鹿島MF柴崎、遠藤と司令塔対決「負けたくない」
[2015年10月31日7時41分 紙面から]
リラックスした表情で公式練習に臨む鹿島MF柴崎(撮影・下田雄一)
鹿島の最多6度目か、G大阪の2連覇か。ナビスコ杯決勝が今日31日、史上初の3冠チーム同士の顔合わせで行われる。
鹿島MF柴崎岳(23)は明らかに意識していた。3年ぶりの優勝を狙うナビスコ杯決勝の公式会見。隣には、日本代表の7番の先輩、G大阪MF遠藤保仁(35)がいた。自ら切り出す。「G大阪さんは中盤の構成力に優れていますので、同じポジションとして負けたくない」。名前こそ口にしなかったが「局面の勝負、マッチアップが決勝の見どころになると思う」と司令塔対決を予告した。
写真撮影では「優勝杯を2人で引っ張り合って」とリクエストされ、笑顔で応じた。代表では昨年11月の2試合と今年1月のアジア杯でチームメート。ただ、同時出場はなく控えとしてベンチで見続けた。ハリルホジッチ監督に代わって遠藤が代表から勇退。超えるチャンスは、この舞台だ。
公式戦4連敗中の相手だが、それを上回る好印象がある。「縁のある大会なので、またタイトルを持ち帰りたい」。12年決勝は柴崎の2発で2連覇。MVPにも輝いた。再現した先に鹿島の最多6度目Vが待つ。
新旧日本代表「7」対決!鹿島・柴崎、G大阪・遠藤に挑戦状
マイクを手に遠藤に“宣戦布告”した柴崎。名門対決に気合を入れた (撮影・山田喜貴)
ナビスコ杯決勝(埼玉スタジアム)は31日、3年ぶり6度目の優勝を目指す鹿島と、2連覇を狙うG大阪が対戦する。2012年に大会最優秀選手(MVP)に輝いた鹿島の日本代表MF柴崎岳(23)は、公式会見で席を並べたG大阪MF遠藤保仁(35)に挑戦状を叩きつけた。また、G大阪の日本代表FW宇佐美貴史(23)は2年連続3冠達成にむけた“1冠”獲得を念頭に置いた。
決戦を翌日に控え、鹿島MF柴崎の闘志はメラメラと燃えていた。埼玉スタジアムで行われた公式会見。若き司令塔が負けん気をむき出しにした。
「G大阪は中盤の構成力が非常に優れている。同じポジションの僕としては、そこの勝負で負けたくない」
具体名こそ出さないが、G大阪MF遠藤を標的にしていることは明らか。会見で席を並べた先輩に“挑戦状”を叩きつけた。両者は同じボランチでゲームメークが得意。日本代表の新旧「背番号7」でもあり、対決に注目が集まる。
柴崎はプロ2年目の2012年大会決勝の清水戦で2ゴールを挙げてチームを優勝に導き、MVPに輝いた。「縁のある大会。最高のパフォーマンスを出せるし、いい試合を約束できる」と“追い風”を強調した。
会見で記念撮影に臨む鹿島・石井監督、柴崎、G大阪・遠藤、長谷川監督(左から)=埼玉スタジアム(撮影・山田喜貴)
ただ、鼻息の荒い後輩とは裏腹に次にマイクを握った遠藤は「見どころ? 相手GKの手の届かないところにシュートを打つことかなあ。あ、もちろん枠内ですけど」とひょうひょうとした受け答え。柴崎の“口撃”をひらりとかわす老獪(ろうかい)さは、百戦錬磨の35歳ならではだ。
ともに年間3冠を経験した名門同士の頂上対決。意外にも主要タイトルの決勝戦での激突は初めてだ。「ここ数年は世代交代でタイトルをなかなか取れなかった。選手には自信になる」と柴崎。G大阪の2連覇の野望を阻み、常勝軍団への返り咲きを目指す。 (伊藤昇)
ナビスコ杯
Jリーグのリーグカップ戦として行われ、J開幕の前年である1992年に第1回大会を開催。J1の18チームが出場し、ACLに出場した4チーム(G大阪、浦和、鹿島、柏)を除く14チームが、7チームずつ2組に分かれて1次リーグを実施。各組上位2チームとACL出場チームが決勝トーナメントに進出する。準々決勝と準決勝はホームアンドアウェー方式、決勝は一発勝負。「同一スポンサーによる最長のカップ戦」としてギネス世界記録に認定されている。昨年優勝はG大阪。優勝賞金1億円。
(紙面から)
ナビスコ杯Vへ!柴崎、遠藤に公開挑戦状「中盤勝負負けたくない」
