会計スキル・USCPA

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大統領と一緒に食事した10人の歴史家  Robert Dallek

2010-11-09 08:40:03 | 政治
ガイドブックをみていると、ワシントンの結構有名な独立系の本屋というのがあって、そこではブックイベントが定期的にやっているとかで、

ネットで検索してみると、有名な歴史家が自著を語る、みたいなのがあるらしい、ってことで早速行ってみることに。


Politics & Prose

Robert Dallek - The Lost Peace

Nov 6 2010 6:00 pm

In Dallek’s analysis of mid-20th-century conflicts, the strife in China, Korea, and the Middle East was rooted in a missed opportunity at the end of World War II. When leaders including Roosevelt, Truman, Churchill, de Gaulle, and Stalin had the opportunity to strengthen international cooperation, they instead fell back into the old patterns of power politics that had just plunged their nations into war.

ロバート・デレクという歴史家で、第二次大戦後、冷戦体制に移行するまでの過程を扱った本を書いてて、講演をする、ということなんですな。

この、ポリティクスアンドプローズという本屋は、結構有名らしいんですな。

キャピトルヒルのビジターセンターに行ったとき、ツアーの列に並んだのが私だけで、そのツアーガイドの職員の人と一対一になってしまって、どこから来たのか、とか、何日居るんだ、みたいな個人会話になったんですが、

ポリティクスアンドプローズに行って、レクチャーを聴いてきたと話してたら、ああ、あれはとてもグッドだ、本について著者が話してくれてね、みたいなことをおっしゃってまして、多分、ワシントンでも名の通った本屋なんでしょう。

こういう集会に参加する、というと、日本だと好きモノ、オタクだと思われたり、ちょっと偏ってて理屈っぽくてマトモじゃない、みたいに受け取られるような気がするんですが、こちらでは、ちょいと違ってて、

そのガイドの人は、ジェントルマン扱いしてくれたんですな。一対一だったツアーに途中から老夫婦が加わってきて、キャピトルヒルの模型の並びを説明するのに、そのジャントルマンがたっているところにあるのが・・・、みたいな。



そういえば、ホテルからのシャトルでも、シャトルの運転手の黒人のおばさんと、その本屋に言ったことをハナシてたんですな。このおばさんは、一緒に乗った客にどっから来たのか一人一人言わせた後、私はさっき話したんで黙ってたら、このジェントルマンは東京から来て、と紹介してくれて・・・。

得体の知れない東洋人からジェントルマンに格上げ。

まあ、本屋の名前を彼女は知らなかったようですがね。

知的な関心にとても素直な敬意を払う。まあ、私が客の立場だからなんでしょうが、それだけじゃないような気がしましたね。

日本では、歴史や思想や政治への関心と、アニメへの関心が多分同列なんですが、こちらでは、パブリックへの関心につながっているということで、歴史や思想は一段上のレベルにおかれているんじゃないかと。

単に、勉強しててえらい、みたいなハナシではなく、そのことが、近所の掃除をすることや、地域の寄り合いで地域の問題解決に貢献することなんかとつながって考えられているって感じがするんですね。よりよいアメリカを作る。アメリカは世界で唯一のスーパーパワーで、よりよいアメリカはよりよい世界につながる。

歴史や思想や政治を議論することで、自分や、他人を正しい投票行動に導いて、よい議会、よい政府を作ってゆく。

あたし個人は、生粋の日本人なんで、道楽以上の関心は無いんですがね。恥ずかしながら。日本に帰ったら、福沢諭吉でも読んでみますかね。


ついでにですが、キャピトルヒルのツアーは、ビジターセンターのツアーも、本体のツアーも、とってもよいのでお勧めです。丁寧で、やさしくて、ガイドはかなり訓練されてます。本体のツアーはネットで事前予約する必要があるんですが、ガイドは何聞かれても、エディーマーフィーのように答えまくる背の低い女性で、終わった時にはこっちがヘトヘト。

