ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

「オリエント急行」三谷版

2015年01月14日 | 日記・その他

録画していた後編をやっと視聴終了。

オリエント急行の舞台裏を和風に演出すると、「忠臣蔵」に転じるのねwww

全体を通して、出演陣で良い意味で印象に残ったのは、高橋克実さんの鉄道省重役。

映画版のマーティン・バルサムと同様に、「定見のなさ」を上手く演じていた。

マーティン・バルサム好きだー。「サイコ」であっという間に殺されちゃうけれど

草笛光子さんの候爵夫人もさすが。ドラマの雰囲気が一気に

横溝正史モノに変わるかと危惧したが、そんなことはなく。

悪い意味で印象に残ったのは、八木亜希子さんの呉田その子。

「映画版とそっくり!」と評する向きもあるが、映画版のトレースにしか見えず。

女優としてのオリジナルを持たない人が、かのイングリッド・バーグマン

演じた役に起用されたのだから無理もないし、同情の余地はあるが・・・

いずれにせよ、三谷版を見た後、無性に映画版と見比べたくなった人は多いのでは。

この映画について、ミステリー評論家の故・瀬戸川猛資さんは以下のように論じている

<以下、ネタバレを含むので一部反転

シドニー・ルメット監督は「十二人の怒れる男」の監督だが、

無作為に選ばれる12人の陪審員がすべて男という状況は、実はすごく不自然。

ルメット監督にとって、「オリエント急行」は「十二人の怒れる男女」ではなかったか。

・・・卓見と思った。同時に、陪審制が身近ではない日本人が、

これらの作品を真に理解するのは難しいのかなとも思った。

ちなみに、映画版でポアロを演じたアルバート・フィニーはルメット監督の遺作

「その土曜日、7時58分」にも出演し、後味の悪いラストにひと役買っている。

まさか、その息子を演じていたフィリップ・シーモア・ホフマンが先に逝くとはねえ・・・