アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

五色ドクダミ

2016年06月17日 | うちの庭では

 10年ほど前、挿し木した五色ドクダミがしっかりと庭の一角で定着し、群落を形成しています。江戸時代に作出された斑入り種が、ヨーロッパで品種改良されてカメレオン・プラントとして普及し、それが逆輸入されたものです。五色ドクダミのお陰で、この一角は一際華やかになります。

 五色ドクダミの花言葉は「心変わり」です。私が若き日、水稲二期作化事業支援のためマレーシアに派遣されました。技術的情報はほとんどありませんでした。最初の3か月間、若い中国系マレーシア人一人を連れて対象地区10万ヘクタールのほぼ半分を地盤硬度測定器で測定ながら、連日歩きつくしました。測定値を地図上にプロットし、この地区に関しては世界初のデーターを完成させ、多くの知見が得られました。

 問題課題は、大型農業機械を導入したところ水田地盤の軟弱化に直面したことです。水田基盤強度分布図は先ず、地域により強度が異なること、季節変動が大きいこと、を示しました。この情報を得て、技術開発が始まりました。①仮説の設定、②仮説の実証試験、③実証試験の評価、④仮説の再設定、が私の技術開発の手法です。③実証試験の評価は、仮説がYesかNoかの評価です。Noと判定されると、通常の技術者たちは「実験は失敗であった」とマイナス評価して、がっかりするのです。ところが私の場合は、「Noであることが分かった」とプラス評価して、新たな仮説を立てるのです。「心変わり」するのです。

 私は現地の技術者を集め、この「心変わり」ステップを3か月周期で繰り返しました。毎回現地で実測したデーターに基づいて議論するこのワークショップは大いに盛り上がりました。やがて現地政府はこれをクォータリー・レポートと名付け、全国の若手技術者がオブザーバとして参加するようになりました。現地の行政官も技術者も「心変わり」したのです。仮説もワークショップごとに「心変わり」し、ついに4年がかりでYesに到達することができました。私も現地スタッフも「心変わり」プロジェクトを大いに楽しみました。

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