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イタリア紀行2004-31 ドゥカーレ宮殿はヴェネツィア派の名作の展示場

2015年06月18日 | 旅行

イタリア紀行2004-31 イタリア5日目 四つ扉の間 ティツィアーノ 謁見の間 ベロネーゼ 元老院の間 ティントレット 10人委員会の間/2015.6記
 2004年3月13日、ガイドの案内でドゥカーレ宮殿を見学する。そのころは内部の写真撮影は禁止だった。メモだけでは部屋の様子や天井画、壁画を思い出せないが、最近はストロボ無しであれば写真撮影ができるらしく、インターネットを検索すると内部の写真が公開されている。百聞は一見にしかず、写真が引き金になり、けっこう鮮明な記憶が蘇ってくる。
 四つ扉の間は折り上げ天井で、しっくいに大理石のくずを混ぜた白のレリーフと縁取りで飾られていて、縁取りのなかにはティントレットのフレスコ画、壁はティツィアーノによる巨大な油絵が描かれている。
 ヴェネツィアは海に浮かぶ人工島で、湿気が多く、フレスコ画には向かないため、フレスコ画は少なく、油絵が多いそうだ。
 ティツィアーノの絵は「祈りを捧げるグリマーニ総督」で、中央に十字架を持つマリア、左に獅子を従えた聖マルコ、右に祈りを捧げる総督が描かれていて、この部屋に招かれた客人は、豪華な室内装飾と巨大な力作に圧倒されてしまうに違いない。
 四つ扉の間で待たされた客は次の謁見の間に通される。この部屋は四つ扉の間と違い金箔で仕上げられていて、その豪華絢爛にさらに圧倒される。天井、壁面ともにベロネーゼによる聖書をテーマにした油絵で埋められている。正面壁の画題は「レパントの勝利をキリストに感謝するヴェニエール総督」である。イスラム艦隊に勝利した歓声が聞こえるようだ。
 この部屋の天井は吊り構造だそうだ。船を造る技術の応用らしいが、吊り天井といえば江戸時代の宇都宮城吊り天井を連想する。結果的には失敗となったが、将軍暗殺の仕掛けである。ヴェネツィアでも国の存亡にかかわる交渉が決裂したとき吊り天井で敵を謀殺しようとしたのかも知れない。
 続いて元老院の間に入った。席は122名分ほどだったから選ばれた元老院議員が政策などを議論、決定する部屋だったようだ。この部屋も金箔で飾られていて、天井画、壁画ともにティントレットである。
 次は10人委員会の間である。治安維持、国家安全、外交にあたる組織である。この部屋も金箔で飾られ、天井にはベロネーゼの「総督に帽子を贈るユノー」の絵が描かれていたが、ナポレオンがヴェネツィアに進駐したとき、この天井画を気に入り、持ち去ったそうだ。以来、本物はルーブル美術館にあり、この部屋にはコピーが飾られている。本物は本来の場所にあるべきだと思うが。

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