2012Jリーグ ディビジョン1 第34節
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
自分が就任してから選手たちを見極めること、また自分の指導法を選手たちに理解してもらうことに時間がかかった。この結果の全ては自分の責任であり、システムも選手たちに戸惑いがあったので元に戻したりと色々なことが必要だった。ドゥトラやレナトという新戦力が入ったり、中田や山村が負傷するという思いがけないアクシデントもあった。そして時間をかけて守備も安定しながら、攻撃力を発揮できる大迫のワントップに遠藤、ドゥトラ、レナト、興梠、ジュニーニョらを並べるというやり方ができるようになった。
また優勝するチームはホームゲームで勝点を落としてはいけない。今シーズンに関しては負けていけないホームゲームで負けたり、ドローに終わった。それが優勝から遠ざかってしまった原因だったと思う。
(今日2得点の大迫に関して)皆さんもそう考えているように将来、日本代表のFWになる選手だ。これは間違いない。大迫は確かに成長しているし、高い意識を持続できれば素晴らしい選手になると思う。ドリブル、スピードもあるし、空中戦も強い。また短いレンジでも強烈なシュートを打てる。今の鹿島から将来の日本代表の主力となる選手は、少なくとも2人いると思う。それは大迫と柴崎だ。
鹿嶋での生活は申し分ないものだし、現役の頃からずっとクラブには素晴らしいケアをしてもらった。これは永遠の別れではなく、一時的な別れ。試合前に柏のネルシーニョ監督とも話したが、彼は3度違うクラブではあるけれども、日本の地で生活している。私は、出来れば彼とは違って日本でやるのならば、鹿島の監督としてまたチャンスをもらえればと思う。鹿島にはトニーニョ セレーゾやオリヴェイラなど歴代の素晴らしい監督がそろっているので、チャンスがあるかどうか分からないが、またここで監督として指揮を執りたい。
スルガ銀行チャンピオンシップ、ナビスコカップも制することができて、クラブからは契約延長のオファーをもらったが、家庭の理由で続けることができなかった。昔からいるフロントのスタッフからは現役時代から「いつか監督をやって欲しい」と言われ、それが実現できたことは本当に嬉しい。ただ、(退任の理由となった)家族というのはとても大切なものであり、この素晴らしい環境を自ら手放さなければいけないことはつらいことだけれども、皆さんにはご理解していただければと思う。
【大迫 勇也】
(リーグ戦は)1年を通して結果が出せていなかったので、最後は結果を出そうとみんなで話していた。監督のことが突然だったので、勝ちをプレゼントできて良かった。1点目は上手くボールが足元にこぼれてきたので、打つだけだった。2点目はジュニーニョがいいタイミングで上げてくれると信じていた。結果が出なくて、つらいつらいリーグ戦だったが来年に繋がる。
【青木 剛】
試合途中でスパイクの紐が切れて脱げそうだったが、時間も残ってなかったのでプレーを続けた。浩二さんとは組んだことがあったので問題なくできた。柏の攻撃を全部が全部抑えられた訳じゃないが無失点で終われたことは次につながる。
【昌子 源】
途中出場は慣れた。ネット バイアーノは凄かった。危ないシーンもあったが、一か八か足を出したら当たってくれた。パスはリスクを負わないように安全に出した。
2012年12月01日(土)
本日行われたJ1第34節柏戦は2-0で勝利しました。
【J1:第34節 鹿島 vs 柏】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.12.01)
12月1日(土) 2012 J1リーグ戦 第34節
鹿島 2 - 0 柏 (15:35/カシマ/19,141人)
得点者:41' 大迫勇也(鹿島)、68' 大迫勇也(鹿島)
●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:リーグ戦を終えられてのご感想と、来季、このチームがさらに上を目指すためにはなにが必要だとお考えですか?
