2022年5月、中禅寺湖畔ホテル湖上苑で、湖+山を見ながら朝食を済ます。
快晴である。霧降高原を目指した。第 1 いろは坂=国道 120 号線=日本ロマンティック街道を下り、東武日光駅・JR日光駅の少し手前で県道169号線=霧降高原道路に左折する。林のなかを右に左にハンドルを切りながら山道を上る。
9:50ごろ、霧降高原レストハウスに着いた(写真手前)。
霧降高原は赤薙山(標高2010m)、丸山(標高1689m、写真後方)、小丸山(標高1601m)の斜面に広がる高原で、約26万株のニッコウキスゲの群生地として知られる。見ごろは6月下旬~7月中旬なのでキスゲにはまだ早いが、霧降高原レストハウス(標高1345m)から小丸山展望台(標高1582m)まで1445段の階段が整備されていて、40分で上れると紹介されている。
天気はよし、山の風景を楽しみながら上ることにした。ルートマップを見ると、直線の階段と交差しながら斜面を緩い勾配で上るつづら折りの散策路も整備されている(図web転載、右下がレストハウス、左上が小丸山展望台、右下から左上の茶色が階段、つづら折りの灰色が散策路)。
まずは足慣らしでつづら折りの散策路を歩く。フデリンドウ、トウゴクミツバツツジなどはピークを過ぎたそうだ。キスゲはまだである。ときおり小さな花が見える。咲き始めたベニサラサドウダンらしい。広々とした空を見やりながらゆっくり上る(写真)。
つづら折りの散策路は階段と何度か交差する。それぞれの交差地点には階段・散策路の略図に現在地が記され、たとえばC地点では標高1372m、キスゲ平340m、小丸山展望台710m、高原ハウス110mなどが表示されていて(写真左手前)、どのくらい上ったか、あとどのくらい上るのかが分かる。
あわせてC地点にはニッコウキスゲ、E地点にはツツジ、H地点には霧降高原スキー場といった紹介がされていて(写真右手前)、一息しながら霧降高原の特徴を知ることができる。
散策路には、何カ所かベンチが置かれていて花を眺めたり山並みを遠望しながら休憩できるし、谷わたりや寝ころび広場が設けてあって、散策を楽しむ工夫も仕掛けられている。G地点あたりからキスゲの群生地のようで、略図にキスゲが描かれている。
つづら折りの散策路はN地点までで、ここから階段だけになる。N地点あたりの標高は1466mで、散策路は勾配が緩いが120mほど上ったようだが、展望台までは半分の120mほど残っている。
見上げると彼方まで階段が上っている(次頁写真)。階段には700段/1445段中、頑張れなどが記されている。気分は励まされるが、息が切れ、足が重くなる。階段設置者は疲れ具合も予想しているようで、O地点、P地点、Q地点それぞれに展望デッキを用意してくれている。
O地点=955段の展望デッキで一息する。P地点=1184段の展望デッキでまた一息する。風は心地いい。彼方まで見通せる風景を眺めていると元気が回復してくる(写真)。Q地点=1360段の展望デッキでも一息する。
元気のいい若者グループが抜いていった。疲れ切って階段途中で休んでいる人を抜いた。小学校低学年と高学年の子どもを連れた家族と抜きつ抜かれつになった。
などなどをしながら、ようやく小丸山展望台=1445段に到着した。つづら折りの散策路を歩いたためか、案内板に書かれた40分より10分ほど多い50分ほどかかった。その分、山の散策を楽しんだことになる。
大きく息をしながら、「男体山、太郎山などは火山が噴火したとき粘り気の強い溶岩が流れ出て盛り上がったため丸い山になり(溶岩円頂丘)、その後の風雨によって一つだった丸い山が浸食され3つの尖った赤薙山、女峰山、帝釈山になった」などの説明を読む。
日光三山は男体山=夫、女峰山=妻、太郎山=子を指す。中禅寺湖や戦場ヶ原から見える男体山は確かに丸い形だが、溶岩円頂丘の説明はなかった。小丸山展望台で補習ができた。解説を読んでいるうち息が整ってきた。
小丸山展望台から遠望する(次頁写真)。正面が東で、彼方に栃木県・茨城県境となる八溝山地が小さく見える。その向こうは太平洋であろう。晴れ晴れとした遠大な風景を眺めていると、気分が大きくなる。
足も元気を回復したようなので階段を下る。長大な階段を見下ろすと、よくぞ上ってきた、という気分になる(写真)。下りは楽だが、足、膝への負担は大きいので急がず下りる。それでも30分ほどで下りきった。
だいたい11:30、霧降高原レストハウスの1階は休憩、展示、売店、2階は喫茶、軽食スペースになっているが、県民割りクーポン券を扱っていない。2000円分のクーポン券が残っているのでスタッフに聞いたら、大笹レストハウスで使えるはずと教えてくれた。
県道169号線=霧降高原道路を上り大笹レストハウスを目指す。高原の山道で、風景が明るい。途中、深い谷にかかる六方沢橋を渡った。紅葉のころは絶景を楽しめるらしい。霧降高原レストハウスから20分ほどで大笹牧場に建つ大笹レストハウスに着いた。
野外では大勢がバーベキューを楽しんでいる。演奏舞台を設営している。イベントがあるらしく賑わっていた。
レストハウスの売店で栃木の地酒を見つけ、県民割りクーポン券を使い切った。まだ12:00前なので、県道169号線=霧降高原道路を下り、日光ICを目指す。
日光宇都宮道路から東北道に入り、鬼平犯科帳をモデルにした羽生PAでランチを取り、15:00ごろ帰宅した。のべ330kmぐらいのドライブになった。日光は比較的近く、温泉があり、風景もよし、ハイキングにもよしである。 (2022.10)