アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

イネ

2013年09月07日 | 緑の季節

 近所の田圃のイネが頭を垂れてきました。この光景を目にすると「実るほど 首を垂れる 稲穂かな」の名句が自然と浮かびます。作者不詳ですが、味わいのある句です。働き盛りを熱帯の稲作研究に打ち込んだ私には、イネは最も馴染み深い作物です。イネは日本の気候に適した作物で、自給可能な唯一の食糧なのですが、国民の“過度”の洋食化のためコメの需要は低下の一途を辿っています。日本人がコメを食べなくなれば、国内の水田面積も減少し、水田が持つ環境保全多面性も失われるのです。農村集落も消え、稲作を源流とする伝統文化も失われてしまいます。誠に悲しいことです。

 イネの花言葉は「神聖」です。宇宙や自然や生命などは神聖なものとして人類が侵しがたい領域と思われてきました。それが科学技術の進歩で神秘のベールが剥がされ続けています。宇宙は「無」が「+」と「-」に分かれて生まれたと言う学説が証明されつつあります。いつか「+」と「-」が合体すれば、宇宙も「無」に戻ってしまうのでしょうか。人の膨大な遺伝子も解読されました。やがて人造遺伝子が開発されて生命も作られるかもしれません。究極的には、科学技術の“過度”の発展によって、人類は「神聖」を失い、人類の存在意義も分からなくなりそうです。歌謡曲の歌詞ではありませんが、「知り過ぎ」は人の喜びや幸せを奪うだけなのではないでしょうか。「神聖」の存在こそが、信仰・愛・文学・歌・祭りなど多様な文化の生みの親なのです。

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