【鹿島】誇り高き常勝軍団で定位置を掴むために――若き守護神・櫛引政敏の誓い
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2016年02月22日
連係の構築には「少し時間はかかると思う」。
水戸とのプレシーズンマッチでは先発フル出場。1失点を喫したものの、安定感のあるパフォーマンスで勝利に貢献した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
試合前には、リオ五輪アジア最終予選で活躍した3選手に花束が贈られた(左から植田、櫛引、三竿)。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
毎年恒例の水戸とのプレシーズンマッチ(2月21日)で、鹿島はジネイと鈴木優磨のゴールで2-1の勝利を収めた。
幸先良く序盤にリードを奪うも、その後は水戸のアグレッシブなサッカーに手を焼き、思うように追加点が奪えない。すると36分、精度を欠いた自陣からのミドルパスが簡単に相手にカットされると、ドリブルで中央から切り崩され、最後はロメロ・フランクに同点弾を許してしまった。
イージーなパスミスとルーズな寄せが重なった失点シーンを、GKの櫛引政敏は自戒の念を込めて次のように振り返る。
「失い方が悪くて、慌ててしまう場面ですけど、落ち着いて、チーム全体で外に追いやっていけば、ああいう失点もなくなっていくと思う。そこはチーム全体で改善していきたいし、自分としても、中を切らして、相手を外に行かせるような指示をもっと明確に伝えられればよかった」
今季から鹿島の一員となった櫛引にとって、DF陣との密な連係を築くうえでも、コーチングは課題のひとつになる。「(連係は)まだ足りていない部分はある」と本人が言うように、短期間で構築できるものではなく、本人も「少し時間はかかると思う」と言う。
前所属の清水や、世代別代表で実績のあるGKだけに、コーチングには自分なりの確たる方法論があると思われたが、「チームによってコンセプトが違うので、コーチングも変わってくる」ということらしい。
「(鹿島の)戦術を深く理解して、どういう場面で誰がどこにいなければいけないとか、後ろからしっかり伝えられるようにしていきたい。それができれば、チームも個人としても良くなっていくと思う」
アピールを続ければ「自ずとチャンスは巡ってくる」。
GKとしてのポテンシャルに疑いの余地はない。曽ケ端という高い壁を超えるために、今はアピールを続けるのみだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
新戦力でありながら、U-23代表の活動でチームへの合流が遅れただけに、今はとにかく、新天地の戦い方を吸収し、身体に馴染ませる作業が優先される。
実戦を通じて気になる点があれば、すぐさま解決するための行動も怠らない。水戸戦の後半が始まる前、ピッチ上でボランチの三竿健斗と話し込む櫛引の姿があった。
「チームとしてSBが攻撃的に行くので、前半はカウンターを受けた際、最終ラインがセンターバックの2枚だけになる状況があった。だから、できるだけボランチのどちらか一枚が、中央でアンカー気味にスペースを埋めながら、チャレンジ&カバーの連係をとってほしい、と。それはハーフタイムに(昌子)源と話していて、あとは三竿に伝えるだけだったので」
こうした作業を地道に積み重ねていくことで、正GKへの道を着実に前へと歩んでいく。今はまだ、その途上に櫛引はいる。
開幕スタメンはいけそうか、と水を向けると、「まずはしっかりとアピールしていければ、自ずとチャンスは巡ってくると思います」と泰然として構える。リーグ優勝を現実的な目標に掲げるチームのたったひとつしかないポジションを奪うために、若き守護神は、焦ることなく、足もとを見つめて、成長を誓う。
「鹿島は常勝軍団の誇り高いチーム。そこで出られれば、自信がついてくると思う。まずは一つひとつ、自分の改善点を克服しながらやっていきたい」
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
定位置奪取のためには、昌子(3番)らDF陣との連係を築き、信頼を勝ち取らなければならない。コーチングの質をどれだけ高められるかが重要だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
チンチロリン
櫛引の現在地について綴るサッカーダイジェスト誌の広島氏である。
これまで所属したチームとの戦術の差、やり方の差について埋めていく段階の様子。
「少し時間はかかると思う」と櫛引本人も語る。
とはいえ、時は待ってくれぬ。
1試合でも早くクリアして欲しい。
どのタイミングにて、公式戦で起用されるか注目しておる。
チンチロリン
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2016年02月22日
