「人魚姫」再読

2008年07月11日 22時45分27秒 | アイデアのかけら
必要があって、「人魚姫」を読み返す。

この童話の優れたアイデアは、
「足を手に入れるために、声を失う」
というところだろう。
つまり、
「Aを得るために、自分が持っているBを失う」
というプロットだ。

だが、失えばなんでもいいというわけではない。
「人魚姫」の場合、失うものが「声」というのが秀逸だ。
「足」が欲しかったのは、王子の近くに行きたかったからであるにもかかわらず、
その代わりに思いを告げるための「声」を失ってしまうのだから。

失ったものが「声」ではなく、「へそ」となると、途端にダメな感じになる。
いや、へそだって大事だが、声と比べたらまったくお話にならない。

読みつがれている物語には、常にアイデアのヒントがある。

 
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