鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

大胆な若返りを断行

2014年12月09日 | Weblog
大胆な世代交代のシーズンに最終的に3位。常勝軍団・鹿島アントラーズの前進と課題
Text by 元川 悦子

2014年J1は最終的にガンバ大阪が2005年以来、9年ぶりのリーグ制覇を達成した。開幕から快進撃を見せていた浦和レッズはJ1制覇に王手をかけていた11月22日のG大阪との直接対決に敗れ、29日のサガン鳥栖戦でも後半ロスタイム弾でドローに持ち込まれ、ラストの名古屋グランパス戦でも逆転負けという最悪の結果を余儀なくされた。G大阪の逆タイトル獲得はもちろん遠藤保仁や今野泰幸ら軸となる選手たちの活躍によるところが大だが、浦和の大失速によってもたらされた部分も大だったと言っていいだろう。

最終節でG大阪と浦和が引き分け以下なら、3位の鹿島アントラーズにも逆転優勝のチャンスはあった。実際、鳥栖に2点差以上で勝っていたら、クラブとして17冠目を手に入れることができていた。しかし、大胆な若返りに打って出たばかりの彼らには、かつての老獪さやしたたかさが見られず、鳥栖に一瞬の隙を突かれて開始早々に失点してしまう。鳥栖の左サイドバック・安田理大のクロスを池田圭が落とし、高橋義希が右足ミドルで決めるという形だったが、クロスが入った瞬間から鹿島守備陣の反応が遅れ、池田や高橋への対応に後手を踏んだ。鳥栖は攻守の切り替えの速さや縦へのスピードを前面に押し出したチームだが、そういう相手の特徴は昌子源や植田直通ら若いDF陣も理解していたはず。それでもやられてしまったのは、勝負のかかった大舞台の経験不足によるところが大だったのだろう。

1点のビハインドを何とか跳ね返すために、トニーニョ・セレーゾ監督は中村充孝やルイス・アルベルト、本山雅志といった控え選手を次々と投入。最終的には植田を前線に上げてパワープレーに打って出た。90年代の頃なら秋田豊(現解説者)が、2007年から3連覇を果たした時代なら岩政大樹(BECテロ・サーサナ)がこういう状況で1点を取ってくれていたが、若い植田にそこまで求めるのは酷だったかもしれないが、新たな常勝軍団を築いていくためには、ここで一矢報いるゴールが欲しかった。0−1でタイムアップの笛を迎えた時、小笠原満男らベテラン勢は何とも言えない不完全燃焼感を強く覚えたに違いない。

「ここで2−0で勝っていれば、3連覇した時みたいなチーム力がつくと思うけど、こういうところで負けてたら成長はない。タイトルを取れば取るほど、プライドや自信、欲が出てきて、勝者のメンタリティが植え付けられていく。鹿島というチームはJリーグ発足当初、ジーコにそういうものを無理やり身に付けさせられて強くなり、満男や(中田)浩二、モト(本山)たちの世代が引き継いで行ってくれた。柴崎(岳)や源(昌子)たちは先輩の姿を見て、『勝たないといけない』とか『結束して戦わないといけない』と思うようになったし、責任感を口にするようになったけど、結果が伴わないと確固たる自信には繋がらない。そういう意味でも、鳥栖戦の負けは残念だった」と鈴木満常務取締役強化部長も繰り返し語っていたが、現在の鹿島は小笠原らが満足するレベルにはまだ達していないと言わざるを得ない。

それでも、これだけ大胆な若返りを断行した1年目で、最終節まで優勝争いに絡んだ事実は前向きに捉えていいはずだ。柴崎がアギーレジャパンにほぼ定着し、昌子も守備陣の一角に名乗りを挙げたのもその一例だろう。シーズン途中にエースFWダヴィが負傷離脱するアクシデントが発生しても、筑波大卒の新人である赤秀平がキッチリ穴を埋め、土居聖真や豊川雄太といった20歳前後の若いアタッカー陣も確実に目立った仕事ができるようになってきた。「シーズン開幕時は『アントラーズは降格争いをするんじゃないか』と言われていたけど、若い選手たちがガンバやレッズと対等にやれるレベルまでは来たのは確か。もともと10位台に低迷するチーム編成はしていないけどね」と鈴木強化部長は冗談交じりに笑っていたが、ポテンシャルのある選手を確実に見つけ、スカウティングし、短期間で大きく伸ばすというポリシーをクラブ一丸と遂行しているから、今がある。93年のJリーグ発足後、鹿島の最低順位は2012年の11位。降格争いに参戦したことは一度もない。この安定感は多くのクラブが参考にすべき点と言える。

第2の黄金時代を築いた中田浩二が去った2015年は、世代交代がより一層、進んでいくだろう。30代半ばの小笠原や曽ヶ端準らは一段と危機感を募らせるだろうし、彼らと同じピッチに立つ若手は勝利の厳しさをより深く学んでいくはず。そうやって第3の黄金期を築くことができれば、クラブとしては成功だ。来季の鹿島がそのシナリオ通りに進むか否かを慎重に見極めたいものである。




「大胆な若返りを断行した1年目で、最終節まで優勝争いに絡んだ事実は前向きに捉えていい」と述べる元川女史のコラムである。
若い選手を成長させつつ優勝争いをしたことは驚嘆に値する。
しかしながら、ホームで敗戦し優勝を逃したことは、世代交代ということを踏まえても悔しい出来事であった。
この経験を糧に若い世代は大きく成長してくれたはず。
来季はやる、その手応えは感じておる。
若き選手らと共にタイトル奪還、そしてアジア制覇を目指すのだ。
期待しておる。

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2 コメント

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Unknown (ポポポポーン)
2014-12-09 09:52:54
降格しない、毎年何かしらのタイトル争いしてる、選手育成など見ると日本最強ですね

また、海外に行った選手が帰国ついでに訪問するチームは大きいと思います

サポーターとフロントとスカウトと選手と自治体やスポンサーの関係が良好だから出来ることであって、大企業のワンマンだと出来ないチームと思います
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Unknown (Unknown)
2014-12-09 11:45:42
「ガンバやレッズと対等にやれる」とのことですが、
Jリーグの現状を見ると、ガンバや浦和以上に、
どんな状況でも全力で戦う鳥栖や柏こそが
強敵だったように思います。

来年は、そうした相手やアジアのチームに
勝ちきる強さを見せてくれることを期待します。

柴崎らも、まだまだ鹿島でやるべきことは
残っているし、成長の余地もあるはず。
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