アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

世界遺産アビラ城

2005年11月28日 | 秋のスペイン
アビラは海抜1000mの、スペインでは最も高い都市です。バスはアビラ城が良く見渡せる「四本の柱」と言う意味の名前のついた展望台に先ず止まりました。長さ900m、幅4450mの長方形の城壁に囲まれたアビラ城が良く見えました。
この地方は土地が痩せていて農耕には適さず、牧畜が主産業のようです。交通の要衝という訳でもなく、気候も厳しいようです。アビラ城が建設されたのは1090年ごろですが、何故この地にアビラ城が築かれたのか、理由はよく分かりませんでした。
アビラ城が世界遺産に登録された最大の要素は、城壁が完全な形で保存されていることのようです。ヨーロッパでは極めて珍しい事例とのことです。要するに町として発展する要素に乏しく、邪魔になるはずの城壁を取り壊す理由が無かったのではないでしょうか。

城壁内の旧市街はとても静かで、住民の姿はほとんど見られず、店も疎らでした。団体旅行の観光客の集団が時々見られる程度です。恐らく冬季間は積雪で陸の孤島と化すのかもしれません。侵入者の注目を浴びることなく、俗化からも免れ、街は建設当時そのままに保存されたのでしょう。

そんな街の最大の自慢は、聖女サンタ・マリアです。サンタ・マリアは1515年、アビラで生まれました。生まれながら神のお告げを聞き分ける異才に恵まれ、宗教的に目覚めます。幼少の頃から自ら荒行で精神修養に励み、聖女と世界から崇められる存在になったのです。サンタ・マリアの誕生地跡にはサンタ・マリア修道院が建っていました。内部には彼女の指輪のはまった生々しい指のミイラ、直筆の手紙、弟と荒行に励むサンタ・マリア像などが展示されていました。

アビラの旧市街を守る城壁は、高さ平均12m、幅3mn堅固なものです。城壁の石には細工が施され、明らかに古い構造物を取り壊して転用したと思われる石材が多数認められます。また城壁と一体化しているカテドラルなど建造物も多数有り、石材確保に苦労した跡がうかがえます。
サンタ・マリアを戴き、平和と清貧に徹した街と、私はアビラを語りたいと思います。

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