鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

カシマサッカースタジアム、防災訓練実施

2012年03月11日 | Weblog
【鹿島】防災訓練実施「3・11に続ける」
 鹿島が11日、本拠カシマスタジアムで試合開催時の地震発生を想定した防災訓練を行った。選手8人に加え、スタッフ、ボランティア、サポーターなど約550人が参加。茨城県沖が震源で震度6強の揺れに設定して、場内誘導や負傷者の対応、売店での火災発生時の消火作業など本番さながらに実施した。鈴木秀樹取締役兼事業部長は「毎年3月11日には続けていきたい」と来年以降も継続予定。「今回終わった段階からいろいろな意見を集約して、今後に生かしていきたい」と話した。

 また東日本大震災では通信の重要性をあらためて感じた。すでに災害時でも情報を共有できるよう、すでにオフィシャルSNSフェイスブック「コンシュル樹」などを開設。この日の訓練でも活用した。さらにスタジアムに集まった約4万人が同時に電話やメール、ネットなどを一斉通信可能な工事が年内にも完了予定。鈴木事業部長は「まずは1階層だけでもスムーズに人の移動や車両の乗り入れができるようにスロープもつけたい」。現在はすべて階段の昇降が必要なため、管理する県などに要望している。

 [2012年3月11日20時6分]

鹿島、被災経験生かす 3.11防災訓練継続へ


カシマスタジアムで行われた防災訓練
Photo By スポニチ


 鹿島が本拠カシマスタジアムで防災訓練を実施した。警察、消防、スタッフ、ボランティア、サポーターら約500人が参加。試合中に茨城県沖を震源地とした震度6強の地震が発生したと想定し、約2時間にわたり避難誘導、消火訓練などが行われた。

 震災で深刻な被害を受けたスタジアムは、昨年11月から2月末まで総工費約14億円の本格的な復旧工事を行った。照明落下の防止策を施すなどマグニチュード9規模の地震に耐えられる構造になったが、この日の訓練は観客を混乱させずにスタンドに留めることがポイントだった。

 また、昨年の震災時には電話が不通になったものの、インターネットは使用できた。その教訓から「フェイスブック」や「ツイッター」で被害状況の情報発信もチェック。さらにスタッフが「スカイプ」で連絡を取り合うなど最新の通信手段を駆使し訓練に対応した。鈴木秀樹取締役は「訓練で出た問題点を今後に生かしたい。来年以降も3月11日には毎年、やる」と明言した。今回は、会場にスロープを設置することなどが今後の課題として挙がった。

[ 2012年3月12日 06:00 ]

2月末に発表された防災訓練が無事実施された。
このような試みは重要である。
今後もこの日程で行っていくとのこと、そして今回の意見を参考により良い防災訓練にしていく模様。
素晴らしい心がけと言えよう。
今後も、安全なスタジアムの環境作り及び緊急時の防災拠点作りに力を入れて行って欲しい。

仙台戦レポート

2012年03月11日 | Weblog
【J1:第1節 仙台 vs 鹿島】レポート:「復興元年」のJリーグ開幕戦。双方が新しいやり方に取り組みながらも激しいぶつかり合いを見せ続けた一戦は、仙台に軍配が上がる(12.03.11)
3月10日(土) 2012 J1リーグ戦 第1節
仙台 1 - 0 鹿島 (14:04/ユアスタ/18,250人)
得点者:62' 上本大海(仙台)


2011年の3月11日に東日本大震災が発生してから一年。2012年の3月10日に組まれたJ1開幕戦で、震災時にホームタウンが大きな被害を受け、今もホームタウンとともに立ち直る途上にある仙台と鹿島が対戦することとなった。

仙台・手倉森誠監督は試合二日前に「まずは開幕の笛が無事に鳴ることを祈っています」と心境を明かしていた。そしてこの試合を前に、チームには「今日のキックオフの笛が、『復興元年』のキックオフの笛だ。そしていよいよ復興に向けて我々が力を注ぐときだ」と呼びかけたという。鹿島・ジョルジーニョ監督もまた、クラブの歴史を振り返った上で「アントラーズは最初から困難な状況を乗り越えてきたクラブ。その我々がサッカーを通じて、被災された方々にほんの一時的な喜びでも与えられれば」と語る。