ナビスコ杯決勝の前日練習でボールを奪いに行く鹿島MF柴崎
Photo By スポニチ
ナビスコ杯決勝は31日、埼玉スタジアムで行われ、鹿島とG大阪が対戦する。国内主要大会の決勝では初めてのカード。3年ぶりの優勝を目指す鹿島は日本代表MF柴崎岳(23)が、日本代表で同じ背番号7を背負っていたMF遠藤保仁(35)擁すG大阪との中盤対決を制し、カップを持ち帰る決意を示した。
普段通りの落ち着いた声だったが、込められた意志には並々ならぬものがあった。決戦を翌日に控え、約1時間の練習後の公式会見。チームを代表して出席した柴崎は勝負のポイントを尋ねられると「局面でのマッチアップに見どころがある。G大阪は中盤での構成力がある。そこの勝負で負けたくない」と力強く語った。
隣の席にはG大阪の遠藤がいた。同じボランチのポジションで、ともに攻撃の指揮を執る。現在、日本代表で自身がつけている背番号7を今年1月のアジア杯まで背負った先輩に対し、公開で挑戦状を叩きつけた形だ。遠藤は同じ質問に「相手のGKの手の届かないところにシュートを打つ。枠内ですよ。そこがポイント」と“挑発”には乗らなかった。だが、決勝の結果、パフォーマンス次第では新旧交代を印象づけることになる。
柴崎にとって縁起のいい舞台だ。ルーキーイヤーの11年。ナビスコ杯準決勝の名古屋戦で公式戦初ゴールを決めた。そして優勝に貢献。鹿島に入団後、初のタイトルとなった。翌12年には清水との決勝で2得点を挙げ2連覇に導き、MVPも獲得した。決勝の勝率は10割。「縁のある大会。タイトルを持ち帰れるように」と三たび、歓喜を味わうつもりだ。
チームにとっても大きな意味を持つ。国内主要大会でJリーグ最多16個のタイトルを持つ鹿島だが、最近2年は見放されている。「優勝を経験していない選手が大半だが、勝つことで自信を持てる」と柴崎。主将の小笠原も「ここをきっかけに数多くのタイトルを獲れるように」と話す。遠藤擁するG大阪を中盤の戦いで制圧し、黄金期の再来を告げるカップをつかみ取る。
優勝トロフィーを挟んで壇上に並ぶ(左から)鹿島・石井監督、柴崎、G大阪・遠藤、長谷川監督
Photo By スポニチ
[ 2015年10月31日 05:30 ]
柴崎3年ぶり戴冠で「鹿島の発展に」
2015年10月31日
ナビスコ杯決勝の公式練習で競り合う鹿島・柴崎(右)=埼玉スタジアム(共同)
「ナビスコ杯・決勝、鹿島-G大阪」(31日、埼玉スタジアム2002)
Jリーグ・ヤマザキナビスコ杯決勝は31日、埼玉スタジアムで行われる。2大会連続3度目の優勝を目指すG大阪と、最多5度の制覇を誇る鹿島が30日、試合会場で前日練習と記者会見を行った。
譲れない一戦。「縁がある大会だと思います」。鹿島のMF柴崎が公式会見に登壇し、ナビスコ杯制覇に向けた思いを語った。
ファイナルまで上り詰め、タイトルまであと1勝。若手育成を旗印とする大会だが、柴崎にとっては重要な試合だ。プロ入りした11年と2年目の12年に、ナビスコ杯を連覇。12年は大会MVPにも輝いた。前回王者のG大阪は元日本代表MF遠藤を擁しているが「中盤の構成力があるG大阪に、同じ位置の選手として負けたくない」と闘争心をあらわにする。
J屈指の名門である鹿島だが、12年のナビスコ杯を最後にタイトルからは遠ざかっている。それだけに「(優勝できれば)選手は自信になるし、これからの鹿島の発展にもつながる」と語る。
捲土(けんど)重来へ、負けるわけにはいかない。クールな背番号20が、歓喜をもたらす。
代表での新旧背番号7対決を煽る各紙である。
以前より、代表ボランチとして遠藤ヤットの後継者として囃し立てられてきた岳であるが、その都度、違う選手であることを強調してきた。
しかしながら、今回は直接対決ということもあり、岳本人の口から「同じポジション」という言葉が出た。
これにはメディアも大喜びである。
中盤を制し、勝利をもたらすのはどちらなのか。
我らとしては、若き岳の躍動に期待したい。
楽しみな一戦である。
