘアスタイルをカロルに提案する。その後、等脚台形の髪型が大流行する。これも伏線になる。
 本部長に会ったフシャノフスキーは、この事件の捜査員加わりたいと申し出る。本部長は階級は上だが若いレワンドフスキー警部補にフシャノフスキーと共同で捜査をさせることにする。

 以下、5 巡査部長、捜査を開始  6 またもや事件発生  7 教区司祭を訪問  8 ヤゲロンカでの出会い  9 レワンドフスキー警部補の失策  10 追う者と追われる者  11 ふたつの傷痕  12 罠  13 一寸法師の供述  14 ジビルスキー警部、ゲームに加わる  15 顔に傷のない男  と展開する。

 フシャノフスキーは現場を丹念に調べ、捜査ファイルをじっくり読み、これまでの経験を踏まえ、P91演繹法で小柄な一人は女だと推論するなど、理論と実践を兼ね備えた捜査を重ねる。
 フシャノフスキーの捜査を恐れたのか、フシャノフスキーが銃撃される。しかし、あと一歩の攻め手が見つからない。
 ワルシャワに出張を命じられたフシャノフスキーは、日曜日に国民劇場で演じられているコメディー「ふたつの傷痕」を観る。フシャノフスキーは俳優から傷痕のメーキャップを教えてもらい、犯人の目星をつけ始める。
 犯人は顔の傷をわざわざ見せているから犯人の狙いは想像できたが、犯人割り出しに予想外の展開が盛り込まれていた。推理小説としても楽しめるし、第2次大戦後の独立したポーランドの社会もうかがえ、参考になった。(
2016.6)

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2019.5 ポーランドの旅④ オリコカード付帯海外旅行保険+オーダーメイド海外旅行保険で万全

2019年06月18日 | 旅行

2019.5 ポーランドの旅 ④海外旅行保険                              

海外旅行保険変遷/オンラインでオーダーメイドの保険契約
 
海外旅行先で事故や盗難にあったり、病気や怪我をしたとき、海外旅行保険を契約しておくと安心である。
 はじめての海外旅行は、いまから40年ほど前だった。そのころは海外旅行の予備知識が無かったから、成田空港に出かけてから同行者に海外旅行保険を聞き、チェックイン直前、空港で海外旅行保険を契約した。
 行き先と日数ごとに死亡・治療・賠償などがパッケージになっていて、保険額が低い~中ぐらい~高いタイプがあり、応じて保険金額も安い~中ぐらい~高く設定されていたので、もっとも安価なタイプを契約した。旅行中は、保険を利用することもなく、無事に帰国した。

 その後、パッケージではなく、補償内容や補償金額を選べるオーダーメイドの保険を知った。
 不要な補償を外したり、補償内容ごとに補償金額を設定できるので、パッケージタイプに比べ保険料を安く抑えられた。しばらくは、近くの旅行社でオーダーメイドタイプの海外旅行保険を契約して、海外に出かけた。

 近年は、インターネットを利用してオンラインで契約できる海外旅行保険が増えた。web上には、上手な海外旅行保険契約の仕方といった口コミや、各社の海外旅行保険を比較した記事も載っている。
 web記事を参考にして、近年は、オンラインでオーダーメイドの保険を契約し、海外に出かけるようになった。

クレジットカード変遷/クレジットカードからデビットカードへ
 海外旅行に行き始めてすぐ、マイルを貯める=マイレージを知った。長距離を飛ぶとけっこなマイルになり、貯まったマイルを使って特典航空券を利用できる。
 JALとANAにマイレージカードを問い合わせたところ、クレジット機能をつけたカードにすると日常のクレジットカード払いでもマイルが貯まることも知った。
 さっそくクレジット機能付きのJALカード、ANAカードをつくった。どちらかをvisaに、一方をmasterにしたと思う。
 ほどなく、航空会社が連携してサービスを提供するスターアライアンスにANAが加盟し、遅れてJALがワンワールドに加盟したので、マイルを貯めるチャンスが格段に増えた。お陰で何度か特典航空券を利用した。

