会計スキル・USCPA

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レーガン 中公新書

2012-01-17 00:53:23 | 政治

レーガンは今でもスゴイ人気で,その人気にあやかろうとしてか,

共和党のギングリッチが,自分のことをレーガン・コンサバティブと呼んだりするわけですな。

CBS This Morning - Newt Gingrich blasts Romney with personal attacks


そして,対抗馬,と言っても,圧倒されてますがミットロムニーのことをマサチューセッツ・モデレートと呼んで,あんなヤツ保守じゃない,とけなしてます。まあ,単にレーガン人気にあやかろう,というわけでもなくて,ギンクリッチ自身,当時の保守再生に尽くした人でもあるようなんで,そう主張する権利は十分ある,といえるかもですが。

不人気だったカーターの後をついで,超人気大統領になったレーガンですが,最近になって中公新書で,レーガンの評伝が出てたんで買って読んでみました。

レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社


かなり面白い。

冷戦を解決し,経済を立て直し,アメリカに繁栄と自身を取り戻したスーバー大統領,みたいな言い方をされることが多いようですが本書を読むと,結構当時はギリギリだったことがよくわかるんですな。

ソ連を悪の帝国と呼んだり,スターウォーズ構想なんかも,ちょいとフツーじゃない感じです。

ただ,人格がすばらしく,その魅力に,米国民が惚れ込んで、失策は厳しく問われず,運や時も見方して,最後はうまくいっちゃった,って感じです。


ドラマのホワイトハウスで,大統領が狙撃されて病院に運ばれる最中に,命が危ないのに余裕で軽口をたたくシーンがあるんですが,これは,レーガンが撃たれたときのエピソードからとってきてるに違いないですね。レーガンも撃たれた時,SPにリムジンに押し込まれて,君は僕の肋骨を折ったぞ,と言ったらしいし,手術室の医療スタッフに向かって,皆さんが民主党員でないことを祈ります,と冗談を言ったそうで。

レーガンが民主党のモンデールと二期目を争っていたときに,勝利を決定的にしたスピーチが本書に紹介されてまして,これですな,

Reagan-Mondale debate: the age issue


あなたは最高齢大統領ですが職務に耐えられるのですか,と聞かれて,

私は年齢を,対立候補の若さや経験不足を争点にするつもりはありません。

う,うまい。

とにかくスピーチのうまい大統領で,八十六年のスペースシャトルチャレンジャー事故の時のテレビ演説も語り草になっているようですな。

Challenger: President Reagan's Challenger Disaster Speech - 1/28/86


これからも我々のたびは続くのです。

このスピーチを書いた,ペギー・ヌヌンは,今でもテレビに出まくってて,こないだも引用したこの動画,

George Will on Ron Paul independent run


(ロンボールが第三党で出るようなことになったら),

オバマに勝たせるだけね

と,最後に言い放つおばはんがそれです。去年はレーガン生誕百周年でもあったんで,その関連でもよく見かけましたね。まだおばあちゃんじゃなくて,結構若いことに驚くんですな。スピーチを書いていた当時はいくつだったんでしょうかね。

ベトナム,ケネディ暗殺,インフレ,不況,ウォーターゲート,イラン大使館人質事件,と,落日のアメリカ,から,ダイナミックで,シンプルで,強くて,明るい,超大国アメリカイメージに切り替えた大統領って印象で,何かとレーガンについては取りざたされるんで,本書でレーガン時代を押さえておくのは良いかもですな。