「まず、自分が就任してから選手を見極めることだったり、自分の指導法を彼らが見極めることに時間がかかりました。あとは戦力となる選手の見極めにも時間がかかってしまいました。先ほど挨拶でも言いましたけれど、すべては自分の責任であって、そこを見極められなかったところがあったかもしれません。またシステムをダイヤに変えたことで、選手たちから戸惑いが感じられたので、ボックスに戻しました。その他にも補強があって、ドゥトラ選手が来て、そのあとにはレナト選手が来ました。やむを得ないけが人が出たところで、中田選手や山村選手がいないという計算外のところも影響しました。チームを安定させるために時間がかかってしまいました。その後、ここ3カ月くらいは、チームとして成績も安定し、守備も安定しながら、高い攻撃力を持つということができました。大迫選手の1トップの後ろに、遠藤選手、ジュニーニョ選手、ドゥトラ選手。その他にもレナト選手や興梠選手など、いろんなバリエーションがある特徴を持った選手をそこに配置することができましたし、そこでチームが守備でも安定して、攻撃に転じたときには攻撃力・破壊力がある4人がいるという状況で攻めることができました。ただ、それにたどり着くまで時間がかかってしまったところがありました。それさえもう少し早い段階でできていれば、状況は変わっていたと考えられます。あと優勝するチームというのは、ホームの試合を極力勝っていかないといけない。そのホームワークというものをしっかりできていれば、優勝に近づける状況になると思います。残念ながら、今シーズンにおいては負けてはいけない試合が数試合ホームであったわけで、それを失ったり引き分けたことが、優勝から遠のいた要因だと思います。しかし、ひとつの要因ではなく、いろんな要因が、そこにはあったと考えられると思います」
Q:退任すると発表された最初の試合で大迫選手が2ゴールを決めて勝ちました。ロンドン五輪に出られないなど、いろいろな事があったシーズンだと思いますが、その一方でリーグ戦、ヤマザキナビスコカップで成長を示したと思います。今日の試合を踏まえて、監督からご覧になって、大迫選手の成長をどう捉えているかお願いします。
「まず、これは皆さんが強調してもよいことは、彼は将来日本代表のセンターフォワードになることでしょう。それは間違いないことです。確かに大迫選手は成長してきています。日本代表で1トップに君臨しているのは前田選手(磐田)であり、彼も非常にポストプレーに長けた選手ですが、ただ大迫選手はまだ若く、この意識を持続できれば成長し続け、本当にすばらしい選手になるのではないかと思います。FWとして必要な要素は、スピード、ドリブル、ヘディングの強さ、ポストプレーの強さ、キープ力があげられます。それを彼は持っていますし、またもう1つ、そんなにスペースがなくても、しっかりとパンチ力と決定力を持ってシュートを打てるところが魅力です。このまま成長し続けてもらえれば、と思います。今のアントラーズのチームからは恐らく2人、日本代表に君臨する選手がいると思います。それは大迫選手と柴崎選手ではないかと思っています」
Q:退任についての理由と経過、鹿島での生活についてお願いします。
「鹿島での生活は非常に申し分のないものです。現役のときから、監督になっても、クラブから設備、サポートにかけても申し分のないものでした。退任理由はあくまでも家族の近くにいなければいけないという状況であって、それは誰しもが、家族の大黒柱をやっている皆さんにはわかると思います。タイミング的に家族全員が近くにいなくちゃいけない状況であるということです。先ほどの挨拶でも言いましたけど、永遠の別れではなく一時的な別れであり、試合前にネルシーニョ監督と話をしましたけど、彼は指導者として3回も日本に来ています。ヴェルディから名古屋グランパス、柏レイソルと。ただ、僕自身はアントラーズというクラブで、日本に来日できればという思いでいます。しかし当然ながら鹿島には新たな監督が来るわけですから、もしかしてセレーゾ監督やオリヴェイラ監督のように長期に渡って指導する時期になるかもしれませんし、そうなると自分に順番が回ってこないかもしれません。ただ、そういう世界で生きているわけですから、良いタイミングで鹿島に復帰できればなという思いでおります。
今シーズン、Jリーグ、ヤマザキナビスコカップ、スルガ銀行チャンピオンシップ、天皇杯という大会があって、そのなかでスルガ銀行チャンピオンシップとヤマザキナビスコカップ制することができました。そういったことがあって、クラブ側から続投の要請をいただいたのですが、それ以前に家族の問題があり、退任するという苦しい決断をしました。本当に心が痛みますし、いまは下部組織の部長をやっている高島さんから現役のときに『いつかアントラーズの監督をやってね』と冗談で言われていたんですけど、ほんとうにそういったことになって僕はうれしく思っていました。通訳を含めたそういう仲間が、このクラブの中にいます。数カ月だったかもしれませんが、彼らは僕の友人でもあるし、彼らを残して去らなければなりません。また、このすばらしい環境を置いていかなければなりません。この理由だけで、皆さんはおわかりになると思います。家族を大事にしなければいけないという理由で、このすばらしい環境を手放さなければならないことをご理解ください。また、この場を借りてメディアの皆さんにも感謝申し上げます。友好的な関係を築き、苦しい時も皆さんは支えてくれたと思います。特に番記者の皆さんには感謝しています。ありがとうございました」
「オヤスミナサイ、アリガトウゴザイマシタ」
以上
【J1:第34節 鹿島 vs 柏】試合終了後の各選手コメント(12.12.01)
●昌子源選手(鹿島):
「途中交代には慣れました。半袖は大丈夫だったんですけど、足がかじかんでいた。レアンドロ選手のシュートを止めた場面は一か八かで足を伸ばしたら当たったけど、かじかんでたので痛かった。
(Q:守備だけでなく攻撃面でもよかったが?)