さて、著者のデレクですが、こんな感じです。本屋の動画じゃないんですが、まあ、テレビやなんかにはよく出てるようですな。



この本屋というのが地下鉄の駅から結構遠くて、途中でトイレに行きたくなって・・・。もう行くのやめて戻ろうか、と思って引き返そうとしたら、楽になったりして。

零戦撃墜王の、坂井三郎がガダルカナル防衛のために出撃して、負傷して帰投するときに、意識が薄れてきて、もう基地まで持ちそうに無い、引き返して敵艦に体当たりして死のう、と引き返そうとすると、途端に目がさえてきて、結局帰投できた、目が覚めたのは死を目の当たりにして本能が働いたのだ、みたいなことを著書に書いてるんですが、

そんなことを思い出しながら、長い坂道を登ったところにその本屋はありました。セーフ。



The Lost Peace: Leadership in a Time of Horror and Hope, 1945-1953
クリエーター情報なし
Harper



さて、その講演なんですが、レクチャーの冒頭で、本書のテーマについて。何で、こんなに立派なリーダーがそろって、ひどい判断をして、平和をもたらすことができないのか。第一次大戦でひどい目にあって、第二次大戦、そのあと冷戦・・・。

著者は、ジョージ・ケナンをとても買っていて、本書のヒーローだ、とかなんとか。当時から、この体制ではいずれもたない、とソ連崩壊につながることを予想して、封じ込め、冷戦体制を敷いたんだとかなんとかで。

質疑応答もあって、2時間ほどの講演会だったんですが、私の英語力と乏しい歴史の知識では細かな議論にはついていけませんでした。残念。



本書の書評です。

クリスチャンサイエンスモニターに出てましたが、結構厳しい。

The Lost Peace

The “presidential historian,” that expert on the American presidency who is ubiquitous on television screens and newspaper pages during elections, is a very recent phenomenon. But it seems to be implanted in the culture now, becoming a respected side gig for those writing popular American history. Of these presidential historians – a group that would also include Doris Kearns Goodwin, David McCullough, and Michael Beschloss – Robert Dallek probably is the best.


大統領史の専門家。選挙中には、テレビや新聞でどこでもでてるのは最近の現象。ただ、いまや文化の中に埋め込まれてしまって、一般向けの米国史を書くものにとっては、評判の良い一時仕事になりつつある。

そんな大統領史の歴史家の中で、デレクは多分、ベストだ。

と絶賛の末、

All of which makes The Lost Peace so disappointing. The book is not bad per se – it’s just unoriginal and unnecessary.

本書にはホトホトがっかりさせられる。悪くは無いが、独自性や必要性に欠けている。

とボロカス。

前著に本書の発想は既に書かれていることや、他の歴史家の業績を考慮していない点なんかをその理由にあげてるみたいですね。

パラパラめくって読んでみると、南京大虐殺で30万人とそのまま書いてあって、この数字ホンマかな、と私は右翼じゃ無いんですが、ちょいと気になりました。

あたしゃ本書をその場で買って、サインまでもらってきたんですがね。定価で。

ユニオン駅の本屋で、2割引きしてて・・・。クソ。

まあ、売れ行きが悪くて割り引いてるんじゃ無くて、新刊なんで割り引いてるみたいですな。米国では。サラペイリンのメモワールは、もう割り引いてませんでした。日本じゃ本は割引にならないんで、この辺の感覚はよくわかりませんね。


さて、本書の中身は別として、講演会の雰囲気ですが、

結構シニアが参加してて、若い人はあまり居ない。一人いっぱい本書を抱えてサインをもらうので並んでましたが、あとは中年以上。若いのはカレッジの学生さん。

とってもいい感じです。質問にたったおっさんは、自分も歴史家だ、とハナシてました。思想、歴史関係はヒマな若者、若い人たちにハナシを聞いてもらって、じゃないんですな。

