会計スキル・USCPA

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ケータイを巡る冒険  ロンドンエコノミスト

2008-06-05 02:58:21 | ロンドンエコノミスト
ケータイはここでは最優先テーマの一つになっているわけですが、ナンデか。グローバルビジネス最前線って感じだからなんですな。ナンセ、昨年の出荷台数が10億台突破、今年は11億台とか予測されているわけでして。

オイオイ,世界の人口は何人なんだよ、と言いたくなるわけで。

それと、実は世界は歴史的な転換点を迎えつつある、カモ。途上国を含めた世界が一つになる、とか、世界の同時化が進む、とか。もう少し実際的には,本当に貧困問題が改善していったりムチャな紛争が減ったり。劇的にヨロシクなるというよりは、方法論が整い、基盤が整備されて行きつつある、と言った感じですかね。『テロリストとの戦争』,だけで次の10年やるわけにもいかず、次の米政権はナンカ別のテーマを掲げるんでしょう。クリントンはグラミン銀を支援していたくらいでしてね。

ケータイは通信ツールでありまして、その裾野の拡大は,印刷技術がとかインターネットが世界に与えた影響、という時にとられるような大きな視点で見といた方が良いんじゃないか、ってことなんですがね。

Halfway there

ロンドンエコノミスト誌の最新レポートです。

SOMETIME in the next few months, the number of mobile phones in use will exceed 3.3 billion, or half the world's population. No technology has ever spread faster around the globe: the mobile phone took less than two decades to reach this degree of penetration.

後、数ヶ月で世界で使われるケータイの数が33億台に到達し、世界人口の半分を超える。ケータイ技術が生まれて20年、こんなに早く広まったテクノロジーは無い。

で、業界は残り半分にもアプローチして行くわけですが、まず値段を安くする方向がある。

So the industry has been doing its best to cut prices, with Motorola, an ailing American equipment-maker, taking the lead. Its cheapest phones now cost less than $30. John White of Portio believes that prices for simple, voice-only handsets could fall to $10 in five years.

この分野ではモトローラがリードしていて、一番安いので30ドル。5年内に音声のみで10ドルにできると考えている。

モトちゃん。今業績はボロボロな感じですが、こういうところで出てくるとホットしますな。今は調子が悪いんですが、モトローラはケータイの先駆者であって、かつてはサムスンがケータイで中国進出する際にお手本にしたくらいなんですな。

記事では、
①値段を安くすることに加えて、以下の取り組みが紹介されてます。

②その他のサービス、たとえば
グラミンフォンのテレフォンレディーや、
中国では農業情報サービスを
フィリピンでは安いデータサービス料を提示している
例が上がっています。

③安いインフラ
端末を安くすることだけでなく、通信インフラ、基地局システムも途上国向けに安くできる技術が開発されている。

④新しいビジネスモデル。これは重要なんで引用しときましす。

There are also new business models, such as having a local entrepreneur run a base-station and provide services, including billing and handset maintenance. This is the idea behind “Village Connection”, a project launched by Nokia Siemens Networks, an equipment-maker. Ericsson, a rival company, meanwhile, has teamed up with Idea Cellular, an Indian operator, to use biofuel to power base-stations.

現地の起業家に基地局とサービス提供を任せる。端末のメンテや料金請求も任せてしまう。これはノキアジーメンスネットワークがやってるビレジコネクションプロジェクトのアイディアだとか。エリクソンはインディアセルラーと組んで基地局にバイオ燃料を使うんだそうです。これネクストマーケットに出てくる事例と同じようなハナシです。

⑤重税への対策

清算システムをもっていて取りやすさもあって,特にサハラ以南では高い税負担を強いられている。税を減らせば取引も増え、最終的には税も増えるのに・・・。

これってサプライサイドエコノミクス??

(Studies have found that in a typical developing country, an increase in mobile penetration of 10% boosts GDP growth by around one percentage point.)

ケータイ普及率が10%上がればGDPが1%伸びるという研究もあるそうですが・・・。

Whether or not finance ministers are not convinced by such calculations, Some have offered to guarantee tax revenues if mobile-specific levies are scrapped.

オペレーターによっては、税の納入額を保証して個別に税を徴収されるやり方をやめてもらうという提案もしている。

Even without this sort of measure, Portio predicts that global mobile penetration will reach 75% by 2011.

税負担軽減策が無くとも、11年にはケータイ普及率は75%に達するんじゃないかってことですね。

A device that was a yuppie toy not so long ago has now become a potent force for economic development in the world's poorest countries. But more can be done to exploit it. Most governments say they are in favour of economic growth and broader access to communications. By cutting back on mobile-specific taxes and tariffs, they can help to promote both of those things.

ヤッピーのおもちゃだったケータイもいまや経済開発の有効な力になっている。税を減らせばもっと進めることができるんたけどなーってとこですかな。

よくできた記事でんな。

これも貧困論や開発経済の議論をしっかり踏まえています。