ヤスさん(遠藤)に出したパスですか? 出すところがなくて困っていたらヤスさんが呼んでくれた。ヤスさんは足下が強いから、出しておけばなんとかなる。パスの強さだけ気をつけました」
●大迫勇也選手(鹿島):
「ジョルジーニョ監督の『シュートを打て』で吹っ切れた部分があったので、ゴールを決めたあとは素直に監督のところへ走りました。
(Q:これで9得点だが?)
2ケタはまた来年に持ち越しですね。
(Q:監督からの言葉で印象に残っているのは?)
シュートを積極的に打て、ということですね。もっとゴールを意識しろと言われてきた。あとは代表に入れ。整列したあとにもそう言われました」
●青木剛選手(鹿島):
「(Q:途中、ベンチに下がる場面があったが?)
相手と競ったときに靴紐が切れてビロビロしていたので、それを切りにいきました。ただ、そうしたら余計に脱げそうな状態になって、蹴るときとか(スパイクが)飛ばないように気をつけてました。
(Q:シュートの場面も?)
シュートを打ったときもそうでした。だから良いシュートだったのかもしれません(笑)
(Q:中田選手と組んだセンターバックについては?)
浩二さんとは何度もやったことがあったので問題なくやれました。良い勢いを持ってゲームに入れたと思います。相手の攻撃を全部が全部防げたわけではないですが、完封で終われたのはよかった。また次に繋がると思います。今日はグランドに入ったとき、バックスタンドがサポーターで埋め尽くされているのを見て、それで気持ちが上がったところがあった。サポーターのためにも勝てれば良いと思ったし、いい形で終われればと思っていました。これでJリーグが終わりましたけど、まだ天皇杯がある。そこにしっかり照準を合わせて、シーズンを終われればと思います」
●中田浩二選手(鹿島):
「足がつった。後半の途中からそんな感じだったので、ベンチに下がりました。相手を追ったところで(違和感があったから)交代させてもらった。でも、結構動けたと思う。8月以来だから4か月ぶり?それにしては意外にできたと思う。試合に慣れるのが大変かと思ったけど、すんなり入ることができた。
(Q:ジョルジーニョ監督のリーグ戦最終戦となったが?)
今年は全然力になれなかったので申し訳なかった。勝って送り出せればというのがあった。勝って良かった。天皇杯も勝って終われたらいいと思います。
(Q:大迫選手が良いプレーを見せているが?)