[2015年10月31日7時41分 紙面から]
リラックスした表情で公式練習に臨む鹿島MF柴崎(撮影・下田雄一)
鹿島の最多6度目か、G大阪の2連覇か。ナビスコ杯決勝が今日31日、史上初の3冠チーム同士の顔合わせで行われる。
鹿島MF柴崎岳(23)は明らかに意識していた。3年ぶりの優勝を狙うナビスコ杯決勝の公式会見。隣には、日本代表の7番の先輩、G大阪MF遠藤保仁(35)がいた。自ら切り出す。「G大阪さんは中盤の構成力に優れていますので、同じポジションとして負けたくない」。名前こそ口にしなかったが「局面の勝負、マッチアップが決勝の見どころになると思う」と司令塔対決を予告した。
写真撮影では「優勝杯を2人で引っ張り合って」とリクエストされ、笑顔で応じた。代表では昨年11月の2試合と今年1月のアジア杯でチームメート。ただ、同時出場はなく控えとしてベンチで見続けた。ハリルホジッチ監督に代わって遠藤が代表から勇退。超えるチャンスは、この舞台だ。
公式戦4連敗中の相手だが、それを上回る好印象がある。「縁のある大会なので、またタイトルを持ち帰りたい」。12年決勝は柴崎の2発で2連覇。MVPにも輝いた。再現した先に鹿島の最多6度目Vが待つ。
新旧日本代表「7」対決!鹿島・柴崎、G大阪・遠藤に挑戦状
マイクを手に遠藤に“宣戦布告”した柴崎。名門対決に気合を入れた (撮影・山田喜貴)
ナビスコ杯決勝(埼玉スタジアム)は31日、3年ぶり6度目の優勝を目指す鹿島と、2連覇を狙うG大阪が対戦する。2012年に大会最優秀選手(MVP)に輝いた鹿島の日本代表MF柴崎岳(23)は、公式会見で席を並べたG大阪MF遠藤保仁(35)に挑戦状を叩きつけた。また、G大阪の日本代表FW宇佐美貴史(23)は2年連続3冠達成にむけた“1冠”獲得を念頭に置いた。
決戦を翌日に控え、鹿島MF柴崎の闘志はメラメラと燃えていた。埼玉スタジアムで行われた公式会見。若き司令塔が負けん気をむき出しにした。
「G大阪は中盤の構成力が非常に優れている。同じポジションの僕としては、そこの勝負で負けたくない」
具体名こそ出さないが、G大阪MF遠藤を標的にしていることは明らか。会見で席を並べた先輩に“挑戦状”を叩きつけた。両者は同じボランチでゲームメークが得意。日本代表の新旧「背番号7」でもあり、対決に注目が集まる。
柴崎はプロ2年目の2012年大会決勝の清水戦で2ゴールを挙げてチームを優勝に導き、MVPに輝いた。「縁のある大会。最高のパフォーマンスを出せるし、いい試合を約束できる」と“追い風”を強調した。
会見で記念撮影に臨む鹿島・石井監督、柴崎、G大阪・遠藤、長谷川監督(左から)=埼玉スタジアム(撮影・山田喜貴)
ただ、鼻息の荒い後輩とは裏腹に次にマイクを握った遠藤は「見どころ? 相手GKの手の届かないところにシュートを打つことかなあ。あ、もちろん枠内ですけど」とひょうひょうとした受け答え。柴崎の“口撃”をひらりとかわす老獪(ろうかい)さは、百戦錬磨の35歳ならではだ。
ともに年間3冠を経験した名門同士の頂上対決。意外にも主要タイトルの決勝戦での激突は初めてだ。「ここ数年は世代交代でタイトルをなかなか取れなかった。選手には自信になる」と柴崎。G大阪の2連覇の野望を阻み、常勝軍団への返り咲きを目指す。 (伊藤昇)
ナビスコ杯
Jリーグのリーグカップ戦として行われ、J開幕の前年である1992年に第1回大会を開催。J1の18チームが出場し、ACLに出場した4チーム(G大阪、浦和、鹿島、柏)を除く14チームが、7チームずつ2組に分かれて1次リーグを実施。各組上位2チームとACL出場チームが決勝トーナメントに進出する。準々決勝と準決勝はホームアンドアウェー方式、決勝は一発勝負。「同一スポンサーによる最長のカップ戦」としてギネス世界記録に認定されている。昨年優勝はG大阪。優勝賞金1億円。
(紙面から)
ナビスコ杯Vへ!柴崎、遠藤に公開挑戦状「中盤勝負負けたくない」
ナビスコ杯決勝の前日練習でボールを奪いに行く鹿島MF柴崎
