【J1:第9節 鹿島 vs G大阪】レポート:試合を支配されながらもしたたかに勝利をたぐり寄せた鹿島。G大阪は悔しい敗戦ながらも新たな光明を見出した。(10.05.02)
5月1日(土) 2010 J1リーグ戦 第9節
鹿島 2 - 1 G大阪 (16:04/カシマ/32,855人)
得点者:45'+1 岩政大樹(鹿島)、68' 野沢拓也(鹿島)、80' 星原健太(G大阪)
GWも本格的に始まった日に鹿島対G大阪という屈指の好カード。さらには天候にも恵まれたということでカシマスタジアムには32,855人の観衆がつめかけた。両チームともにミッドウィークにACLの予選を戦い疲労の色を隠せないなか、鹿島にとって地鳴りのように響くサポーターの声援が見えない力となったのは、まさにホームの利。試合を掌握したのはG大阪だったにも関わらず、結果的に勝点3をものにしたのは鹿島だったのである。
試合は予想通りの布陣で始まった。鹿島は内田篤人・伊野波雅彦が怪我で欠場。代わりにジウトンがリーグ戦初先発となり、新井場徹が右サイドバックにまわった。しかし、急造の最終ラインではこの日のG大阪に対してプレスを敢行し、手詰まりにさせてボールを奪うことは難しかった。カシマスタジアムではほとんど見られないくらいにボールを保持され、自陣から動けなくされてしまった。
それを生んだのはG大阪のフォーメーションと流動性。[3-5-2]の布陣はピッチに広く大きく広がり、前線は流動的にポジションチェンジを繰り返して二川孝広がパスを引き出せば宇佐美貴史が裏に抜け出す。おかげで鹿島の守備陣形はブロックを形成できず、裏を取られないようにケアするのが精一杯。複数の選手で囲んでボールを奪うようなプレスのかけどころはまったく掴めなかった。これにはオリヴェイラ監督も「ガンバ大阪さんとやるときは、毎回、毎試合、新たなお題をもらう」と感心するほど。個々の技術や質の高さで鹿島を圧倒した。
しかし、G大阪が前半に放ったシュートは4本。支配した割にはあわやという場面は少なく、宇佐美や二川の飛び出しやルーカスのミドルシュートはあったものの、守備を完全に崩すことができない。鹿島の選手たちは、パスは回されてもゴール前での集中力を切らさない、ある種の割り切りをみせた。
そして、ゴールが生まれる。前半45+1分、CKから岩政大樹がヘディングで合わせて先制点を奪うと、68分には野沢拓也が第2節京都戦以来のFKを直接決め決めて追加点。相手の攻撃に苦しみながらも耐えしのぎ、チャンスを確実に掴んだ。G大阪も、3トップに変更し、80分には交代出場した星原健太が初ゴールを決めて追いすがるも、鹿島の徹底した守備を崩すことができたのはこの1度きり。鹿島が2-1で逃げ切り、苦しい試合で勝点3を奪って見せた。
当然のことながら試合後の両監督の様子は対照的だった。悔しさを滲ませる西野監督は「負けを認めるのが辛い」と話す一方、オリヴェイラ監督は「彼らの攻撃力はいつも取り上げられますけど、今回は我々のディフェンス力を讃えてもいいのではないかと思います」と、誇らしげに語った。
苦しい戦いをものにして首位争いに踏みとどまった鹿島はさすがの強さと言えるだろう。内田を欠いた布陣でもなんとか勝点3を拾ったことはリーグ終盤に大きな意味を持ってくるはずだ。またG大阪も敗れたとはいえ新星の星原がゴールを決め、遠藤保仁が本調子ではないにも関わらず機能的なサッカーを見せた。今回は上位に浮上する機会を逸したがチーム状態は上向いている。きっかけを掴んだ試合となったはずだ。
以上
守備を褒めてくれとはオリヴェイラ監督の弁。
