「白黒」から「カラー」への変遷

2009年02月26日 01時13分11秒 | 業界のかけら

『シャボン玉ホリデー』
『ゲバゲバ90分』
『カリキュラマシーン』

今や伝説の番組の演出氏の話を聞くことができた。

いろいろと興味深い話があったが、
特に印象に残ったのは、
『シャボン玉』が番組スタート時から、
当時まだ珍しかったカラーだったことに関する話だ。

「面倒だからやりたくなかった」

カラーという新しい技術に、
みんな積極的だと思っていたが、
実はそうではなかったらしい。

理由はいくつかある。

①セットの色をちゃんとしないとダメだから面倒。
(白黒時代は濃淡だけで色は関係なかった)

②カメラが巨大で機動性が悪い。

③当時のカラー用カメラは真空管(?)だったので、
 いちいち光の3原色ごとに調整が必要であり、
 毎回、時間がかかった。

とにかく面倒で、
できることならカラーはやりたくなかったそうだ。

なるほど。

だが、彼らが決して保守的だったわけではない。

『ゲバゲバ』がスタートとする頃、
『8時だよ!全員集合』も始まった。
それについて当時、どう感じたか聞くと、

「コントは『シャボン玉』でやりきったと思っていた。
 新しい笑いにしか興味がなかった」

だから、コントである『全員集合』は、
意識することがなかったそうだ。

もちろん、『全員集合』にもそれまでにない新しさはある。

それはさておき、
ここで注目すべきは、
彼らは自分たちの実績に満足することなく、
それを捨て、
新しい境地に向かおうとしていたその姿勢だ。

21世紀にテレビを作る僕たちも、
これだけは真似しなければいけない。

そう思ったのだ。


 
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