Photo By スポニチ
ナビスコ杯決勝は31日、埼玉スタジアムで行われ、鹿島とG大阪が対戦する。国内主要大会の決勝では初めてのカード。3年ぶりの優勝を目指す鹿島は日本代表MF柴崎岳(23)が、日本代表で同じ背番号7を背負っていたMF遠藤保仁(35)擁すG大阪との中盤対決を制し、カップを持ち帰る決意を示した。
普段通りの落ち着いた声だったが、込められた意志には並々ならぬものがあった。決戦を翌日に控え、約1時間の練習後の公式会見。チームを代表して出席した柴崎は勝負のポイントを尋ねられると「局面でのマッチアップに見どころがある。G大阪は中盤での構成力がある。そこの勝負で負けたくない」と力強く語った。
隣の席にはG大阪の遠藤がいた。同じボランチのポジションで、ともに攻撃の指揮を執る。現在、日本代表で自身がつけている背番号7を今年1月のアジア杯まで背負った先輩に対し、公開で挑戦状を叩きつけた形だ。遠藤は同じ質問に「相手のGKの手の届かないところにシュートを打つ。枠内ですよ。そこがポイント」と“挑発”には乗らなかった。だが、決勝の結果、パフォーマンス次第では新旧交代を印象づけることになる。
柴崎にとって縁起のいい舞台だ。ルーキーイヤーの11年。ナビスコ杯準決勝の名古屋戦で公式戦初ゴールを決めた。そして優勝に貢献。鹿島に入団後、初のタイトルとなった。翌12年には清水との決勝で2得点を挙げ2連覇に導き、MVPも獲得した。決勝の勝率は10割。「縁のある大会。タイトルを持ち帰れるように」と三たび、歓喜を味わうつもりだ。
チームにとっても大きな意味を持つ。国内主要大会でJリーグ最多16個のタイトルを持つ鹿島だが、最近2年は見放されている。「優勝を経験していない選手が大半だが、勝つことで自信を持てる」と柴崎。主将の小笠原も「ここをきっかけに数多くのタイトルを獲れるように」と話す。遠藤擁するG大阪を中盤の戦いで制圧し、黄金期の再来を告げるカップをつかみ取る。
優勝トロフィーを挟んで壇上に並ぶ(左から)鹿島・石井監督、柴崎、G大阪・遠藤、長谷川監督
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[ 2015年10月31日 05:30 ]
柴崎3年ぶり戴冠で「鹿島の発展に」
2015年10月31日
ナビスコ杯決勝の公式練習で競り合う鹿島・柴崎(右)=埼玉スタジアム(共同)
「ナビスコ杯・決勝、鹿島-G大阪」(31日、埼玉スタジアム2002)
Jリーグ・ヤマザキナビスコ杯決勝は31日、埼玉スタジアムで行われる。2大会連続3度目の優勝を目指すG大阪と、最多5度の制覇を誇る鹿島が30日、試合会場で前日練習と記者会見を行った。
譲れない一戦。「縁がある大会だと思います」。鹿島のMF柴崎が公式会見に登壇し、ナビスコ杯制覇に向けた思いを語った。
ファイナルまで上り詰め、タイトルまであと1勝。若手育成を旗印とする大会だが、柴崎にとっては重要な試合だ。プロ入りした11年と2年目の12年に、ナビスコ杯を連覇。12年は大会MVPにも輝いた。前回王者のG大阪は元日本代表MF遠藤を擁しているが「中盤の構成力があるG大阪に、同じ位置の選手として負けたくない」と闘争心をあらわにする。
J屈指の名門である鹿島だが、12年のナビスコ杯を最後にタイトルからは遠ざかっている。それだけに「(優勝できれば)選手は自信になるし、これからの鹿島の発展にもつながる」と語る。
捲土(けんど)重来へ、負けるわけにはいかない。クールな背番号20が、歓喜をもたらす。
代表での新旧背番号7対決を煽る各紙である。
以前より、代表ボランチとして遠藤ヤットの後継者として囃し立てられてきた岳であるが、その都度、違う選手であることを強調してきた。
しかしながら、今回は直接対決ということもあり、岳本人の口から「同じポジション」という言葉が出た。
これにはメディアも大喜びである。
中盤を制し、勝利をもたらすのはどちらなのか。
我らとしては、若き岳の躍動に期待したい。
楽しみな一戦である。