全くその通りである。
レギュラーである篤人を欠き、ジウトンを起用しての勝利は賞賛に値する。
5月1日(土) 2010 J1リーグ戦 第9節
鹿島 2 - 1 G大阪 (16:04/カシマ/32,855人)
得点者:45'+1 岩政大樹(鹿島)、68' 野沢拓也(鹿島)、80' 星原健太(G大阪)
GWも本格的に始まった日に鹿島対G大阪という屈指の好カード。さらには天候にも恵まれたということでカシマスタジアムには32,855人の観衆がつめかけた。両チームともにミッドウィークにACLの予選を戦い疲労の色を隠せないなか、鹿島にとって地鳴りのように響くサポーターの声援が見えない力となったのは、まさにホームの利。試合を掌握したのはG大阪だったにも関わらず、結果的に勝点3をものにしたのは鹿島だったのである。
試合は予想通りの布陣で始まった。鹿島は内田篤人・伊野波雅彦が怪我で欠場。代わりにジウトンがリーグ戦初先発となり、新井場徹が右サイドバックにまわった。しかし、急造の最終ラインではこの日のG大阪に対してプレスを敢行し、手詰まりにさせてボールを奪うことは難しかった。カシマスタジアムではほとんど見られないくらいにボールを保持され、自陣から動けなくされてしまった。
それを生んだのはG大阪のフォーメーションと流動性。[3-5-2]の布陣はピッチに広く大きく広がり、前線は流動的にポジションチェンジを繰り返して二川孝広がパスを引き出せば宇佐美貴史が裏に抜け出す。おかげで鹿島の守備陣形はブロックを形成できず、裏を取られないようにケアするのが精一杯。複数の選手で囲んでボールを奪うようなプレスのかけどころはまったく掴めなかった。これにはオリヴェイラ監督も「ガンバ大阪さんとやるときは、毎回、毎試合、新たなお題をもらう」と感心するほど。個々の技術や質の高さで鹿島を圧倒した。
しかし、G大阪が前半に放ったシュートは4本。支配した割にはあわやという場面は少なく、宇佐美や二川の飛び出しやルーカスのミドルシュートはあったものの、守備を完全に崩すことができない。鹿島の選手たちは、パスは回されてもゴール前での集中力を切らさない、ある種の割り切りをみせた。
そして、ゴールが生まれる。前半45+1分、CKから岩政大樹がヘディングで合わせて先制点を奪うと、68分には野沢拓也が第2節京都戦以来のFKを直接決め決めて追加点。相手の攻撃に苦しみながらも耐えしのぎ、チャンスを確実に掴んだ。G大阪も、3トップに変更し、80分には交代出場した星原健太が初ゴールを決めて追いすがるも、鹿島の徹底した守備を崩すことができたのはこの1度きり。鹿島が2-1で逃げ切り、苦しい試合で勝点3を奪って見せた。
当然のことながら試合後の両監督の様子は対照的だった。悔しさを滲ませる西野監督は「負けを認めるのが辛い」と話す一方、オリヴェイラ監督は「彼らの攻撃力はいつも取り上げられますけど、今回は我々のディフェンス力を讃えてもいいのではないかと思います」と、誇らしげに語った。
苦しい戦いをものにして首位争いに踏みとどまった鹿島はさすがの強さと言えるだろう。内田を欠いた布陣でもなんとか勝点3を拾ったことはリーグ終盤に大きな意味を持ってくるはずだ。またG大阪も敗れたとはいえ新星の星原がゴールを決め、遠藤保仁が本調子ではないにも関わらず機能的なサッカーを見せた。今回は上位に浮上する機会を逸したがチーム状態は上向いている。きっかけを掴んだ試合となったはずだ。
以上
守備を褒めてくれとはオリヴェイラ監督の弁。
全くその通りである。
レギュラーである篤人を欠き、ジウトンを起用しての勝利は賞賛に値する。