責任感が出てきた。サコにとっては充実した1年だったんじゃない?でも、あいつはもっともっとできる。まだまだ気を遣ってる部分もあるし、あいつはこんなもんじゃないと思う」
●小笠原満男選手(鹿島):
「まだ最後という感じはしないけど、リーグ戦としては区切りだった。そこでジョルジ(ジョルジーニョ監督)に勝利が贈れてよかった。サポーターに対しても不甲斐ない成績で終わってしまい、申し訳ないと思う。そんな順位でも多くのお客さんが来てくれたことに感謝したい」
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
ホーム最終戦を勝利で飾りたい鹿島は前半41分、柏DFのクリアボールを拾った大迫勇也が左足でゴールを決めて主導権を握る。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
後半23分に、再び大迫がジュニーニョのクロスに頭で合わせてリードを広げる。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]WOWプレーヤーズアワード:大迫勇也選手(鹿島)
本日の試合で決勝点をあげた大迫勇也選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
今季限りでの退任が決まっているジョルジーニョ監督。試合後のセレモニーでサポーターへ向けて挨拶を行い、笑顔で場内を一周した。
▼鹿島、退任発表の指揮官に白星プレゼント
[12.1 J1第34節 鹿島2-0柏 カシマ]
鹿島アントラーズはFW大迫勇也の2ゴールによって柏レイソルに2-0で勝利。11月29日に今季限りでの退任が発表されたジョルジーニョ監督に白星をプレゼントした。
立ち上がりからMF小笠原満男の右足ミドルなどで攻める鹿島は前半41分、敵陣左中間でボールを拾った大迫が正確な左足シュートをゴール右隅へ流し込んで先制。後半23分にもFWジュニーニョの左クロスを大迫が技ありヘッドでゴール右隅へ流し込んだ。
柏を完封した鹿島は12勝10分12敗の11位で今シーズンを終了。試合後の最終戦セレモニーではクラブにナビスコ杯のタイトルをもたらした指揮官へ向けて「ありがとう ジョルジ また会おう」という横断幕が掲げられる中、ジョルジーニョ監督が「カシマスタジアムの素晴らしい雰囲気を味あわせてくれて感謝している。アントラーズサポーターの皆さん、ありがとうございました」と挨拶した。
12月15日には磐田との天皇杯4回戦が行われる。大迫は「ジョルジーニョ監督のためにも優勝してブラジルへ送りたい。みんなで力を合わせて優勝できるように頑張ります」と宣言。「苦しい決断」(ジョルジーニョ監督)の末にクラブを去る指揮官とともに、天皇杯を掴む。
大迫について語るジョルジーニョ監督である。
将来確実に日本を背負うことになるであろう。
今季、大迫は大きく成長した。
彼の才能を引き出したのはジョルジーニョ監督の手腕と言って良かろう。
本当にありがとう。
残り少ない日々を天皇杯制覇に向けて走って行きたい。
期待しておる。
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
自分が就任してから選手たちを見極めること、また自分の指導法を選手たちに理解してもらうことに時間がかかった。この結果の全ては自分の責任であり、システムも選手たちに戸惑いがあったので元に戻したりと色々なことが必要だった。ドゥトラやレナトという新戦力が入ったり、中田や山村が負傷するという思いがけないアクシデントもあった。そして時間をかけて守備も安定しながら、攻撃力を発揮できる大迫のワントップに遠藤、ドゥトラ、レナト、興梠、ジュニーニョらを並べるというやり方ができるようになった。
また優勝するチームはホームゲームで勝点を落としてはいけない。今シーズンに関しては負けていけないホームゲームで負けたり、ドローに終わった。それが優勝から遠ざかってしまった原因だったと思う。
(今日2得点の大迫に関して)皆さんもそう考えているように将来、日本代表のFWになる選手だ。これは間違いない。大迫は確かに成長しているし、高い意識を持続できれば素晴らしい選手になると思う。ドリブル、スピードもあるし、空中戦も強い。また短いレンジでも強烈なシュートを打てる。今の鹿島から将来の日本代表の主力となる選手は、少なくとも2人いると思う。それは大迫と柴崎だ。
鹿嶋での生活は申し分ないものだし、現役の頃からずっとクラブには素晴らしいケアをしてもらった。これは永遠の別れではなく、一時的な別れ。試合前に柏のネルシーニョ監督とも話したが、彼は3度違うクラブではあるけれども、日本の地で生活している。私は、出来れば彼とは違って日本でやるのならば、鹿島の監督としてまたチャンスをもらえればと思う。鹿島にはトニーニョ セレーゾやオリヴェイラなど歴代の素晴らしい監督がそろっているので、チャンスがあるかどうか分からないが、またここで監督として指揮を執りたい。