『今、危機にある大統領を助けるには、我々はどうしたらよいのでしょうか』

と、その辺のオバハンがマイクの前に立って質問した時には、心底ビックリ。パブリックへの貢献に関連しているとさっき書いたのは、この質問があったからハタと感じたんですね。あんましビックリしたんで答えを聞き漏らしてしまった。

著者は、

『メディアのあり方はルーズベルトの時代とは大きく違っている。ルーズベルトはラジオを使い、ケネディはテレビ。オバマ大統領はとっても苦労してて、あの知的に優れたオバマ(such a intelligent man)でさえ・・・』

とか、

『サラ・ペイリンというもう一人メディアの扱いに優れたのも居ますがね』

と言ってて、その瞬間、『ウィッチ』、と合いの手を入れた客が居て、笑いが起きてました。

こういう場所では、きちんとオバマ氏は評価されてて、ペイリンはチョットあんた、みたいな感じで受け取られているんですな。メインストリームメディア報道の感じとズレが無い。

そっから大統領がどんな人か、みたいな方にハナシが流れて行って、大統領と食事をした時のハナシをされてました。

10人歴史家が呼ばれて食事をしたんですな。メディアのハナシになって、そんなに面倒ならキャンプデービッドに行って・・・・、と話したら、横からミシェル夫人が、だめだめ主人は都会じゃないと・・・、(正確じゃないかも知れません)。

とまあ、大統領と食事もする重要人物ってことで。

その時の、ハナシを著者はTimesにも書いておられます。9人の歴史家になってますがね。


March 23, 2010
Obama has done what LBJ and FDR couldn’t


今年3月の記事で、オバマケアが政治的なプラスになる、と読んでたようですな。

大はずれやんけ。

長い目で見れば、と書いてるんで、結論はまだ先かな。

さて、2年後はどうなるか。


ブッシュのメモワール

2010-11-07 21:10:26 | 政治
ワシントンでは、ブッシュが来週出すメモワールの件を仕切りにテレビでやってます。まあ、テレビといっても、なぜか、3大ネットワークがみれなくて、FOXとCNNを見た限りなんですが。

こっちに居ても、ニュースはネットの方が手っ取り早いんで、ちょいと検索してみると、




イラクに大量破壊兵器が見つからなかったことや、カトリーナの時の対応がまずかったことを随分気にしているようで。副大統領のチェイニーを交代させることも、一時は具体的に考えていたんですね。

評価は何十年も後に、歴史家が決めるということで、いまだに評判がとってもよくないことも気にしているんですな。

保守系のネット動画でですが、クソミソです。



読む意味があるのか、みたいな感じですな。大体、ブッシュは字が読めないんじゃ無いのか、みたいな。

そうは言っても、

最近訳が出た、ポールソンのメモワールでは、意外にポールソンがブッシュに高い敬意を払っていることがわかります。自分が仕えた大統領をアホだと書いてしまうと、自分の仕事も貶めることになるんで、そうできないのだとしても、それだけじゃないでしょう。

ポールソン回顧録
ヘンリー ポールソン
日本経済新聞出版社






仕える者達からみて、とっても気持ちの良いオヤジだった感じが本書でもよくでてるんですな。

ホワイトハウス・フェロー―世界最高峰のリーダーシップ養成プログラムで学んだこと
チャールズ・P・ガルシア
ダイヤモンド社


そうですね、世評的には、日本の森元首相、って感じですかね。人柄とか親分としての評判のよさと、能力的にどうよ、とかいう批判を受けてる感じが似てますな。

映画はボロボロにブッシュを描いてますが、これが一番本質をついていたりして。




ニューヨークタイムズでは、

Now Appearing: George W. Bush

So will Mr. Bush’s reputation improve with time? Many presidents are viewed more generously in later eras, like Harry S. Truman, Dwight D. Eisenhower, Ronald Reagan and Bill Clinton. Even Lyndon B. Johnson and Richard M. Nixon have experienced moments of reassessment, their failures in Vietnam and Watergate tempered by appreciation for the opening to China or the Great Society.

