3月1日神奈川県立音楽堂にてヴィヴァルディ作曲のオペラ「メッセニアの神託」をみた(音楽監督:F.ビオンディ、演出:弥勒忠史、
演奏:エウローパ・ガランテ)。
F.ビオンディによるウィーン版(1742年)の再構成版。日本初演。全3幕。
父王を反逆者ポリフォンテに謀殺され、隣国へ身を隠していた王子エピーティデが、クレオンの名で密かにメッセニアへ帰還。おりしも
ヘラクレス神殿では一つの神託が読み上げられる。「メッセニアは二匹の怪物から解放されるであろう。勇敢な行為と怒りによって。
そして勝者は王家の血を引く囚われ人と結婚するであろう」。怪イノシシ退治で名を挙げたクレオンは恋人エルミーラと再会するが、一方
ポリフォンテの謀略で、母メローペはクレオンの処刑を命じてしまう…。しかし土壇場でどんでん返し。エピーティデは王権を奪還し、
母と花嫁と共に神託の成就を祝うのだった。
ストーリーは「ハムレット」を思わせる。父を殺された王子。殺人者は王子の母に求婚(ただし母は10年間拒み続ける)。
母と息子のクローゼット・シーンのような場もある。
それぞれの役に素晴らしいアリアが用意されていて堪能できた。しかも今回の歌手陣の水準の高さは驚くべきものだった。
歌手の半分(主に男性)は日本の伝統的な狩衣などの衣装。扇を手に舞うような所作もあちこちに見られる。
オペラだから、ストーリーにツッコミどころは多々ある。
一番不思議なのは、母が実の息子を見分けられない点。しかも彼女は彼を、息子を殺した犯人だと思い込み、処刑しようとする!
息子もさすがに愛想が尽きたか、ラストでようやく誤解が解けて母が抱きつこうとすると、「そんなことをしている場合ではない」と
すげなく突っぱねるのがおかしい。
この作品はパスティッチョと言って、自分の過去の楽曲、あるいは別の作曲家の楽曲を組み合わせて一つのオペラに仕上げたものだそうだ。
楽譜が失われているので幻のオペラとされてきたのを、ビオンディが台本を元に復元した。演出付きとしては今回が「世界初」になる由。
ヴィヴァルディの名は有名だが、こんな楽しいオペラを作っていたとは知らなかった。
演奏:エウローパ・ガランテ)。
F.ビオンディによるウィーン版(1742年)の再構成版。日本初演。全3幕。
父王を反逆者ポリフォンテに謀殺され、隣国へ身を隠していた王子エピーティデが、クレオンの名で密かにメッセニアへ帰還。おりしも
ヘラクレス神殿では一つの神託が読み上げられる。「メッセニアは二匹の怪物から解放されるであろう。勇敢な行為と怒りによって。
そして勝者は王家の血を引く囚われ人と結婚するであろう」。怪イノシシ退治で名を挙げたクレオンは恋人エルミーラと再会するが、一方
ポリフォンテの謀略で、母メローペはクレオンの処刑を命じてしまう…。しかし土壇場でどんでん返し。エピーティデは王権を奪還し、
母と花嫁と共に神託の成就を祝うのだった。
ストーリーは「ハムレット」を思わせる。父を殺された王子。殺人者は王子の母に求婚(ただし母は10年間拒み続ける)。
母と息子のクローゼット・シーンのような場もある。
それぞれの役に素晴らしいアリアが用意されていて堪能できた。しかも今回の歌手陣の水準の高さは驚くべきものだった。
歌手の半分(主に男性)は日本の伝統的な狩衣などの衣装。扇を手に舞うような所作もあちこちに見られる。
オペラだから、ストーリーにツッコミどころは多々ある。
一番不思議なのは、母が実の息子を見分けられない点。しかも彼女は彼を、息子を殺した犯人だと思い込み、処刑しようとする!
息子もさすがに愛想が尽きたか、ラストでようやく誤解が解けて母が抱きつこうとすると、「そんなことをしている場合ではない」と
すげなく突っぱねるのがおかしい。
この作品はパスティッチョと言って、自分の過去の楽曲、あるいは別の作曲家の楽曲を組み合わせて一つのオペラに仕上げたものだそうだ。
楽譜が失われているので幻のオペラとされてきたのを、ビオンディが台本を元に復元した。演出付きとしては今回が「世界初」になる由。
ヴィヴァルディの名は有名だが、こんな楽しいオペラを作っていたとは知らなかった。