スルガ銀行チャンピオンシップ、ナビスコカップも制することができて、クラブからは契約延長のオファーをもらったが、家庭の理由で続けることができなかった。昔からいるフロントのスタッフからは現役時代から「いつか監督をやって欲しい」と言われ、それが実現できたことは本当に嬉しい。ただ、(退任の理由となった)家族というのはとても大切なものであり、この素晴らしい環境を自ら手放さなければいけないことはつらいことだけれども、皆さんにはご理解していただければと思う。
【大迫 勇也】
(リーグ戦は)1年を通して結果が出せていなかったので、最後は結果を出そうとみんなで話していた。監督のことが突然だったので、勝ちをプレゼントできて良かった。1点目は上手くボールが足元にこぼれてきたので、打つだけだった。2点目はジュニーニョがいいタイミングで上げてくれると信じていた。結果が出なくて、つらいつらいリーグ戦だったが来年に繋がる。
【青木 剛】
試合途中でスパイクの紐が切れて脱げそうだったが、時間も残ってなかったのでプレーを続けた。浩二さんとは組んだことがあったので問題なくできた。柏の攻撃を全部が全部抑えられた訳じゃないが無失点で終われたことは次につながる。
【昌子 源】
途中出場は慣れた。ネット バイアーノは凄かった。危ないシーンもあったが、一か八か足を出したら当たってくれた。パスはリスクを負わないように安全に出した。
2012年12月01日(土)
本日行われたJ1第34節柏戦は2-0で勝利しました。
【J1:第34節 鹿島 vs 柏】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.12.01)
12月1日(土) 2012 J1リーグ戦 第34節
鹿島 2 - 0 柏 (15:35/カシマ/19,141人)
得点者:41' 大迫勇也(鹿島)、68' 大迫勇也(鹿島)
●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:リーグ戦を終えられてのご感想と、来季、このチームがさらに上を目指すためにはなにが必要だとお考えですか?
「まず、自分が就任してから選手を見極めることだったり、自分の指導法を彼らが見極めることに時間がかかりました。あとは戦力となる選手の見極めにも時間がかかってしまいました。先ほど挨拶でも言いましたけれど、すべては自分の責任であって、そこを見極められなかったところがあったかもしれません。またシステムをダイヤに変えたことで、選手たちから戸惑いが感じられたので、ボックスに戻しました。その他にも補強があって、ドゥトラ選手が来て、そのあとにはレナト選手が来ました。やむを得ないけが人が出たところで、中田選手や山村選手がいないという計算外のところも影響しました。チームを安定させるために時間がかかってしまいました。その後、ここ3カ月くらいは、チームとして成績も安定し、守備も安定しながら、高い攻撃力を持つということができました。大迫選手の1トップの後ろに、遠藤選手、ジュニーニョ選手、ドゥトラ選手。その他にもレナト選手や興梠選手など、いろんなバリエーションがある特徴を持った選手をそこに配置することができましたし、そこでチームが守備でも安定して、攻撃に転じたときには攻撃力・破壊力がある4人がいるという状況で攻めることができました。ただ、それにたどり着くまで時間がかかってしまったところがありました。それさえもう少し早い段階でできていれば、状況は変わっていたと考えられます。あと優勝するチームというのは、ホームの試合を極力勝っていかないといけない。そのホームワークというものをしっかりできていれば、優勝に近づける状況になると思います。残念ながら、今シーズンにおいては負けてはいけない試合が数試合ホームであったわけで、それを失ったり引き分けたことが、優勝から遠のいた要因だと思います。しかし、ひとつの要因ではなく、いろんな要因が、そこにはあったと考えられると思います」
Q:退任すると発表された最初の試合で大迫選手が2ゴールを決めて勝ちました。ロンドン五輪に出られないなど、いろいろな事があったシーズンだと思いますが、その一方でリーグ戦、ヤマザキナビスコカップで成長を示したと思います。今日の試合を踏まえて、監督からご覧になって、大迫選手の成長をどう捉えているかお願いします。
