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今年はウマノスズクサの育ちが悪く、これを食草とするジャコウアゲハの幼虫が5匹、最後に残った葉に群がっています。彼らは、生育不十分のまま小型の成虫になるしかありません。我が家の庭には毎年、黒く美しい大型のジャコウアゲハが乱舞するのですが、今年は小さなこの5頭しか望めそうにありません。ウマノスズクサの花言葉は「ユーモアのある人」です。
NHKの朝ドラ「おかえりモネ」の主人公モネと菅波先生はゴチゴチの真面目人間で、いつも思い詰めてしまい、ユーモアが無くハラハラさせるところがこのドラマの売りのようです。自分の弱みを知られたくない、相手を傷つけたくないと考えてしまい、何ごとにも消極的になってしまうのです。相手に「この人は私に何かを隠している」と疑わせることになり、人間関係をギクシャクさせてしまうのです。
私は、サラリーマンの父に連れられ、小学校5校、中学校2校を転々とし、友達は出来ず、無視されるようないじめを散々受けてきました。その中で会得した対処方法は、自分を徹底的に馬鹿にし、無闇に反抗しないことです。反抗はいじめをエスカレートさせるだけなのです。農林省に入省してからも、転勤続きで、小中学校の延長みたいな生活でしたが、何があっても自分を馬鹿にしてしまえば、何時も笑顔でニコニコしていられ、初対面の人とも直ぐに仲良く出来るのです。馬鹿になりきってしまえば、心に余裕が出来、ユーモアがほとばしり出るようになると思います。
この精神は、国際活動でも大いに効を奏しました。マレーシアには、「日本人はデータを持って帰るが、何も報告してゆかないと」極めて不評な中で赴任しました。データは研究者にとり極めて大切なもので、普通は論文にして発表するまでは外に出すことはしないものです。マレーシア政府は大型機械化水稲二期作化に対する技術支援を要請された農林省は当初研究部門で対応しましたが、暗礁に乗り上げ、行政部門に応援を求めてきたのです。研究も稲作経験もない私は、そんな常識を無視し、3ヶ月毎にワークショップを開催し、過去3ヶ月間のデータと、今後3ヶ月間の調査計画を題材にして、現地技術者に技術移転を「笑顔」で行いました。データを発表することで、ギヴ・アンド・テイクの良好な関係が成立し、逆に多くのことを学べました。積極的に論文を発表、学会賞を授与され、学位も得ることが出来ました。「馬鹿になりきること」の功名で、ユーモアある和やかな人間関係を築き、技術開発に成功できたのです。
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