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サンディワイル回顧録 シティグループ

2008-01-07 02:07:22 | 英語情報
今日は気になってしょうがなかった本の紹介です。

サンディワイル回顧録

サンディワルイ、と読んでしまいたいくらい印象の悪い人だったんですな。なぜか。シティのリード会長と言うのが、チョーがつくほど好きだったんですが、ワイルがシティを買収した後、追い出したとされているからです。

リードさんがなぜ好きか。この本を読んだからです

これ科学論の本でして、複雑系科学の進展をジャーナリスティックに追いかけているのですが、なんと、リード会長が出てくるんですね。これは面白い、重要だと認識してポケットマネーを研究資金としてポンと出すシーンが紹介されています。
第一線の経営者ですよ。科学者でさえ躊躇するような研究分野に、これは自分の経営上の問題解決にも役立ちそうだと直感したんですな。この洞察力,決断力。いやちょっと普通じゃない感じなんですね。

この本を読んで、ワイルに対する印象、これ、好転しませんでした。普通そうか、そういうことか、と多少はシンパシーを感じるもんですが、なんじゃこら。いや、手腕は認めるし、大した人には違いありません。が、あまりにも・・・。

他人のアラが目についてしょうがないんでしょうな。リードとの話も下巻で詳細に書かれていますが、リード会長も,その部下も完全バカ扱い。やる気なし、優柔不断、金融市場のことを理解していない、インターネット事業に無駄金を使う・・・。やる気ないのはお前のせいやろ、と読者100人いれば100人とも思うんじゃないですかね。

リードがこれまでどういう決断をして、シティを助け、育ててきたか、などには全く関心が無いのか、意図的に無視しているのか。ワイルは買収を重ねていくわけですが、相手方とは最後は仲たがい。育てた若手とも袂を分かちます。本書ではいろいろと説明してくれるんですが、そうかも知れないけど・・・、そんなにひどいか? って感じなんですな。現にくびにしたジェイミー氏はその後大活躍してますな。

あくの強い、エグーいオーナー。そんな感じ丸出しです。

ただ、単純で、原則や基本に忠実で、直感に優れていることが本書を読むと良くわかります。苦しくなっても大丈夫な位に強い財務基盤であることを心がけたこと、相場が荒れてバーゲンセールになったときに企業買収に動くこと(そろそろ動き時期だ)、オペレーションを重視し自分で現場に顔を出して理解したこと、自分の理解できない事業は反対されても止めさせたこと、儲かる事業でもリスクをとり過ぎないこと、あくまで株主のために働くこと。

まあ以上は印象論なんですが、本書はもう少し重要な点を含んでいるような気がしますので、続きを今度。


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