 クレジット機能の付いたJALカード、ANAカードともに、年会費が必要である。
 クレジットカードのなかには、前年に一定額以上利用すると年会費免除というのがある。たまたまHISを利用する機会があり、スカイウォーカーカード=オリコカードをすすめられた。
 オリコカードは前年10万円以上の利用で年会費が免除になる。クレジットカードはオリコカードに一本化することにして、JALカード、ANAカードはマイレージのみのカードに変更した。
 NTT、docomoなどの支払いをオリコカードにしたので、前年支払いは毎年10万円を超え、これまで年会費は免除である。

 ネット通販のアマゾンを利用し始めてから、アマゾンでのネット通販用にアマゾンカードをつくった。アマゾンカードは自宅保管で、持ち歩かないことにした。

 定年退職後に株式用のオンライン口座を開き、株投機を試し始めた。その一つの楽天銀行は、年会費無料の楽天カードがあり、カード利用のポイント率も高い。
 以降、クレジット支払いは楽天カードに一本化し、オリコカードは通常は自宅保管とし、旅行などには予備カードとして持参することにした。

 最近、デビットカードの便利さを知った。買い物、食事、ホテル代などを、銀行の口座残高+設定限度額の範囲で即時決済するカードである。
 デビットカードにはキャッシュカード機能も付いていて、ATM機などで現金の引き出し・預け入れもできる。
 さらに、海外のATM機で現金を引き出すこともできる。いままで海外で現金を引き出すのにシテイバンクカードを使っていたが、デビットカードは国内外の即時決済+国内で現金引き出し・預け入れに加え、海外での現金引き出しもできることになる。
 さっそく楽天デビットカードをつくり、クレジット用の楽天カード、海外現金引き出し用のシテイバンクカードは自宅保管にした。国内での支払い、現金引き出し・預け入れ、海外での支払い、現金引き出しは順調で、重宝している。

ポーランドの旅ではオリコカード付帯保険+海外旅行保険
 オリコカードには条件無しで海外旅行保険が自動付帯されている。楽天カードは、海外旅行の際にクレジットカードを利用した場合に限り、海外旅行保険が適用される。アマゾンカードは、海外旅行代金をクレジットで決済した場合に海外旅行保険が適用される。 
 オリコカードは条件無しなので、海外旅行の際はオリコカードを持参している。旅行前に、旅行先と旅行期間を申請すれば、海外旅行保険契約証明書も発行してくれる。
 補償内容は、
死亡・後遺障害  20,000,000
障害治療     2,000,000
疾病治療     2,000,000
賠償責任     20,000,000
携行品損害     200,000
救援者費用    2,000,000 である。

 海外で病気や怪我で治療を受けるとかなり高額になるそうだ。トラブルがあった場合の損害賠償も高額らしい。そこで、オリコカード自動付帯の海外旅行保険に加え、オンラインでオーダーメイドの海外旅行保険を追加している。
 利用しているのは、損保ジャパン日本興亜株式会社の新・海外旅行保険offで、追加補償内容は、
治療疾病     10,000,000
賠償責任     100,000,000
救援者      20,000,000  で、保険料は2460円である。
 今回のポーランドの旅でも病気せず、怪我もせず、トラブルもなく、無事帰国した。保険料は掛け捨てになったが、わずか2,460円でいざというときの強い味方になるのだから、安心料と思えば決して高くはない。

 これまでの海外旅行で、スーツケースの不具合を何度か経験した。ほとんどが空港でのキャスター不具合だった。
 帰国のときは、成田や羽田の空港内担当事務所に現物を見せ、申請書類をもらい、いったん帰宅してスーツケースを空けてから、宅配業者に発送してもらえば、航空会社が無料で修理してくれる。
 旅先の空港で不具合が見つかったときは、手続に時間もかかり、スーツケースを空にできないので、不具合を我慢し帰国後に海外旅行保険の携行品損害保険を利用したこともあった。
 この場合、免責額3,000円を負担しなければならない。
 カメラもよく落とす。ヨーロッパの旧市街は石畳が多いので衝撃が大きく、不具合を生じることが多い。帰国後、免責額3,000円を負担して修理したことが何度かあった。
 携帯やスマホも落としやすい。私たちは経験がないが、貴重品の置き忘れや盗難も少なくないそうだ。その場合も携行品損害保険で補償される。

 海外旅行では、海外旅行保険自動付帯のクレジットカードに加え、補償内容を追加するオーダーメイドの海外旅行保険の契約をお勧めする。
 ポーランドの旅③で紹介したが、現地ではデビットカードが使いやすいのでこれもお勧めである。(
2019.6)

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