両者の思いはピッチ上でもプレーに反映され、立ち上がりから激しい一対一が随所で繰り広げられる一戦となった。そのなかで、最初に主導権を握ったのは仙台。攻撃的な中盤に入った関口訓充と太田吉彰がスピードを生かしてサイドを制すると、相手陣内でのカットから素早く攻撃に切り替えるかたちで決定機を作る。対する鹿島も、岩政大樹や中田浩二が鋭い読みを見せて相手の決定機を防ぐと、本山雅志や増田誓志が流動的なポジショニングからパスを交換して攻撃の道筋を探る。

仙台は高い位置からのカウンター、鹿島がダイヤモンド型の中盤からの組み立てという今季から取り組んでいるやり方を目指すも互いにゴールが生まれない中、試合が動いたのはセットプレーからだった。「お互いに気持ちの入ったゲームで勝負を分けるのはセットプレー」(手倉森監督)、「現代サッカーは得点の七割がセットプレーから入るので集中を欠いてはいけないと話していた」(ジョルジーニョ監督)と両監督も重要性を分かっていた。62分、仙台は太田からの鋭い左CKをファーサイドの赤嶺真吾が折り返し、最後に新加入の上本大海が押しこんだ。

終盤は鹿島が選手交代により中盤にボランチを二人置くボックス型に組み替えて反撃するが、仙台もまた磨いてきた守備ブロックを組み直して対応。林卓人がジュニーニョのヘディングシュートを片足で弾き飛ばす好守もあり、仙台が1点を守りきって勝利した。「『復興元年』に被災地の方々に勝利をプレゼントできてよかった」。殊勲の上本は開幕戦勝利の価値をそう表現した。

「相手のダイレクトのうまさに(プレッシャーから)逃げられたシーンもあったので修正したい」(関口)、「決定機までいっていない時間も多く、修正したい」(増田)とそれぞれの話にあるように、それぞれのチームが新しく取り組んでいることを実践する上では、まだ課題は多い。だが「復興元年」のJリーグはまだ始まったばかり。健闘を見せてくれた両チームが、長いシーズンの中でどのように成長していくのかが楽しみだ。

この日のユアテックスタジアム仙台には、昨年の最終節同様、全国の支援に感謝する「私たちは感謝を忘れない」というメッセージが掲げられていた。両チームとも、感謝の気持ちをプレーで示し続けていくシーズンが、ここに始まった。


以上
2012.03.11 Reported by 板垣晴朗


仙台GK・林の好守により鹿島はゴールを割らずに終えた。
それは残念である。
とはいえ、決定的チャンスを作ったことは重要と言えよう。
次節には今季初ゴールをお見舞いして欲しい。
ホーム開幕戦が楽しみである。

新潟・小谷野、川崎戦に先発出場

2012年03月11日 | Weblog
【J1:第1節 川崎F vs 新潟】試合終了後の各選手コメント(12.03.10)
●西部洋平選手(川崎F):
「気持よく出来ました。最高の開幕戦になりました。
立ち上がりのピンチのような場面は開幕前の試合でもでていました。あの場面は角度がなかったので、ボールと正面で向きあえば体に当たると思っていました。
最後のピンチの場面は胸に当たりました。顔面だったと言われたんですが、多分胸だと思います。正直、覚えてません」


●小谷野顕治選手(新潟):
「入り方は落ち着いては入れたが、失点してから決定機がなく僕自身攻撃面で単発でした。ダメなときに動き直すことが出来なかった。
すごく前線がサポートしてくれて、やりやすかったんですが、課題もたくさん出ました。ドリブルで個の力を出せませんでした」


先発出場も途中交代の新潟の小谷野である。
敗戦に課題が見えたとのこと。
チャンスをものにし、成長して欲しい。
期待しておる。

仙台戦コメント・報道

2012年03月11日 | Weblog
2012Jリーグ ディビジョン1 第1節
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
厳しい試合だったことは事実。現代サッカーでは得点の7割がセットプレーからなので、十分気をつけるように選手たちには言っていたので、あそこで集中力が足らなかったのは残念に思う。しかし選手たちは同点、そして逆転を目指して最後までやったのは収穫。まだシーズンも長いし、自分もチームも望んだようなデビュー戦ではなかったが、素晴らしい選手たちが揃っていると実感している。またこれからやっていきたい。(震災から1年経ったが)アントラーズは、スタートから「99.9999%、Jリーグには入れない」と言われた中でスタジアムを作り、小さな鹿嶋という街にプロサッカークラブを作り出し、7度のリーグ優勝を誇るクラブとなった。これほど悪条件を乗り越えてきたクラブはないと思うし、被災された方々に対し、サッカーを通じて少しでも小さな喜びを与えられればと思う。苦痛を和らげることはできないと思うが、1日の中の90分だけでも楽しんでもらえればいい。今日は自分たちが目指した結果ではなかったが、両チームともに被災した方々に小さな勇気を与えられたのではないかと思う。

