会計スキル・USCPA

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ザ・ワールド・イン2012 ロンドンエコノミスト

2012-01-06 07:29:03 | ロンドンエコノミスト

The World In 2012

毎年,エコノミスト誌が出している,予測本。

世界の政治,経済を概観していて,簡潔でポイントを押さえていて,かなりお勧めなんですが,

本屋に行くと,2500円もする。

二年前ロンドンの雑貨屋のレジで見つけたときは,6ボンドだったんで,こら高すぎる。1000円程度のものを,送料やら,為替やら考えても,それはないだろうって感じで,なんとかならないものか,

と,調べていると,

ナント,日本語版が出ているではないか。


ワールド・イン・2012 (講談社 Mook)
クリエーター情報なし
講談社


いや,気が付きませんでした。
早速本屋に直行して,購入。

冒頭,編集長が,

『日本語版の編集にあたっては,英語版が持つ雰囲気を可能な限り読者の皆様にお伝えできるよう編集は最小限にとどめた上で,原文に忠実に翻訳しています・・・,紙面デザインも英語版にならいました』

とお書きになっている。

すっばらしい。

おっしゃるとおり。

余計な編集いりません。日本の独自記事も不要。
昔,別の出版社から出ていた頃も買って読んでましたが,日本人評論家の記事の部分だけレベルが全く違ってて,違和感だけが残るような状態になってたんで,無い方が良い。

日本人評論家の記事は,たとえば,小泉政権は崩壊する,だの,多分政党の実力者に聞いて回ったネタを元に決め付けて書いてたりして,分析も根拠も全く不十分だったりする。その予想も見事外れた。

一方で,本家のエコノミストの記事で,論理だてのはっきりしない記事は,存在しないし,ソースもきちんと書いている。どんな問題についても読んですんなり納得できる,という驚異的な水準で記事が書かれている。

経済記事も日本独自記事は,データの解説だけだったり,一部分を細かく解説しているだけで,何が言いたいのかわからない,という印象が残って,読んでて面白くない。

まあ,一緒になっていると,日本の雑誌記事のレベルがどんなもんかよく分かって面白い,という面はあるものの,無くて良いですな。

本書は1300円。妥当な設定だし,是非お勧めです。水準は高くとも,別に難しく書いているわけじゃない。その辺の予測本を買うんなら,本書を読んだ方が良いんじゃないかと。その辺の予測本は,ネタ集であって,バラバラになってて読んでてもいまひとつ・・・。


本書の冒頭に,米国大統領選挙を予測する記事があって,共和党はロムニーとリックペリーの戦いになる,と書いてあるんですが,これは,外れ。共和党のアップダウンには,さすがのエコノミストも予想がつかないようで。

主な国家指導者の交代のリストに,なぜか韓国の大統領選挙について触れてませんな。台湾はあるのになぜかな。台湾ほど世界に対する影響が少ないとみているからですかね。

とあれこれ,楽しく読ませてもらってます。