アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

ノイバラ

2011年11月25日 | みどりの仲間達
 手入れがあまり行われない霞ヶ浦湖畔には、鋭い刺で武装するノイバラが繁茂し、人の侵入を妨げています。と同時に自然植物の保全に寄与しているのです。ノイバラの多い「茨城」とは、イバラで守られた領域を意味するのかもしれません。そのノイバラの実が鮮やかな赤に色づき、艶を増しています。街ではクリスマスや正月の花材として人気が高く、そのうち業者が集めに来るのだそうです。
 ノイバラの花言葉は「無意識の美」です。ひな祭りで人気が高まっている真壁の街並みは正に「無意識の美」と言えます。400年前の街割が保存され、江戸情緒の漂う街並みが素晴らしいのです。ひな祭りは昨年9回目を数え、十万人の観光客が訪れます。かつては交通の要衝として栄えたようですが、新交通システムから取り残され、廃れた街でした。古い民家を建て替える経済力もなく、それがかえって街並みが保存される結果となったのです。住民にとっては長らくぼろ家が連なる汚らしい町と思われていたのでしょう。桃の節句に、何気なく藏の雛人形を店頭に並べてみたところ、古い町並みとマッチし、大勢の人々が訪れるようになったのです。これこそ「無意識の美」と言えます。
 土浦市も真壁の成功にあやかろうとひな祭りを始めました。しかしこちらは安っぽい昭和後期の街並に「意識の美」を取ってつけたようなもので、人を惹きつけるような要素はありません。土浦は水都と呼ばれ、張り巡りされた運河沿いに店・蔵・民家が軒を連ね、江戸と東北地方の物産の中継地として栄えた町でした。1975年の科学博を契機に運河は埋め立てられ、古民家は建て替えられ、街並みはすっかり新しくなりました。当時の俄か仕立ての「意識の美」は長続きせず、今やシャッター通りとなってしまいました。
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