連係の構築には「少し時間はかかると思う」。
水戸とのプレシーズンマッチでは先発フル出場。1失点を喫したものの、安定感のあるパフォーマンスで勝利に貢献した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
試合前には、リオ五輪アジア最終予選で活躍した3選手に花束が贈られた(左から植田、櫛引、三竿)。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
毎年恒例の水戸とのプレシーズンマッチ(2月21日)で、鹿島はジネイと鈴木優磨のゴールで2-1の勝利を収めた。
幸先良く序盤にリードを奪うも、その後は水戸のアグレッシブなサッカーに手を焼き、思うように追加点が奪えない。すると36分、精度を欠いた自陣からのミドルパスが簡単に相手にカットされると、ドリブルで中央から切り崩され、最後はロメロ・フランクに同点弾を許してしまった。
イージーなパスミスとルーズな寄せが重なった失点シーンを、GKの櫛引政敏は自戒の念を込めて次のように振り返る。
「失い方が悪くて、慌ててしまう場面ですけど、落ち着いて、チーム全体で外に追いやっていけば、ああいう失点もなくなっていくと思う。そこはチーム全体で改善していきたいし、自分としても、中を切らして、相手を外に行かせるような指示をもっと明確に伝えられればよかった」
今季から鹿島の一員となった櫛引にとって、DF陣との密な連係を築くうえでも、コーチングは課題のひとつになる。「(連係は)まだ足りていない部分はある」と本人が言うように、短期間で構築できるものではなく、本人も「少し時間はかかると思う」と言う。
前所属の清水や、世代別代表で実績のあるGKだけに、コーチングには自分なりの確たる方法論があると思われたが、「チームによってコンセプトが違うので、コーチングも変わってくる」ということらしい。
「(鹿島の)戦術を深く理解して、どういう場面で誰がどこにいなければいけないとか、後ろからしっかり伝えられるようにしていきたい。それができれば、チームも個人としても良くなっていくと思う」
アピールを続ければ「自ずとチャンスは巡ってくる」。
GKとしてのポテンシャルに疑いの余地はない。曽ケ端という高い壁を超えるために、今はアピールを続けるのみだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
新戦力でありながら、U-23代表の活動でチームへの合流が遅れただけに、今はとにかく、新天地の戦い方を吸収し、身体に馴染ませる作業が優先される。
実戦を通じて気になる点があれば、すぐさま解決するための行動も怠らない。水戸戦の後半が始まる前、ピッチ上でボランチの三竿健斗と話し込む櫛引の姿があった。
「チームとしてSBが攻撃的に行くので、前半はカウンターを受けた際、最終ラインがセンターバックの2枚だけになる状況があった。だから、できるだけボランチのどちらか一枚が、中央でアンカー気味にスペースを埋めながら、チャレンジ&カバーの連係をとってほしい、と。それはハーフタイムに(昌子)源と話していて、あとは三竿に伝えるだけだったので」
こうした作業を地道に積み重ねていくことで、正GKへの道を着実に前へと歩んでいく。今はまだ、その途上に櫛引はいる。
開幕スタメンはいけそうか、と水を向けると、「まずはしっかりとアピールしていければ、自ずとチャンスは巡ってくると思います」と泰然として構える。リーグ優勝を現実的な目標に掲げるチームのたったひとつしかないポジションを奪うために、若き守護神は、焦ることなく、足もとを見つめて、成長を誓う。
「鹿島は常勝軍団の誇り高いチーム。そこで出られれば、自信がついてくると思う。まずは一つひとつ、自分の改善点を克服しながらやっていきたい」
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
定位置奪取のためには、昌子(3番)らDF陣との連係を築き、信頼を勝ち取らなければならない。コーチングの質をどれだけ高められるかが重要だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
チンチロリン
櫛引の現在地について綴るサッカーダイジェスト誌の広島氏である。
これまで所属したチームとの戦術の差、やり方の差について埋めていく段階の様子。
「少し時間はかかると思う」と櫛引本人も語る。
とはいえ、時は待ってくれぬ。
1試合でも早くクリアして欲しい。
どのタイミングにて、公式戦で起用されるか注目しておる。
チンチロリン
キーパーは難しい部分多いでしょうし、即座フィットする完成された選手ではない部分も、ありますね。
しかし、鹿島は未来を櫛引に託したのです。
曽ヶ端が健在の内に来たのは、しっかり鹿島に馴染んでもらう為の猶予をクラブが与えたような気もします。最終予選で見せてくれた成長力を今度は鹿島で。