ブッシュ氏の評判は時間とともに改善するのか。多くの大統領は後の時代になって評価はより寛大になっている、トルーマンしかり、アイゼンハワーしかり、レーガン、クリントンもそうだ。ベトナムやウォーターゲイトのジョンソンやニクソンでさえ、豊かな社会や、中国との国交回復で再評価の時を迎えている。

A Gallup poll in July found that 45 percent of Americans viewed Mr. Bush favorably, still lower than either Mr. Obama or Mr. Clinton but better than the 34 percent who approved of him when he left office in January 2009. At the same time, when voters were asked in exit polls last Tuesday who was most to blame for current economic woes, they mentioned Mr. Bush along with Wall Street and Mr. Obama.

ギャロップの調査では、45%の米国民が、ブッシュを好ましいとしている。オバマやクリントンより低いが退任したときの支持率34%よりは高い。一方で、中間選挙の時の出口調査で、誰が今の経済難の責任があるかと聞かれたとき、ウォールストリートやオバマに加えて、ブッシュの名前があがった。

Reagan and Gerald R. Ford, noting that both were remembered more warmly by the time they died, and expresses hope that he will be too.

レーガンも、フォードも、死んでからより暖かく記憶された。ブッシュもそう望んでいると述べた。

Maybe he will, or maybe that is wishful thinking. In any case, one memoir and a few television interviews by themselves will not be enough to determine the eventual outcome.

そうなるかも知れないし、それはタダの希望的観測に過ぎないかも知れない。とにかく、一つのメモワールといくつかのインタビューだけでは、最後にどうなるかはわからない。


ブッシュは、今の政治にはできるだけかかわらないようにしているようで、本書も、中間選挙が終わるまで待って出したってことなんでしょうな。

ブッシュネタでは、お約束の動画を貼っときます。胡錦濤ももうじき引退するんで、この傑作動画も歴史に埋もれてしまうのか。

ちょっとスピードが遅くなってて、シャープさがなくなってるバージョンですが、わかりやすい。英語字幕もついてます。



私も、都に行く

2010-11-06 20:27:51 | 生活

スミス氏ならぬ、私も休暇で都に行くことにしたわけですが、

今、ワシントンDCのホテルからです。東京では午後8時半、こちらは同日の朝7時半で、半日遅れるんですね。

安ホテルを取ったんですが、キャピトルヒルから結構近くて、ネットもこうして使えて、建物は古くて汚いけど部屋は清潔できれい、とまあ満足レベル。ハブラシが無いのと、冷蔵庫が無いのがいまひとつですがね。と思って、フロントに頼んだらハブラシはもらえました。歯磨き粉が無いんで結局近くのセブンイレブンで買うことになりましたが。

ANAの直行便に乗ったのですが、ほぼ満席。日系エアラインでも半分以上は、外人客って感じで、隣の席は左がインド人、右は日本人女性。真ん中の席しか取れなくて、飛行時間13時間は結構つらかったです。映画を3本観ても時間が余る。途中真っ暗にされるんで、読書もしずらい。つ、つらい。

ANAはエコノミースペシャル割引の、私のようなゴミ客にも席には映像サービスが付いてまして、これはグーです。去年、ロンドンにアシアナを使ったときも付いてたんだっけかな?

