鹿島アントラーズ原理主義

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新潟・岡本、大いなる戦力

2013年02月08日 | Weblog
2013シーズンのJリーグを占う。各クラブの戦力補強診断 ~アルビレックス新潟編~
フットボールチャンネルでは、1月下旬から2月上旬にかけて、Jクラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨シーズン最終節で劇的な残留を決めた、アルビレックス新潟を占う。

2013年02月08日
text by 編集部 photo Kenzaburo Matsuoka


中心選手がチームを離れた新潟は、どんなチーム作りを見せるのか

 今オフの新潟は、鈴木大輔、矢野貴章、石川直樹、ミシェウといった中心選手がチームを離れた一方で、田中達也、成岡翔、金根煥など、実績のある選手を迎え入れることにも成功した。新外国人のレオ・シルバが加わった中盤の構成に不安はないが、前線と最終ラインは新しい選手を組み合わせて、新たなコンビネーションを構築する必要がある。新潟は今シーズン、どんな戦いを見せてくれるのか。

2013シーズン 戦力の入れ替え

IN OUT
金根煥〔完全移籍/横浜FM〕 矢野貴章〔完全移籍/名古屋〕
成岡翔〔完全移籍/福岡〕 鈴木大輔〔完全移籍/柏〕
田中達也〔完全移籍/浦和〕 石川直樹〔完全移籍/仙台〕
岡本英也〔完全移籍/鹿島〕 酒井高徳〔完全移籍/シュツットガルト(ドイツ)〕
レオシルバ〔完全移籍/ポルトゲーザ〕 ブルーノカスタニェイラ〔完全移籍/アルビレックス新潟・S〕
竹重安希彦〔期限付き移籍/磐田〕 金永根〔期限付き移籍/富山〕
濱田水輝〔期限付き移籍/浦和〕 増田繁人〔期限付き移籍/草津〕
奥山武宰士〔期限付き移籍から復帰/アルビレックス新潟・S〕 木暮郁哉〔期限付き移籍/水戸〕
川又堅碁〔期限付き移籍から復帰/岡山〕 アランミネイロ〔期限付き移籍期間満了/パウリスタ(ブラジル)〕
小塚和季〔新加入/帝京長岡高校〕 中村太亮〔期限付き移籍期間満了/京都→山形〕
川口尚紀〔新加入/アルビレックス新潟ユース〕 平井将生〔期限付き移籍期間満了/G大阪〕
- ミシェウ〔未定〕
- 小林慶行〔未定〕
- 小澤英明〔未定〕

決定力不足に泣いた昨シーズン

 新潟は昨シーズン、最終節まで残留争いに巻き込まれる苦しいシーズンとなった。黒崎監督が率いて3シーズン目となった昨季は序盤から決定力不足に悩み、なかなか勝ち点を伸ばすことができずにいた。順位的にも降格圏内に陥り、5月に黒崎監督が辞任。その後を柳下監督が引き継ぎ、ディフェンス面を徹底して整備した。

 昨シーズンの失点数は、2011シーズンの46から34へと大幅に減っている。特に柳下監督が就任してからは、試合の流れによっては6バックのような状態になることも厭わず、まずは早い時間帯での失点を防ぐことに注力していた印象がある。その結果、苦しい試合でも粘り強く戦って引き分けに持ち込む機会が増え、少しずつ勝ち点を積み重ねていけるようになった。それが最終節での劇的な残留劇に繋がったと言えるだろう。


アルビレックス新潟・2013シーズン 予想フォーメーション

 しかし一方で、攻撃面では大きな課題が残った。ブルーノ・ロペス、ミシェウの外国人アタッカーもチームと歩調を合わせるように調子を落とし、それぞれ7得点と4得点に終わった。チーム全体としても29得点しか奪うことができず、これは降格した札幌に次ぐリーグワースト2位の数字だ。2011シーズンまで在籍していた酒井高徳やチョ・ヨンチョルといったチャンスメイカーを失い、その穴を最後まで埋めきれなかった。

 昨シーズンの新潟は、深刻な得点力不足に悩みながらも、チーム一丸となったタイトなディフェンスで失点を最小限に止め、それが最低限の結果を得ることに繋がったと言えるだろう。ただ、今シーズンを迎えるにあたり課題となるのは、やはりチャンスの数をどれだけ増やすことができるか、そして決定的なチャンスをものにしていくことができるか、という部分になる。

 今オフ、新潟からは矢野貴章、ミシェウ、鈴木大輔、石川直樹というレギュラークラスがチームを離れた。昨シーズンの矢野はそれほど出場時間が多かった訳ではないが、高さとスプリント能力を併せ持ったアタッカーが欠けるのは痛手ではある。そして、高い技術で攻撃の軸となっていたミシェウを失ったことにより、攻撃面での新しいパターンを構築していかなければならない。

 そしてそれ以上に、鈴木と石川の二人が移籍したことがチームに与える影響は大きい。二人は新潟の堅いディフェンスをセンターバックとして支えてきた存在であり、ディフェンスラインを改めて作り直さなければならないことを意味する。それを踏まえた上で、新加入選手の顔ぶれを見ていく。

新加入選手がどのような働きを見せるか

 大きな話題となったのは、浦和を退団した田中達也を獲得したことだ。田中達也は2005年に右足脱臼骨折の大けがを負って以降、細かな負傷を繰り返すようになり全盛期のパフォーマンスを失っていった。特にここ数年は出場機会を大きく減らしており、彼の加入が直接的に大きな戦力アップに繋がるとは考えにくい。ただ、Jリーグ通算233試合出場・56得点、日本代表としても16試合に出場し3得点を挙げている彼の経験は、間違いなくチームに大きな刺激を与えるだろう。

