鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

堅守と安定感の今季

2013年05月08日 | Weblog
かつての堅守と安定感を取り戻しつつある常勝軍団・鹿島
Text by 元川 悦子

2012年は90年代後半の黄金期を担ったジョルジーニョ監督を迎えた鹿島アントラーズ。Jリーグヤマザキナビスコカップ連覇を果たし、93年J発足時から16冠目のタイトルを手にしたが、J1の方は11位とチーム史上最低成績を記録してしまった。シーズン終盤までJ2降格の危機に瀕するなど、常勝軍団としては絶対に許されないことだったに違いない。ジョルジーニョ監督が家庭の事情によって1年で退任することになり、迎えた2013年は原点回帰を図った。2000年のJリーグ、ナビスコカップ、天皇杯3冠など合計5つのタイトルをもたらしたトニーニョ・セレーゾ監督が復帰し、チーム立て直しに着手したからだ。

その成果は予想以上に早く出ているようだ。今季J1は第4節・大宮アルディージャ戦で敗れただけ。序盤戦から確実に勝ち点を積み重ねている。3日の第9節、横浜F・マリノス戦でも、彼らの手堅い試合運びは大いに目を引いた。

中村俊輔が「お互いの消しあい」と表現した通り、勝ち点3がどうしてもほしい横浜と鹿島はともに守備重視の戦いを仕掛ける。鹿島のセンターバックを担う青木剛が「去年はラインを下げて守る試合が多かったけど、今年は前から守るイメージでやっている。全体をコンパクトにして高い位置からの守備を目指している。それが徐々にできるようになっている」と語ったように、鹿島のボールを奪う意識は非常に高い。前半は早い時間帯に中町公祐に最終ラインの裏に飛び出され、右ポスト直撃のヘディングシュートを放たれるミスが出たものの、それ以外は危ない場面もなく、中村俊輔にいい形でFKを蹴らせることもなかった。

迎えた後半28分。小笠原満男のFKを中澤佑二が頭でクリアしたこぼれ球を拾った野沢拓也が強烈な右足シュートを蹴り込む。リスタートで確実にゴールを奪うあたりは、圧倒的な強さを誇った鹿島を髣髴させる。この虎の子の1点を守りきれれば、完全に常勝軍団復活となるところだったが、最後の最後で横浜のスクランブルにあい、伏兵・ファビオの一撃を浴びてしまう。彼らにしてみれば、勝ち点2を落とす惜しい結果。好セーブを連発した曽ヶ端準は悔しさのあまり、無言のままミックスゾーンを去って行った。

それでも、守備陣は「ある程度、うまく守り切れた」という自信を抱いたようだ。岩政大樹も試合内容を前向きに評していた。

「セレーゾの守りはイタリアとブラジルのいいところを混合したような形。組織的な守りへの要求はすごく細かい。それを僕らも理解しながら、自分たちの形を作る努力をしています。横浜戦でも相手にそれほど大きなチャンスを作らせなかった。それに今季は前線に個人の力で点を取れる選手がいるから、その分、守備に集中できる。ダヴィやタク(野沢)がいることで、苦しい時間帯を乗り切ることができているのかなと思います」

確かに、オズワルド・オリヴェイラ監督(現ボタフォゴ)が指揮したラスト2年間とジョルジーニョ監督が率いた昨季は決めるべきところで決められない場面が非常に多かった。オリヴェイラ監督も「決定力不足は大きな問題だ」としばしば嘆いていた。けれども今季は昨季J2得点王のダヴィが加わり、前線の迫力が増した。ダヴィとコンビを組む効果からか大迫勇也もゴール決定率が高まっている。そして1年間ヴィッセル神戸でプレーした野沢が戻り、リスタートの精度が高まった。9試合終了時点での鹿島の今季総ゴール数は13で、大宮の17、横浜の21に比べるとまだ少ないが、コンスタントに点は取れている。岩政の言う通り、前線が好調なら、守備陣も自信を持って守りに入れる。今季序盤戦で彼らは確実に土台を固めつつあるようだ。

「J1で今年から監督が代わったのは鹿島だけ。今は新しいやり方をみんなが理解して実践しようとしているところ。だから、現時点での首位・大宮との勝ち点差は全く気にならない。当面は今みたいに先頭集団にいて、9月くらいまでこの状況が続けば、終盤戦に強いのはウチ。ダンゴ状態になれば、他のチームにもギリギリのプレッシャーがかかる。そういう修羅場を沢山くぐっている鹿島だし、自分たちは負ける気がしない。ぜひそういう展開に持ち込みたいですね」と岩政は不敵な笑みを浮かべた。

小笠原、中田浩二、本山雅志、曽ヶ端準の黄金世代、岩政や青木ら30歳そこそこの面々の豊富な優勝経験は大宮や横浜にない大きな武器。若い大迫や柴崎岳らも彼らから帝王学を学んでいるはずだ。ここでしっかりとチームのベースを作っておけば、今季の鹿島はひょっとすればひょっとするかもしれない。そんな希望を抱かせてくれる横浜戦だった。


元川女史のコラムである。
守備について語っておる。
Fマリノス戦の戦評と共に語っておるため、歯切れが悪いことは容赦せざるをえないところ。
あの試合を守りきって勝ち点3を得ておれば、もっと気持ち良い文章を読ませてくれたであろう。
とはいえ、堅守が戻りつつある実感はある。
成績も安定しており、今季はかなり上位を狙えることとなろう。
若手とベテランが融合し、そして新指揮官の戦術が浸透しつつある今は、まさに鹿島の旬。
勝利を積み重ねて、最後に笑おうではないか。
楽しみにしておる。

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2 コメント

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アントラーズ的潜在意識! (カバーニ)
2013-05-08 13:54:32
カシマで培った潜在意識で ポテンシャルを上げて欲しい!

インターセプトも増えれば 面白くなると思う!
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帝王学=常勝軍団鹿島アントラーズ (まぁく)
2013-05-08 22:32:55

帝王学って、凄い言葉ですね。
ひょっとしたら、ひょっとするって……
私はやってくれると思い信じ、声をからしてます!
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