ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

映画「おくりびと」

2011-01-13 14:49:14 | 映画
先日TV で、映画「おくりびと」を観た(監督:滝田洋二郎)。(ネタバレあり!これから見るかもという方は読まないで下さい)

チェロ奏者の大悟(本木雅弘)は、属していたオケが解散し失職。妻と共に故郷に戻り、求人広告を手に「NKエージェント」という会社を訪れるが、・・。

とりあえずつっこみたい所あり。
主人公はプロのチェリストだが、彼がローンを組んで買ったチェロの値段が1800万円というのは高過ぎるのでは?彼は自分のチェロの腕前がそれほどでもないことをよく自覚しており、属している小さなプロオケはいつも客の入りが悪く、当時から財政的に厳しくその運営は風前のともしびだったのだから、そんな無謀な買い物をするのはおかしい。せいぜい500万か600万という所では?故郷に帰って納棺師になるための動機づけとして「莫大な借金」を強調したかったのは分かるけど。

タコを釣ったから、と人から生きたタコをもらったり、鳥鍋だからとトサカのついた鶏の頭を皿に盛って食卓に出すようなことが、日本では日常的な風景なのだろうか。何か外国人の誤解を招くのでは?

気持ち悪くなって吐いている時に妻にやさしく介抱してもらったからってソノ気になるだろうか。何だか不自然で、見ているこっちが気持ち悪くなった。

納棺師が主人公だから当然のことだが、葬儀のシーンの連続で、嘆き悲しむ遺族の姿をカメラがとらえ続け、観客はそれをずっと見なければならない。見てはいけないものを見ているようないやな気分になる。普通そんなところにカメラは決して入らないのだから。

しかし、これらの疑問にもかかわらず、最後は感動を覚えた。
この人が納棺師になったのは、顔も覚えていない、憎しみの対象だった父との再会と和解のためだった、と言えるだろう。人生には、いつかは決着をつけなければならない宿題があるのかも知れない。そこに向かって人は我知らず導かれてゆく・・・。
脚本も描き方も薄っぺらだけど、たまにこういうことがあるものです。



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