今朝の新聞に、日本の少子高齢化率が30.4%に達し、労働人口の減少、社会福祉費の高騰、消費の減退をもたらすとして、社会問題視していました。しかし、それは医療制度の充実、国民の健康志向の高まりによって日本人の寿命の延びた結果であり、祝福すべきことではないでしょうか。問題視するとすれば少子化の方であり、一般庶民の子育てが難しくなってきたことなのではないでしょうか。
永きに亘り、日本の歴代政府は「経済最優先」を旗印にしてきました。経済効率至上主義で、人口は都市に集中し、地方は疲弊し続けています。企業は安い労働力を求めて開発途上国に進出し、政府は法人税減税で企業の後押しをし、国全体の経済は成長しても、国内賃金は低迷しています。かつて国民総中産階級といわれた日本社会では、所得は低迷し、消費税は値上げされ、老後の頼りの年金制度も崩壊の危機にあります。生活保護世帯に関する厚労省の統計資料では、神武景気と言われていた私が学生だった1960年度の月平均保護世帯数は61万世帯、2000年度は75万世帯でしたが、2010年度は141万世帯、2017年度は164万世帯と急増しており、経済優先・国民軽視の政策効果を見事に見ることが出来ます。所得格差の二極化が進行しているのです。
政府は高齢化・社会福祉費の高騰を目の敵にしていますが、本当の弊害は少子化なのです。低賃金のため、一般庶民には子育てが大きな経済的負担になっており、結婚・出産を控えざるを得ないのです。楽しく子育てが出来、子育ての経済負担を軽減できるような社会を実現しない限り、少子高齢化問題の抜本的解決法は無く、日本はやがて衰退してゆくしかありません。今度の自民党総裁選で、風向きの変化が期待できるでしょうか。
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