【本山 雅志】
前半は自分たちのペースだったけど、後半の立ち上がりから仙台のペースになった。点を取られてからまた自分たちのペースにはなったと思う。片方のエリアでのプレーが多くなってしまったので、サイドチェンジをもっとやれれば良かったが、ボールを散らせなかった。もっと試合に長く出られるように頑張る。

【大迫 勇也】
勝ちたかった。繋ごうとしすぎて中途半端になった。チャンスはあったと思う。仙台が引いてカウンターという狙いは分かっていた。自分がボールを持てたのがサイドでしかなかったのでそこからクロスやシュートを狙ったが、真ん中でもっともらえるようにしないといけない。

【青木 剛】
勝って勢いをつけたいという気持ちだったが、残念な結果になってしまった。でも悲観するのは良くないので修正してアントラーズのサッカーを信じて続けることが大事だと思う。修正点は全体的にあるが、特には連係面など。今日負けたからと言って全て悪いと言う訳ではない。


2012年03月10日(土)

本日行われたJ1第1節仙台戦は0-1で負けを喫しました。

【J1:第1節 仙台 vs 鹿島】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.03.10)
3月10日(土) 2012 J1リーグ戦 第1節
仙台 1 - 0 鹿島 (14:04/ユアスタ/18,250人)
得点者:62' 上本大海(仙台)


●ジョルジーニョ監督(鹿島):

「本当に厳しい試合であったということは事実としてありますし、そのタフさの中、拮抗した中で、現代サッカーのデータとしてセットプレーから得点の七割が出てくるということをミーティングで注意したところですが、集中力を欠いてはいけないのに、残念ながらそれが欠けてしまってそこからの失点になってしまったという残念な部分があります。
けれども、選手達は最後まで同点や逆転を目指して戦い続けて、お互いに手をつないでいた姿勢というものは、非常に収穫としてあると思いますし、まだシーズンは長いですし、多くの勝利を提供することができるのではないかと思います。
残念な部分は、僕もチームも望んでいたデビュー戦の結果ではないですけれど、しっかりとまた取り組んで、素晴らしい能力を持つ選手がいますので、彼らとともにまたシーズンを通していい成績を残すことができればと思います」

Q: 震災で被災した2チームとして注目されるカードですが、監督はチームのモチベーションをどのようにして高めましたか。
「被災だけではなくて、アントラーズの歴史を振り返ってもらえば、アントラーズはリーグから「(Jリーグ入りは)99.9999%不可能」といわれてからのスタートであったし、そこからスタジアムを建設して小さな町にクラブを作り、今ではJリーグで七回優勝しているクラブです。困難な状況からスタートしているクラブであって、悪い条件を勝ち進んでいるクラブです。そういった意味で、いい見本になるのではないかと思います。
選手達には、本当に、被災された方に対して我々ができるのは、スポーツを通じて、サッカーを通じて少しでもいい試合をして、勝利を与えることができれば、和らげることはできませんが、少しの、ほんの一時的な喜びでも与えられれば…と僕はいつも言っています。
それは被災されていた方々だけではなくて、いろんな方々がいるわけであって、苦しんでいる人たちがやはり少しでもサッカーを見て、一日の中の90分という時間でも楽しい時間を過ごしてくれればという気持ちでいますし、いろんなファンサービスも含めて、善意や誠意を示すことの大切さを知っております。
ですから、確かに茨城の方は宮城に比べたら被災された度合いということに関しては少ないかもしれませんが、仙台さんに関しては起こってはほしくないことがありましたが、起こってしまったことは仕方がありませんので、頭を上げて、前を向いて進むきっかけを何らかのかたちで我々が、サッカー人、あるいはスポーツ人として伝えることができればという精神で、みんなで取り組んでいこうという話をしましたし、今日の試合においてはそれが表現されたのではないかと思います。自分達が目指した結果にはなりませんでしたけれど、両チームとも見てくださった方、あるいは被災された方には少しでも勇気あるいは心に何かを残せたのではないかと思っています」

