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ドゥカーレ宮殿大評議会の間=サッカーコート半分の大空間+ティントレットの油絵「天国」に圧倒される

2015年06月21日 | 旅行

イタリア紀行2004-32 イタリア5日目 ドゥカーレ宮殿・羅針盤の間 大評議会の間 リアルト橋 ゴンドラ/2015.6記
 2004年3月13日、ドゥカーレ宮殿の見学で最後に入った大評議会の間は圧巻だった。まず驚かされるのが大空間。間口26m、奥行き52m、高さ13mである。子どものころ100mを走らされたから100mは想像できよう。その半分が部屋の奥行きで、その半分が間口である。まだ想像しにくい方は、サッカーコートの最小が90m×45mだから、コートの半分の大きさと思えばいい。
 しかも天井は、ビルなら4階建ての高さより高い13mである。その大空間が柱なしであるから、驚かされる。船底を逆さにしたようなつくり方だそうで、ここにも造船技術が応用されている。
 その部屋の壁、天井は、金箔の縁飾りと余すところなく描かれた油絵で埋め尽くされているから、部屋に入ったとたん飲み込まれるような気分になる。とりわけ、総督ドージェの席のうしろの壁画は、高さ7m、幅22mのティントレットによる「天国」で、イエス、マリア、聖人、天使、人、人がひしめいていて、見ていると吸い込まれそうになる。
 私の見学のときは写真撮影禁止だったが、たとえ写真撮影が許されたとしても、写真を撮るのを忘れてしまうほど、圧倒される空間だった。
 この部屋には全評議員2000人以上を収容することができたそうだ。ドージェは2000人の熱のこもった発言をまとめ上げなければならない。ときには政策の失敗を糾弾されるかも知れない。その2000人を圧倒し、リードするにはこのぐらいの仕掛けが必要だったのかも知れない。
 中庭に出たときは、深呼吸したくなった。
 ドゥカーレ宮殿見学のあとは、リアルト橋に向かった。このあたりが地理的にも、経済的にも、賑わいていどもヴェネツィア本島の中心になる。
 最初の橋は、大型の帆船でも通れるように中央が跳ね上げられる木造の跳ね橋だったらしい。倒壊したり火災に遭ったりしたため16世紀に石造の橋の設計が公募された。ミケランジェロも応募したそうだが落選・・システィーナ礼拝堂の「最後の晩餐」やサン・ピエトロ大聖堂のドームなどで、とても手が回らなかったと思うが・・。
 採用されたのはポンテの案、ポンテはイタリア語で橋のことだから、橋という人の橋のデザインが採用されたことになる。そのデザインはなかなかユニークで、歩道が両端と真ん中にあり、歩道に挟まれて2本のアーケード商店街が設けられている。この独特なデザインがさらに賑わいをつくり出したようだ。

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