 サッカーに対して真摯な姿勢を持ち、ストイックに自分を追い込むことのできる田中の加入は、鈴木武蔵らのポテンシャルある若手アタッカーの成長に一役買うかもしれない。またプレー自体もキレのあるドリブルは健在で、シーズン通してフルに活躍することは望めないにしても、限定された時間であれば優れたパフォーマンスを発揮する筈だ。

 そしてフォワードとしては、昨シーズン岡山で大ブレイクし18得点を挙げ、復帰してきた川又堅碁の活躍に期待したい。川又は動き出しの質、一瞬のスピードで勝負する生粋のストライカータイプの選手で、ビルドアップに積極的に関わるというよりは、前線でディフェンスラインと駆け引きしながら、虎視眈々とチャンスを伺うプレースタイルだ。

 チームとしてはブルーノ・ロペスがフォワードの柱になるだろうが、ブルーノ・ロペスは下がってボールを受けて仕掛けていくプレーも得意としており、川又と役割が被る心配をする必要はそれほどないだろう。川又は岡山で、少ないチャンスを確実にものにしていく術を身につけた。新潟にとって面白い存在になるのは間違いない。

 また鹿島から加入した岡本英也も、高さとテクニックを併せ持つストライカーだ。鹿島では出場機会に恵まれなかったものの、2011シーズンは福岡でプレーし8得点を挙げている。左右両足でしっかりとボールを蹴ることができ、フォワードとして必要な要素をバランス良く持っている選手であり、田中と川又と合わせ、2トップの争いはかなり激しいものになるだろう。

 中盤にはポルトゲーザからレオ・シルバ、福岡から成岡翔が加入した。レオ・シルバはボランチを本職としていて、昨シーズンほぼフル出場を果たした本間勲と三門雄大のコンビに割って入る。この3人でのポジション争いになるのか、三門がポジションを右サイドに移すのか現時点では明確ではないが、菊地を含めて中央でプレーできる選手の層は間違いなく厚くなっている。

 問題となるのは、やはり鈴木と石川が抜けたディフェンスラインの再編になる。横浜FMから金根煥を、浦和から濱田水輝を獲得したが、センターバックが二人とも入れ替わるため、一からの再構築を余儀なくされる。

 金根煥は鳥栖で31試合に出場して、そのポテンシャルを遺憾なく発揮した。193センチという長身を攻守両面で生かすプレースタイルは迫力があり、今シーズンはディフェンスの中核として期待される。浦和から加入した濱田も五輪代表でプレーした経験を持つポテンシャルのある選手だが、浦和では多くの出場機会を得られていた訳ではなく、昨シーズンは出場した試合で試合感のなさを露呈する場面が目に付いた。

 金はスタメンが当確として、彼の相棒を濱田、大井健太郎、菊地らで争うことになる。昨シーズンは守備の固さがチームの特徴となっていたが、どれだけ早く安定したディフェンスラインを築くことができるかが、今シーズンを占う上で大きなカギになる。

補強面と総合力それぞれの診断結果



 前線に関してはミシェウの穴は大きいが、、田中達也、岡本英也を獲得し、岡山から復帰した川又も含めて的確に補強できた。サイドアタッカーのバックアップメンバーに若干の不安は残るが、中盤から前にかけては戦力的な厚みは保てたと言えるだろう。一方、鈴木と石川が抜けたディフェンスラインにも金根煥、濱田を獲得したが、コンビネーションの面も含めて不安は残る。



 昨シーズンは得点力不足に泣いた新潟だが、ブルーノ・ロペスを軸に川又堅碁、田中達也、岡本英也らの新加入選手の実力は確かだ。彼らが激しいポジション争いをしながら、ミシェウに頼りがちだったスタイルを変化させ、新たな攻撃の形を作り出せるかが今季を考える上で一つのカギになるだろう。また中盤にもレオ・シルバと成岡翔が加入し、間違いなく層は厚くなった。

 一方、ディフェンスラインの再整備が大きな課題となる。キャンプでもボランチの構成も含めて様々な組み合わせを試しているようだが、基本となる形を早めに構築し、コンビネーションを高めて行く必要がある。柳下監督の就任以降、チーム全体の守備意識はかなり高まってきているだけに、ディフェンスラインを安定させることができれば、昨シーズン以上のパフォーマンスは十分に発揮できる筈だ。(※それぞれA~Eランクで診断)

【了】


岡本の新潟加入を高く評価するフットボールチャンネルの戦力補強診断である。
レギュラーには予想されておらぬが、出場機会はかなり得られるのではなかろうか。
高さとテクニックを兼ね備えると評されておる。
確かにシュートの上手さは定評がある。
ポジショニングさえ伴えば、大いなる攻撃力を発揮するであろう。
しかしながら、岡本に高さを強いるのは間違いであると昨季で十分に我らは理解した。
岡本の特性は高さでは無いのである。
ヘディングも上手いが、神戸の田代ほどではない。
そこを考慮して起用すると非常に大きな戦力となり得よう。
今季も昨季に続き、ナビスコ杯に於いても同組に分けられた。
岡本はここで起用される公算が高い。
4月10日の対戦では岡本を抑え、大いなる勝ち点を得ようではないか。
対戦が楽しみである。

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