アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

ヤブガラシ

2020年07月31日 | みどりの仲間達

幼い頃、ヤブガラシの花をよく眺めていました。花を愛でるというよりは、花に集まる虫を飽きもせず見ていたのです。色鮮やかな花でもないので、匂いで虫を集めているのでしょう。私もこの花を見ると、心が和むのです。特に香りを感じるわけではありませんが、森林浴のフィトンチッドのような作用がある物質を分泌しているのだと思います。花言葉は「積極性のある」です。

私が積極性を身につけたのは、31歳の時マレーシアに長期在外研究員として派遣されてからです。第1次マレーシア5ヵ年計画で、世銀の融資を受け、イギリスのコンサルタントの設計で、ダム・幹線用排水路を建設し、10万㌶水稲単期作地域で、乾季に潅漑し機械化二期作を導入し、主食のコメを完全自給する壮大な事業でした。しかし、稲作未経験のイギリスの計画では、ハード施設は出来たものの、ソフト技術で行き詰まり、日本に協力が求められたのです。派遣された私も稲作実務に関しては素人ですが、大学で学んだ知識の範囲で月2回のワークショップを主催し、調査試験を繰り返しているうちに一家言を樹立出来るまでに至りました。いつの間にか、「積極性のある」専門家に育っていたのです。

「馬子にも衣装」をもじって、「新米にもポスト」だなあと実感することがよくありました。私のマレーシア派遣と同様、あまりパッとしない職員でも、過分と思われるポストを与えられると、見違えるような働きをし、全く期待していなかったような立派な業績を上げることがよくあるのです。与えられたポストが、眠っていた能力を目覚めさせるのでしょう。

派遣中に、多くの日本人海外協力隊の若者と出会いました。開発途上国の社会に一大変革をもたらそうと、意気込んでやってくるのですが、ほとんどの隊員は夢破れてすごすごと帰国するのでした。彼らは自ら自分の知見・技術・能力を主観的に評価し、「我こそは」と乗り込んできたのです。残念ながら自分には自分は見えないものなのです。私の場合は、周囲が「あいつならやってくれる」と客観的に評価してくれたのです。恋愛結婚の離婚率は見合い結婚より高いと言われますが、なるほどと頷けるではありませんか。

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