ちなみにワシントン往復で全部コミで10万円でした。安い。文句言えません。

意外と日本人が少ない。アジア系でも日本人じゃなさそうな皆さんが結構乗ってます。

職場でも休暇でワシントンに行くというと、『ナニしに行くの』みたいな反応でしたが、確かに私自身が、最近米国の政治ニュースをよく読むようになってワシントンが身近になりましたが、そうじゃなかったら興味なかったですな。

テロ対策で入国審査が厳しくなっているのかと心配してましたが、ダレスでの手続きはきわめてスムーズ。担当者から聞かれたのは、何日滞在か、ホテルの場所、住所はわからなかったが担当者がネットで調べてくれてました。あと聞かれたのは、現金の持込金額程度ですかね。

米国には観光で短期入国するにもESTAとかいう届けをネットで出す必要があるんですが、その番号を聞かれるでもなく、多分、データ管理されてて、パスポートチェックするときに同時に完了してるんでような。

指の指紋と顔写真を撮られます。最初、虹彩記録をとるのかと思い、カメラに瞳を近づけてしまい、コメディのアホ外国人状態に。入国早々早速はずしてしまいました。


飛行機からはモビルラウンジとかいう変わったバスみたいなものに乗ってターミナルに行くんですが、いちいち飛行機からタラップで地上に出ずにすむんで結構感動。羽田も使ったらどうでしょうかね。高さが調整できるようになってて、走るときは姿勢を低くします。写真をはっときました。

ただ、時間がかかるのはバス同じで、評判は今一で、エアロトレインとかいう地下鉄みたいなのが一部のターミナルでは使われ始めているようですがね。

ダレス空港からDCはフライヤーバス10ドルと地下鉄を使いましたが、メトロバスを使うともっと安くなるようで。じゃあ、帰りをそれでダレスまで行くかというと、時間が今一信頼できなさそうなんで、ヤッパ遠慮。

ワシントンDC市内=(Dulles)ダレス国際空港の安あがり移動

Metrobus 5A


ホテルは予約するだけ予約しただけで、地下鉄のどこで降りるとか確認するのを忘れてて、大体のところで降りてみたら、道に迷ってしまい、

歩き回ってくたびれたあげく、テキトーにデリでサンドイッチを食べて休憩。

そのお店なんですが、ナント、NASAの建物の一階。周りで食べてるのは、職員か。

まあ、しょうも無いハナシですが、これがナサか、やっぱワシントンですわ、とまた感動。おノボリさんでんな。

別に、スペースシャトルがここで打ち上げられるわけじゃないんで、タダの役所ですがね。お土産屋があるみたいなんで、もう一回行ってみるかな。

飛行機はお昼前につくんで、同日の午後は使えるってことになってますが、つかれきってて、ホテルで熟睡してしまい、

かくして、時差ぼけは続く・・・。








中間選挙 民主党のポロ負け

2010-11-04 06:56:29 | 政治

いや、予想どおりと言いますか、

上院は、民主党が維持して、下院は共和党の地滑り勝利ってとこでしょうか。
知事選も民主党のポロ負けです。

CBSのサイトが分かりやすいですな。

選挙戦結果

ちょいヤバ候補が出ていたサウスカロライナですが、グリーン氏は負けてます。
面白いんで、メディアが追いかけてますが、



相変わらずマトモにハナシができない感じなんですが、ただ、着ているものはマシになってる感じですね。会場らしき場所に、誰も居ない。組織の支持もなく、候補者の評判もヒドイとこんな感じになるんか、ということが良くわかりますな。

サウスカロライナもヤバい

選挙結果を見てみると、確かにダブルスコア以上で、大差の敗北なんですが、

South Carolina

ただ、共和党が79万票とって、彼は36万票なんで。36万人は少なくとも彼に入れてるんですね。そっちにびっくりって感じですが、候補がどうあれ共和党が嫌いで、民主党って人や面白半分でヤッパ入れちゃったって人も結構いるってことなんですかね。


カリフォルニアでは、共和党から出ていたフィオリーナが僅差で負けてます。かなり追い上げてたみたいですが、相手が強すぎた感じですかね。カリフォルニアも下院は50何人の各選挙区はポロ負けで、真っ赤っかにみたいになってますが、上院はなんとか制したってトコでしょうか。




