録画していた後編をやっと視聴終了。
オリエント急行の舞台裏を和風に演出すると、「忠臣蔵」に転じるのねwww
全体を通して、出演陣で良い意味で印象に残ったのは、高橋克実さんの鉄道省重役。
映画版のマーティン・バルサムと同様に、「定見のなさ」を上手く演じていた。
マーティン・バルサム好きだー。「サイコ」であっという間に殺されちゃうけれど
草笛光子さんの候爵夫人もさすが。ドラマの雰囲気が一気に
横溝正史モノに変わるかと危惧したが、そんなことはなく。
悪い意味で印象に残ったのは、八木亜希子さんの呉田その子。
「映画版とそっくり!」と評する向きもあるが、映画版のトレースにしか見えず。
女優としてのオリジナルを持たない人が、かのイングリッド・バーグマンが
演じた役に起用されたのだから無理もないし、同情の余地はあるが・・・
いずれにせよ、三谷版を見た後、無性に映画版と見比べたくなった人は多いのでは。
この映画について、ミステリー評論家の故・瀬戸川猛資さんは以下のように論じている
<以下、ネタバレを含むので一部反転
シドニー・ルメット監督は「十二人の怒れる男」の監督だが、
無作為に選ばれる12人の陪審員がすべて男という状況は、実はすごく不自然。
ルメット監督にとって、「オリエント急行」は「十二人の怒れる男女」ではなかったか。
・・・卓見と思った。同時に、陪審制が身近ではない日本人が、
これらの作品を真に理解するのは難しいのかなとも思った。
ちなみに、映画版でポアロを演じたアルバート・フィニーはルメット監督の遺作
「その土曜日、7時58分」にも出演し、後味の悪いラストにひと役買っている。
まさか、その息子を演じていたフィリップ・シーモア・ホフマンが先に逝くとはねえ・・・