Q: 仙台と戦ってみて、ディフェンス面での印象は?
「練習が積み重なっているチームだな、とやはりわかります。選手達の連係も非常にいいと思います。ただし、そのなかでもジュニーニョ選手にしても大迫選手にしてもチャンスがあったわけであって、ただそこを決まっていれば状況は変わってくるという部分はあったかもしれませんが、いちばんはやはりセットプレーのところ、そこを我々が不注意でやられてしまったというのが現実的な話ではないかと思います」

Q: 久しぶりにJリーグに(監督として)戻ってきた感想は?
「まず、Jリーグに帰ってこられて非常に嬉しく思います。四年間、本当に自分のキャリアにおいて、人生の中でも非常に素晴らしい時間を過ごせたことがありますし、そのなかで再びこういういろんな方々、メディアの皆さんも含め会えるということは非常に喜ばしいことではないかと思います。いろんな試合の采配の中では攻撃的な采配にしましたし、青木選手もベンチに下げてできるだけ攻撃の能力が高い選手をそろえてスピードを生かせればという狙いがありましたし、時折うまくいった場面もありましたし、うまくいかなかったときもありましたけれど、初戦としては良かったのではないかと思っています」

Q: 攻撃の部分でもっと改善しなければいけない部分があればお願いします。
「攻撃だけではなくて守備の部分でも必要ですし、セットプレーの部分でもセカンドボールへの反応で、気が緩んではいけないタイミングで注意しなければいけないし、中盤の部分も良くしなければいけないし、ひとつのことではなくていろんな部分でまだ良くしていかなければいけない部分というのは多くあるのではないかと思いますし、同じように仙台さんも良くしなければいけない部分もあると思います」


以上

【J1:第1節 仙台 vs 鹿島】試合終了後の各選手コメント(12.03.10)
●小笠原満男選手(鹿島):
「残念ですね。勝ちたかったです。開幕戦の固さというのはなかったですが、課題はチーム内で消化していきたいです。(昨日、色々な意味で勝ちたいと言ってましたが、プレーで思いを伝えることはできましたか?)それは受け取る側の受け取り方でもあるのでわからないですが、戦う姿勢は見せられたかなと思います。Jリーグは開幕しましたが、復興はまだまだスタートを切れていないような状態で、一歩くらい進んだかもしれないがまだまだだと思うので非常に複雑な思いはあります。これまでの一年間を考えると色々あったなとそんなことを考えてました。カンファレンスであった仙台の関口選手とは一緒に頑張ろうと話をしていました。鹿島からも沢山のサポーターが来てくれていたし、被災してるけど頑張ろうと戦っている人たちがいるので僕たちも負けていられないです。次のホーム開幕戦では勝利したいと思います」

●増田誓志選手(鹿島):
「自分たちのミスも多かったです。守備面に関しては問題はそんなになかったと思うが攻撃面に関してはポジションも含めバラバラなところがあったので話をしてやっていかないといけない。試合前、中盤の4人がポジションをチェンジしながら相手を崩していきサイドチェンジをやっていこうと話をしていましたが、中盤が開いてしまいお互いの距離が遠くなってしまった場面もあった」

●青木剛選手(鹿島):
「勝って勢いをつけたかったので負けたのは非常に残念です。ただ悲観的になるのが一番まずいので修正するところは修正して自分たちの鹿島のサッカーを信じて続けていきたいです。全体的に連携の部分がまだ修正する余地があると思います」

●大迫勇也選手(鹿島):
「切り替えるしかないですね。繋ごう繋ごうとして中途半端になってしまったところもあった。チャンスはあったのですが、難しい試合でした。相手は引いてカウンターを狙ってきていたし、自分が前を向けるところがサイドに流れたときぐらいだったので、もっと真ん中で前を向いていかないといけないと思います」

●本山雅志選手(鹿島):
「やることは分かっている。失点に関してもセットプレーからだったし、ただ勝つと負けるでは差がでかい。勝ちながら強くなっていきたいです。ジュニーニョはもっと走らせてもいいかなと思いました。足元でもらいたがるのですが裏に走らせて相手のDFを下げさせるとかしてもいいかなと思いました」