カリフォルニア 選挙ディベート

フィオリーナ カリフォルニア予備選で勝利

『デフレの正体』 その3 米国の先行者その2

2010-11-03 10:45:01 | 食品

中間選挙の結果が判明しようとしてますな。
やっぱ共和党が勝ってきてますなあ。

そんな中ですんませんが、

もう少しだけ、デフレの正体について。

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)


前回、米国で、全く同じ主張をしている先行者がいるってハナシをしてまして、その近著っても08年なんでそんなに最近じゃありませんが、その著書についてご紹介してたんでした。


The Great Depression Ahead: How to Prosper in the Debt Crisis of 2010 - 2012
クリエーター情報なし
Free Press




我慢できなくなって、本屋に行っても置いてない。アマゾンだと時間がかかるし、ワシントンに行って買えば良いかって思ってたらですな、ナント、


最悪期まであと2年! 次なる大恐慌―人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ
ハリー・S・デント・ジュニア
ダイヤモンド社




翻訳が、もう、ちゃんと出てるじゃん。アレーッ。ああ、やばいやばい、原書を買ってしまうところだった。

いや、待てよ。この装丁、どっかで見たことあるやん。

ゲーッ。

持ってる。

実は読みかけたまま部屋の床に積んだままになっておりました。

いや、びっくりしましたね。この訳本、どんだけ売れたのか分かりませんが、買った時には本屋の棚に平積みになってたんで、ソコソコ程度には売れてるんでしょうがね。そんなに話題になったかな。

どうして途中で読むのをやめて積ん読になってしまったのかと言えば、本書が、過去の予想の的中を誇るのと同時に、タイミングは合ったがレベルを外した、つまりSP500がいくらまで上がっていくら下がるみたいなところは当たらなかったので、その反省として、

人口趨勢以外に、テロリストサイクルや、テクノロジーサイクルがどうのこうのと、モデルを複雑にしてより正確に、みたいなことがイロイロと冒頭に出てくる。

そもそも、複雑な事象が、実は単純な原則が支配していた、という感じじゃなくなってて、新しいモデルでは、いつから何が、どうなるみたいな細かい予想やで、なんか入口からめんどくさい。で、途中でやめてしまったんですな。

しかし、これはきちんと読まねば。


まあ、何がどこまで上がるとか下がるとか、予想することが本当にできるかどうかは個人的には疑問ですけどね。こないだ亡くなったマンデルブロが、半生をかけて解明し続けて、ウーン、市場はフラクタルだ、みたいになってるわけで、



禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン
ベノワ・B・マンデルブロ,リチャード・L・ハドソン
東洋経済新報社


そんな、なんとかサイクルだけで水準まで、説明できまっかいな、って感じがするわけですね。
人口推移でトレンドが変わるとか、緩急がどうなる、くらいまでなら、良いんですがね。


昔、アーサーケストラーの科学論が好きで、良く読んでたんですが、

ヨハネスケプラーが、『惑星軌道は、楕円だ』と説明して一気に天体の動きがシンプルに説明できるようになった。それまでは、『軌道は真円を描く』、それ以外にはありえない、みたいな前提があって、いろんな円周をあれこれ補助としてつかいながら、複雑なメカニズムで動きを説明されてて、ケプラーは、んなアホナ、とスパッと説明してしまった。

その後、ニュートンが、引力概念をもってきて、一般化して・・・みたいな流れだったと思うんですが、

ヨハネス・ケプラー―近代宇宙観の夜明け (ちくま学芸文庫)
アーサー ケストラー
筑摩書房


まあ、デント氏は予想をメシのタネにしてるんで、具体的に顧客に水準を示す必要があるんですな。モデルの複雑化は、恣意性が入ってきて、どうにでもなるって感じで、ゴチャゴチャした原理、ルールは長続きできないんじゃないかと思うんですがね。むしろ、シンプル原理にこだわって、人口と市場との関係を掘り下げていってもらう方が投資家以外の一般人には興味のあるところですが、

しかし、読まずにはおけないんで、我慢して読みますか。