鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

野沢、MIPインタビュー

2009年12月28日 | Weblog
【ひかりTV連動企画】J1 11月度MIP受賞インタビュー 野沢拓也選手(鹿島)「タイトルのため、何も恐れずに戦おうと思っていた」(09.12.24)
選手同士でさえ、野沢拓也選手が見せる「うまさ」には舌を巻くと言う。
あふれる才能を持っていてもベンチを温めることが多かったのは昨季まで。今季のリーグ戦では出場停止の1試合を除く33試合に先発出場、苦しい時もそしてその後に勝ち得た優勝もチームとともに心から味わった。
「ミスタークライマックス」と呼ばれるほど、苦しい終盤で頼りになる男・野沢選手に、ラストスパートを見せた1月の活躍について振り返っていただきました。

■3連覇を達成、でも満足のいかない1年だった
Q:まずリーグ戦3連覇おめでとうございます。振り返ってみて、どう感じていますか?
「正直に言いますと、実感はないです。僕個人としては3連覇というより、毎年1年に対する思いを大切にしてやっています。その中で、数多くあるタイトルの1つだけですけれども、タイトルを取れたことはうれしいです。でも、やっぱり今年に関しては非常に満足のいかない1年で、充実したとは言えない1年でした」
Q:満足がいかないというのはアジアのタイトルを逃したからでしょうか?
「それもそうです。ほかにも1年間でタイトルを取るチャンスはたくさんあるのに、その中で1つしか取れなかった。ましてや、Jリーグのチャンピオンがアジアのタイトルを何年も取りこぼしてきている。そういう同じ後悔を繰り返してきているという悔しさがあって、今年に関してはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)・ラウンド16のホームで負けた試合の日にちも覚えているくらい。ずっとその悔しさを考えて戦ってきました」
Q:1年間でいろいろなことがあったと思いますが、今回は11月MIPに選ばれてのインタビューです。
ミスタークライマックスという呼び名が定着するくらい、今年もすばらしい活躍を見せましたが、11月の3試合を振り返ってみていかがですか? 11月は山形戦(第31節)から3連勝で、野沢選手は京都戦(第32節)とG大阪戦(第33節)で1ゴールずつあげています。
「シーズンも最後の方になると上位が接戦になってきて、1試合に対する重みというのが増してきます。でも、アントラーズというのは幾度となくそういう経験をしてきたので、優勝争いの中でもアントラーズらしさを出せたと思います。夏場から5連敗(第24~28節)を経験しましたが、それに関しては自分が今まで出来ていたことを出来なかったことで負けていると強く感じていました。さらにACLでも負けてしまっていて、タイトルはまだリーグ戦と天皇杯のチャンスがありましたけど、それを取るために本当に壊れてもいいから何も恐れずに戦おうという気持ちはありましたね」
Q:5連敗の時期は、外から見ていた側にも「どうしたのかな?」という思いが強くありました。実際に戦っている選手自身は、どのような気持ちだったのですか?
「アントラーズのサッカーを見てきている人たちはわかっていると思いますし、自分たちが言わなくても見ている人が一番わかっているんじゃないかと思います。あの時も自分たちは練習からやり方を変えずにやってきました。そういう中から勝てるようになってよかったと思います。
僕はなんとかなるだろうという性格なので、5連敗していた時もみんなと一緒で優勝できると信じていました。ただ、今までにも何度か『サッカーを辞めたい』と言ったことはありましたが、あの頃は本気でそう思っていた気もします。精神的に、やられていましたね。何をやってもうまくいかないというのはどんな職業でも競技でもあると思うんですけど、5連敗中は外出もできない状態でした」
Q:それを乗り越えられたのがアントラーズの強さだと思うんですが、何かきっかけはあったのですか?
「まずはやり方を変えなかったこと。僕たちは監督の言葉を信じてやってきましたし、そういう経験はたくさんしてきているので選手自身が何をするべきかをわかっていたと思います。監督を信じてきてよかったという思いがありますね」
Q:そして、タイトルの賭かった終盤の11月に見事なプレーを連発したわけですが、京都戦とG大阪戦のゴールを振り返ってみていただけますか?
「終盤戦に入ると1つ1つのプレーが大事になります。本当は連敗中とかにもっとチームを助けられたらよかったんですけれども…。でも、終盤に来たら1つのプレーが大事と本当に感じていたので、100%よりも120%の力を出したいと常に思っていました。1本を大事にというのを、いつも心がけていました」
Q:左右両足できれいなループシュートを決めました。あの場面では、ボールを持った瞬間イメージができていたのですか?
「そうですね。あんまり自分が考えていることは言いたくないんです。シュートに対するイメージとかは(笑)」
Q:シュートだけではなく、優勝を争っているときにG大阪を相手にあれだけの試合が出来たことはすごいことだと思います。
「その理由の1つが、オリヴェイラ監督が来てから金沢でやった試合(07年第23節のG大阪戦 1-5で敗戦)がすごく悔しくて、その借りを返したいと。それからもちろん、絶対に勝って優勝するという思いもありました。そういういろいろな思いを持って臨みました」