「まず、これは皆さんが強調してもよいことは、彼は将来日本代表のセンターフォワードになることでしょう。それは間違いないことです。確かに大迫選手は成長してきています。日本代表で1トップに君臨しているのは前田選手(磐田)であり、彼も非常にポストプレーに長けた選手ですが、ただ大迫選手はまだ若く、この意識を持続できれば成長し続け、本当にすばらしい選手になるのではないかと思います。FWとして必要な要素は、スピード、ドリブル、ヘディングの強さ、ポストプレーの強さ、キープ力があげられます。それを彼は持っていますし、またもう1つ、そんなにスペースがなくても、しっかりとパンチ力と決定力を持ってシュートを打てるところが魅力です。このまま成長し続けてもらえれば、と思います。今のアントラーズのチームからは恐らく2人、日本代表に君臨する選手がいると思います。それは大迫選手と柴崎選手ではないかと思っています」
Q:退任についての理由と経過、鹿島での生活についてお願いします。
「鹿島での生活は非常に申し分のないものです。現役のときから、監督になっても、クラブから設備、サポートにかけても申し分のないものでした。退任理由はあくまでも家族の近くにいなければいけないという状況であって、それは誰しもが、家族の大黒柱をやっている皆さんにはわかると思います。タイミング的に家族全員が近くにいなくちゃいけない状況であるということです。先ほどの挨拶でも言いましたけど、永遠の別れではなく一時的な別れであり、試合前にネルシーニョ監督と話をしましたけど、彼は指導者として3回も日本に来ています。ヴェルディから名古屋グランパス、柏レイソルと。ただ、僕自身はアントラーズというクラブで、日本に来日できればという思いでいます。しかし当然ながら鹿島には新たな監督が来るわけですから、もしかしてセレーゾ監督やオリヴェイラ監督のように長期に渡って指導する時期になるかもしれませんし、そうなると自分に順番が回ってこないかもしれません。ただ、そういう世界で生きているわけですから、良いタイミングで鹿島に復帰できればなという思いでおります。
今シーズン、Jリーグ、ヤマザキナビスコカップ、スルガ銀行チャンピオンシップ、天皇杯という大会があって、そのなかでスルガ銀行チャンピオンシップとヤマザキナビスコカップ制することができました。そういったことがあって、クラブ側から続投の要請をいただいたのですが、それ以前に家族の問題があり、退任するという苦しい決断をしました。本当に心が痛みますし、いまは下部組織の部長をやっている高島さんから現役のときに『いつかアントラーズの監督をやってね』と冗談で言われていたんですけど、ほんとうにそういったことになって僕はうれしく思っていました。通訳を含めたそういう仲間が、このクラブの中にいます。数カ月だったかもしれませんが、彼らは僕の友人でもあるし、彼らを残して去らなければなりません。また、このすばらしい環境を置いていかなければなりません。この理由だけで、皆さんはおわかりになると思います。家族を大事にしなければいけないという理由で、このすばらしい環境を手放さなければならないことをご理解ください。また、この場を借りてメディアの皆さんにも感謝申し上げます。友好的な関係を築き、苦しい時も皆さんは支えてくれたと思います。特に番記者の皆さんには感謝しています。ありがとうございました」
「オヤスミナサイ、アリガトウゴザイマシタ」
以上
【J1:第34節 鹿島 vs 柏】試合終了後の各選手コメント(12.12.01)
●昌子源選手(鹿島):
「途中交代には慣れました。半袖は大丈夫だったんですけど、足がかじかんでいた。レアンドロ選手のシュートを止めた場面は一か八かで足を伸ばしたら当たったけど、かじかんでたので痛かった。
(Q:守備だけでなく攻撃面でもよかったが?)
ヤスさん(遠藤)に出したパスですか? 出すところがなくて困っていたらヤスさんが呼んでくれた。ヤスさんは足下が強いから、出しておけばなんとかなる。パスの強さだけ気をつけました」
●大迫勇也選手(鹿島):
「ジョルジーニョ監督の『シュートを打て』で吹っ切れた部分があったので、ゴールを決めたあとは素直に監督のところへ走りました。
(Q:これで9得点だが?)
2ケタはまた来年に持ち越しですね。
(Q:監督からの言葉で印象に残っているのは?)
シュートを積極的に打て、ということですね。もっとゴールを意識しろと言われてきた。あとは代表に入れ。整列したあとにもそう言われました」
●青木剛選手(鹿島):
「(Q:途中、ベンチに下がる場面があったが?)
相手と競ったときに靴紐が切れてビロビロしていたので、それを切りにいきました。ただ、そうしたら余計に脱げそうな状態になって、蹴るときとか(スパイクが)飛ばないように気をつけてました。
(Q:シュートの場面も?)
シュートを打ったときもそうでした。だから良いシュートだったのかもしれません(笑)
(Q:中田選手と組んだセンターバックについては?)