[ J1:第1節 仙台 vs 鹿島 ]

特別な意味合いを持つのは鹿島も同じ。ユアテックスタジアム仙台には大勢の鹿島のサポーターが駆けつけた。

[ J1:第1節 仙台 vs 鹿島 ]

川崎Fから新加入のジュニーニョ(写真)。移籍後初ゴールは次節以降にお預けとなった。

[ J1:第1節 仙台 vs 鹿島 ]

特別な思いを抱いて開幕を迎えたであろう小笠原満男(写真)。開幕戦は悔しい黒星スタートとなってしまった。


小笠原「負けたけど下を向けない」/J1
<J1:仙台1-0鹿島>◇第1節◇10日◇ユアスタ

 J開幕戦が被災地クラブ同士の対決となった仙台との特別な試合に敗れた悔しさが、言葉からにじみ出ていた。90分を戦い終えた鹿島のMF小笠原満男(32)は「残念ですね。勝ちたかったんですけど…。やはり、勝っている姿を(被災地のみなさんに)見せたいという気持ちに変わりはないので…」とうつむきながら話した。

 「試合だけじゃなくて何事にも勝ちたい」。そんな気持ちを持って臨んだ一戦は、序盤から「ジョルジーニョ鹿島」の攻撃の軸として奮闘した。献身的な動きに加えてFKのキッカーとして好機を演出。前半39分の右足ボレーシュートなど積極的にゴールも狙った。

 東日本大震災から1年。特別な開幕戦に臨む気迫はチームにも伝わっていた。前半は激しいプレスでペースを握り、後半に運動量が落ちて先制されても粘りを披露。同24分にFWジュニーニョのヘッドが相手GKの好守に阻まれたが、最後まで勝利を目指した。

 勝利には届かなかった。ただ、新監督を迎えた鹿島は「復興の旗手」として止まってはいられない。「おれらは負けたけど下を向けない。被災をして、前を向いて頑張ろうとしている人たちがいる。おれらだけが下を向いてはいられない」。小笠原は勝利と復興のため、今季も名門鹿島の先頭に立って走り続ける。【菅家大輔】
 [2012年3月11日9時41分 紙面から]


鹿島・小笠原、震災から1年…万感J1開幕

白星こそならなかったが、フル出場した小笠原の奮闘は、東北の人々の心に届いた (撮影・川口良介)

 (J1第1節第1日、仙台1-0鹿島、10日、ユアスタ)東日本大震災被災地の岩手県出身で、鹿島の主将を務める元日本代表MF小笠原満男(32)は、被災地同士の対戦となった仙台との開幕戦を複雑な思いで迎えた。昨年の震災後から被災地支援に奔走し、今も活動を継続。0-1の開幕黒星発進にも、「下を向くわけにはいかない」と強い思いを胸に新シーズンに踏み出した。

 大震災犠牲者を悼む試合前の黙とうを、小笠原は万感の思いで迎えた。「この1年間、本当にいろいろなことがあったなと…」

 キックオフの笛が鳴ると、ダイヤモンド型の新システムの中盤から攻撃を組み立て、フル出場で攻守に奮闘したが、0-1の敗戦に厳しい表情で語気を強めた。

 「必死に頑張っている人たちがいるのに。こんなところでおれらが下を向くわけにはいかない」

 昨年の3月11日。清水戦に備え移動中のチームバスで地震にあった。クラブハウスに引き返すまでの車中で流れた故郷の映像。つながらない電話…。チームが活動休止になると家族と岩手沿岸部に向かった。高校時代を過ごした大船渡、妻の故郷の陸前高田はその面影すら失っていた。

 物資支援を呼びかけ自ら運ぶたった1人の活動から、「東北人魂」を立ち上げ、サッカー界全体に活動の輪を広げた。今オフ、一緒にサッカーをした被災地の子どもに「練習、頑張るんだぞ」と言葉をかけると、返ってきた小さな声が胸に刺さった。「やりたいけど、やる場所がないんです…」。被災地のガレキはいまだ山積され、小中学校のグラウンドには仮設住宅がある。スポーツ施設は流されたままだ。