Q:オズワルド オリヴェイラ監督も「あの試合の借りを返すぞ!」みたいなことは言っていたんですか?
「うーん、試合前はあまり話を聞いてなかったから(笑)。でも、試合が終わってから言っていましたね、『借りを返した』みたいなことを。監督も悔しがる人なんですよ。負けると悔しくて人に当たる(笑)」
Q:後ほど、サポーターの方からいただいた質問に答えていただきたいのですが、いただいた質問の中で「なんで、そんなにサッカーがうまいのですか?」というのがたくさんありました。そもそもサッカーを始めたきっかけは?
「始めたのは小学2年生かな? 親に聞くと兄の影響で始めたと言うんですけど、僕は野球が好きだったと思うんです。ただ、スポーツならなんでも好きだったので、サッカーもやり始めたら止まらなくてずっとやっていましたね。おかげで頭がよくならなかった。勉強は大嫌いでした。だから、今でも日本語がうまく話せないんです(笑)」
Q:チームメイトもびっくりするようなトラップとかを見せてくれますが、他の選手との違いを感じることもありますか?
「わかんないですよ。周りはみんなそう言いますけど、自分はああいうトラップの仕方で、それが好きだからやっているだけです。僕はみんなもうまいと思って見ているんですけど…。自分では本当に自分のうまさってわからないです」


■小笠原選手のコメントに感動の涙

Q:最近の野沢選手からは、小笠原満男選手と同じようなコメントを聞くことが多くなったように思うんですが?
「だんだん、しゃべり方も似てきましたか(笑)。雲の上の存在でもあり、見習うべき存在でもあり、いろいろなことを教えてもらった人。8番という背番号をもらった時は恥ずかしい部分もありました。やっぱり鹿島に入った時から一緒に試合に出たいというのがずっとあったので、ここ何年かですけど一緒にできてうれしいです」
Q:Jリーグアウォーズのベスト11の表彰の際に、小笠原選手が「選ばれた鹿島の選手が少ない」とおっしゃっていました。あれを聞いて、いかがでしたか?
「泣いていました。『満男くんだけだよ、ああいうふうに言えるのは』って。正直すごいと思います。言葉では表せないくらい、すごい人だなと感じました。今まで子どもの面倒をみるような感じで相手をしていたんですけど(笑)、あの時はいきなり満男くんが大人になった感じでした」
Q:それでは、サポーターの皆様からいただいた質問にお答えいただきたいと思います。
まずはnanacoさんからの質問です。「優勝セレモニーのシャンパンファイトでは、なぜミッキーマウスの物真似だったんですか? また、身に着けていたミッキーマウスグッズはどこで買ったんですか?」

「サポーターに言われたんです、まだ優勝も決まってないのに『今年は何をやるんですか?』って。そんなに期待してるのかと思っていたんですけど、ディズニーランドに行った時にたまたま被り物を売っていて『お、これいいじゃん!』と…。ディズニーランドでそれを被って歩いていたらみんなに見られて、これなら注目を浴びられるかなと思ってミッキーマウスにしてみました」
Q:ミッキーマウスの物真似もうまかったですよね。
「ちょっと練習してました。『みんな、どう?』って(笑)」
Q:では次の質問です。
クライマックスさんから「海外移籍を考えたことはありますか?」

「ないですね。僕、海外は苦手なので。怖くて歩けないので、サッカー以前の問題ですね。だから有名な選手しか知らないし、大きな大会は見ますけど自分から進んで海外のリーグ戦とかを見たりはしないです」
Q:最後の質問です。
マリアクレウザさんから「野沢選手といえば解説者に左利きと間違えられたこともあるほど両足の正確なキックを持っています。昔は左足でもプレースキックを蹴っていましたよね。どうして最近は蹴らなくなったんですか?」

「蹴ってもいいなら蹴りますけど…。最近は練習するようになりましたけど、まだ試合で蹴っていいオーラーが出ていないので」
Q:FKも左足の方がタッチがいいとおっしゃっていましたよね?
「そうなんです、実は。でも左で蹴ると『あいつ、ふざけてんのか』と思われたりするから(笑)」
Q:本日は長い時間ありがとうございました。来季は全タイトル制覇に向けて頑張ってください。
「ありがとうございました。頑張ります」

以上

取材日:12月15日
取材・構成:田中滋


[ ひかりTV連動企画 J1 11月度MIP受賞インタビュー ]

11月の月間MIPに輝いた野沢拓也選手(鹿島)。「100%よりも120%、1本を大事にプレーしてきた」ことが11月の2戦連続となる美しいループシュートにつながったようです。

野沢のMIPインタビューである。
野沢の人柄が垣間見られる。
そして来季は是非とも左足のFKを魅せて欲しい。
ところで、去年は岩政一昨年は曽ケ端2006年は野沢と4年連続で11月に鹿島からMIPが選出されておる。
これは偶然では無かろう。
鹿島の優勝へ向けるメンタリティが、選手の活躍に、そして11月の勝率につながっておるのである。
これからも印象に残るプレイを続け、優勝を勝ち取り続けて欲しい。

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1 コメント

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Unknown (鹿魂)
2009-12-30 04:25:01
野沢好きだなぁ!
来季は10得点10アシストは期待したいですな!
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