浩二さんとは何度もやったことがあったので問題なくやれました。良い勢いを持ってゲームに入れたと思います。相手の攻撃を全部が全部防げたわけではないですが、完封で終われたのはよかった。また次に繋がると思います。今日はグランドに入ったとき、バックスタンドがサポーターで埋め尽くされているのを見て、それで気持ちが上がったところがあった。サポーターのためにも勝てれば良いと思ったし、いい形で終われればと思っていました。これでJリーグが終わりましたけど、まだ天皇杯がある。そこにしっかり照準を合わせて、シーズンを終われればと思います」
●中田浩二選手(鹿島):
「足がつった。後半の途中からそんな感じだったので、ベンチに下がりました。相手を追ったところで(違和感があったから)交代させてもらった。でも、結構動けたと思う。8月以来だから4か月ぶり?それにしては意外にできたと思う。試合に慣れるのが大変かと思ったけど、すんなり入ることができた。
(Q:ジョルジーニョ監督のリーグ戦最終戦となったが?)
今年は全然力になれなかったので申し訳なかった。勝って送り出せればというのがあった。勝って良かった。天皇杯も勝って終われたらいいと思います。
(Q:大迫選手が良いプレーを見せているが?)
責任感が出てきた。サコにとっては充実した1年だったんじゃない?でも、あいつはもっともっとできる。まだまだ気を遣ってる部分もあるし、あいつはこんなもんじゃないと思う」
●小笠原満男選手(鹿島):
「まだ最後という感じはしないけど、リーグ戦としては区切りだった。そこでジョルジ(ジョルジーニョ監督)に勝利が贈れてよかった。サポーターに対しても不甲斐ない成績で終わってしまい、申し訳ないと思う。そんな順位でも多くのお客さんが来てくれたことに感謝したい」
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
ホーム最終戦を勝利で飾りたい鹿島は前半41分、柏DFのクリアボールを拾った大迫勇也が左足でゴールを決めて主導権を握る。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
後半23分に、再び大迫がジュニーニョのクロスに頭で合わせてリードを広げる。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]WOWプレーヤーズアワード:大迫勇也選手(鹿島)
本日の試合で決勝点をあげた大迫勇也選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。
[ J1:第34節 鹿島 vs 柏 ]
今季限りでの退任が決まっているジョルジーニョ監督。試合後のセレモニーでサポーターへ向けて挨拶を行い、笑顔で場内を一周した。
▼鹿島、退任発表の指揮官に白星プレゼント
[12.1 J1第34節 鹿島2-0柏 カシマ]
鹿島アントラーズはFW大迫勇也の2ゴールによって柏レイソルに2-0で勝利。11月29日に今季限りでの退任が発表されたジョルジーニョ監督に白星をプレゼントした。
立ち上がりからMF小笠原満男の右足ミドルなどで攻める鹿島は前半41分、敵陣左中間でボールを拾った大迫が正確な左足シュートをゴール右隅へ流し込んで先制。後半23分にもFWジュニーニョの左クロスを大迫が技ありヘッドでゴール右隅へ流し込んだ。
柏を完封した鹿島は12勝10分12敗の11位で今シーズンを終了。試合後の最終戦セレモニーではクラブにナビスコ杯のタイトルをもたらした指揮官へ向けて「ありがとう ジョルジ また会おう」という横断幕が掲げられる中、ジョルジーニョ監督が「カシマスタジアムの素晴らしい雰囲気を味あわせてくれて感謝している。アントラーズサポーターの皆さん、ありがとうございました」と挨拶した。
12月15日には磐田との天皇杯4回戦が行われる。大迫は「ジョルジーニョ監督のためにも優勝してブラジルへ送りたい。みんなで力を合わせて優勝できるように頑張ります」と宣言。「苦しい決断」(ジョルジーニョ監督)の末にクラブを去る指揮官とともに、天皇杯を掴む。
大迫について語るジョルジーニョ監督である。
将来確実に日本を背負うことになるであろう。
今季、大迫は大きく成長した。
彼の才能を引き出したのはジョルジーニョ監督の手腕と言って良かろう。
本当にありがとう。
残り少ない日々を天皇杯制覇に向けて走って行きたい。
期待しておる。