ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

リチャード三世(パルコ・プロデュース)

2009-02-03 23:35:14 | 芝居
 1月28日いのうえひでのり演出の「リチャード三世」を見た。赤坂ACTシアターは、昔レイフ・ファインズが「リチャード二世」と「コリオレイナス」をやった所だが、建物はすっかり新しくなった。
 ステージ上にいくつもディスプレイがあり、題名役古田新太は小型マイクを口に当てて独白を語り、そのセリフはディスプレイに横に流れる。
 衣装(前田文子)はぶっ飛んでいるが、ヘイスティングスの黄色い縦じまズボンなど識別し易くて便利だ。
 エレベーター(!)で舞台に出入りする役者たち。
 マーガレット役の銀粉蝶はものすごい存在感。場をさらうとはこういうことか。
 エリザベス役の三田和代は声がいい。clearで、さすがだ。
 王崩御の「速報ニュース」、「街頭インタビュー」、バラエティ番組に出演(!)して世論を操作しようとするバッキンガムの映像、誰かのセリフに人名が出てくると、モニターに写真が現れ、時には系図まで出てくる。とにかく親切なこと、まるでNHKの大河ドラマだ。しかし、もともとややこしい話なのだから大いに助かる。
 エドワード王役の久保酎吉もなかなかいい。
 王妃役の久世星佳も、非常にclearな造形で、うまい。
 アン役の安田成美は平板。
 携帯を使ったり、演説するリチャードらをテレビカメラで撮影し、「ライブ映像」を流したり、しまいにはリッチモンドの演説に「Change,Yes,I can!」と字幕を流したり・・・これは今しかできない技だ。一年前にはできなかったろうし、半年後でもちょっと気が抜けているかも知れない。こんな生き生きした言葉が使えて、この演出家は実にlucky?
 一言で言えば、非常に分かり易くてmodernな作品だった。
 いのうえひでのりという演出家の作品は初めて見たが、原作をよく読み込んで消化し、食べ易く客に提供してくれて、好感が持てた。これからもどんどんシェイクスピア作品を料理してほしい。







 

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