 「1年たっても復興はまだ進んでいない。おれらはJリーグも開幕して当たり前にサッカーができているけど、1年たってもまだ踏み出せてもいない人もいる」

 3月に「東北人魂」の活動継続を決めた。いま小笠原が大きな目標として描くのは、被災地の子どもたちが自由に使えるグラウンドを作る夢だ。

 仙台戦前の10日未明には、茨城県北部を震源に震度5弱の地震が発生した。ホームタウンの茨城でも震災被害に加え福島原発事故に伴う放射能の恐怖、風評被害など多くの問題を抱える。

 「まだ手助けが必要な状況なんです。大変なのはこれから。僕たちができることはあると思うんです」

 忍耐強く心優しい「東北人魂」の主将は、まだ歩みを止めない。(佐藤ハルカ)

★東北人魂を持つJ選手の会(略称・東北人魂)

 昨年5月に小笠原らが中心となり設立。東北出身やゆかりのある選手がチャリティーオークションや募金PR活動などで支援を募ったり、被災地の子どもたちを試合や合宿に招待するなど支援。今年1月には岩手、宮城、福島で各県サッカー協会などと共同で、小学生から高校生までを対象としたチャリティーイベントを開催した。震災から1年を機に、3月7日にさらに1年間の活動継続を決めた。
(紙面から)

ジョルジ鹿島 黒星スタート…特別な一戦への思いが空回り
J1第1節 鹿島0―1仙台 (3月10日 ユアスタ)


<仙台・鹿島>後半、鹿島・小笠原(手前)と仙台・柳沢がマッチアップする
Photo By スポニチ


 鹿島は特別な一戦に懸ける思いが空回りした。3季ぶりの奪冠を目指す新シーズンの開幕戦。震災から1年、会場は被災地・仙台、鹿島から2000人を超えるサポーターが駆けつけるなど発奮材料には事欠かなかった。前半ロスタイムに大迫が小笠原のFKを頭で合わせてゴールに迫るなど見せ場もつくったが、07年以来となる5年ぶりの黒星発進。今季から採用するダイヤモンド形の中盤も十分には機能しなかった。

  ジョルジーニョ監督は初陣を飾れなかった。東日本大震災後は放射能問題などを不安視して多くの外国人が日本を去る中、95~98年に在籍した古巣の再建を託されて今季から監督に就任。10歳の時に事故で父親を亡くしており「震災で被害を受けた方々に言葉を掛けるのは難しい。自分も大切な人を亡くす悲しみを知っているから」と被災者の気持ちを感じながら指揮を執っていた。

 試合後は冷静に敗戦を受け止め、敵将・手倉森監督とがっちり握手。「震災で苦しんでいる人がいる中で90分だけでも楽しい時間を過ごしてもらえたのではないか。思っていたデビュー戦の結果ではないが、シーズンは長い。一つでも多くの勝利を届けたい」と巻き返しを誓った。

 ▽鹿島が07年以来、5シーズンぶりの開幕戦敗戦。ホーム開幕戦は12勝2分け1敗と圧倒しているのに対しアウェーでは2勝3敗と負け越し。


<仙台・鹿島>鹿島・ジョリジーニョ監督(左)と仙台・手倉森監督が、試合終了後握手する
Photo By スポニチ


[ 2012年3月11日 06:00 ]

J1開幕 被災地対決、鹿島敗れる 
20年目を迎えたサッカーのJリーグは10日、J1が開幕。3年ぶりのリーグ優勝を目指す鹿島は宮城・ユアテックスタジアム仙台で仙台と対戦。0-1で敗れた。

東日本大震災から1年の前日で、被災地クラブ同士の対決となった一戦。試合前、両チームの選手は約1万8千人の観客とともに黙とうをささげ、復興を願うサポーターの応援を受けて戦った。

試合はお互いの意地がぶつかり合う激しい展開。鹿島は司令塔の小笠原を軸に攻撃を組み立てたが、仙台の速い出足に得意の形を作れず、後半17分、コーナーキックから先制点を許した。

後半、柴崎ら若手選手を投入して打開を図ったが得点を奪えず、ジュニーニョの決定的なシュートも仙台の堅い守りに阻まれた。


結果は残念であったが、悲観ばかりしておられぬ。
新システムの熟成には時間が掛かるもの。
次節に向けて気持ちを切り替え挑みたい。
期待しておる。