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何か違う企画でうき特製のお菓子をお送りします♪



2ヵ月続けて中村芝翫襲名披露に行って来たなり~







国立劇場へ忠臣蔵の最終回を観に行くついでに、せっかくだから歌舞伎座の「京鹿子娘五人道成寺」を観たいと思ってたんですよ。
花子が5人ですよ、5人。(笑
↑玉三郎・勘九郎・七之助・梅枝・児太郎の5人でやるらしい。
2人までは観たことあるけど、5人の花子の娘道成寺なんて、そうそう観れるもんじゃない。
観たい、観たい。
幸い今月の歌舞伎座は3部制で3部の始まりは6時半。
忠臣蔵を観終わってから(5時前に終演)でも、充分間に合う。
って!あんた、忠臣蔵だけでも5時間もあるんだよ。
ハハハ。
行く気満々だったんだけど、まぁ、これがええ席のチケットが取れない。
粘って粘って、昨日、戻りの(ご贔屓筋が押さえてた席が戻って来るらしい)チケットが1枚だけ出て来たのよ~。
少々不満の残る席ではあるけど、あまり欲をかき過ぎるとロクなことがないからねぇ、手を打っておきました。
「歌舞伎座のチケット取れたの!ごめんねー。また贅沢してしもたわ」
「いいよいいよ、うっさんが楽しいならそれでいいさ」
「って、本当は全然悪いと思ってないんだけどね。一応謝っておくわ。(笑」
「ハハハ。じゃ、僕も一応『いいよ』と言っておくよ。(笑」
ふふふ、建前で生きてる仮面夫婦でございます。

とこんなことがあって、ふと思い出しました。
先月の歌舞伎座の記録を残してないじゃーん。
10月とは違う幕が用意されておりましたわ。
この幕、POPでいいよね。
この日の夜の演目は、「毛抜」「祝勢揃壽連獅子」「加賀鳶」の3つ。

私、歌舞伎十八番の「毛抜」を観たことがなかったの。
せっかくの十八番、しかも襲名披露なのに、主役は何故か染五郎さんだったのよ。
何でだろ。
まぁ、染五郎さん弾正は、軽やかでよかったんだけどね。
コレ、話自体もよく出来てるのよ。
最近、干ばつが続いてて、小野小町が詠んだ句の短冊で雨乞いをしようということになったのね。
以前、「ことわりや日の本になれば照りもせめ さりとてまた天が下かは」という歌を認めた短冊を用いて雨乞いをしたら、雨が降ったんだって。
名歌の徳によって雨が降った、と信じられてるらしいんだけど、んなわけないじゃん。
偶然偶然。(笑
が、小野家の家宝のその短冊が紛失してしまってたのよ。
で、誰が責任を取って切腹するとかせんとか大騒ぎ、
コレがまぁ、アホな話で、小野家の息子の春風(万太郎)が腰元を孕ませて、その腰元に預けてしまっていたのよ。
↑もちろんバカ息子は言い出せずにいるんだけどね。
とそこへ、小野家の娘錦の前(児太郎)の婚約者・文屋豊秀の家来・弾正(染五郎)がやって来るの。
何やら錦の前が病になって輿入れが延期になってて、弾正は主人に錦の前の様子を見に行って来いと言われたみたい。
広間に通された弾正は、小野家の家老・玄蕃から
「姫は奇病に冒されてて治らんから、この話はなかったことにしてくれ」
と言われるのよ。
弾正「姫に会わせてくれ」と言い、現われた錦の前の髪に被せた薄衣を取ると、髪の毛がめっちゃ逆立つの。
これが錦の前が患っている奇病。
髪の毛が逆立つ病気なんかあるわけないじゃん。
おかしいと思えや、おかしいと。
しばし考え込む弾正
皆が去った広間、給仕にちょっかいを出してフラれる弾正、暇を持て余して毛抜きで髭を抜き始めるの。
すると毛抜きが勝手に動き出す。
お茶を出しに来た別の給仕にちょっかいを出してはフラれる。
軽いやっちゃなぁ。(笑
トホホな弾正は、ふと手にした銀製の煙管を見るけど、鉄製の毛抜きとは違って煙管は動き出さないのよ。
刀の小柄を抜いてみると、これまた毛抜き同様動き出す。
うん?どういうこと!?
と思っているところに、バカ息子が孕ました腰元の兄と名乗る小原万兵衛「妹はバカ息子に孕まされた上に難産で死んだんじゃ。妹を返せ!」
とやって来たの。
その話を聞いていた弾正は、万兵衛
「わしは閻魔大王とダチやから妹を戻すように手紙を書くわ。あんたそれを届けに地獄に行ってくれや」と命じるの。
それを聞いた万兵衛弾正を討ち取る。
オイオイ、いきなりはないやろ、いきなりは。
そら、そのお兄ちゃん、偽物やろけど、何にも聞かんと斬るってあるぅ?
ま、上手いこと出来てるもんで、本物の兄ちゃんが現れて、妹は殺されて「ことわりや」の短冊が奪われてしまったと報告。
ええーっ!?そないにタイミングよく。(笑
それを聞いていた弾正は偽の兄の懐から短冊を取り出して、小野家の家来に渡すのよ。
それにしても、間抜けな強盗殺人者やなぁ。
んな大事なもん持って、ゆすり相手のところに来る?
そのあと短冊で何ぼでも取引できるのに、アホやなぁ。
続けて、弾正「錦の前病を治す」と言って、櫛や簪を取り外すの。
あれま!不思議、それまで逆立ってた髪が一気に元に戻ったじゃない。
錦の前の奇病の元は、鉄製の櫛や簪であったのだー。
うん?なんで?
間髪入れずに弾正は天井めがけて槍を刺す。
すると天井裏から巨大な磁石を持った忍びの者・運平が現れる。
巨大な磁石って!?
このバカバカしさに思わずプッ。
この話、考えた人、私好きだわ~。
ここから一気に話が展開。
こんなしょうもない奇病を思い付いて、豊秀錦の前の縁談を破談にしようと企んだヤツがおる、誰じゃ~。
運平に詰め寄ろうとしたとき、玄蕃運平を斬り捨てる。
ありゃりゃ、と思ってる間もなく、今度はその玄蕃の首を弾正がはねる。
そう、玄蕃が黒幕だったのだ。
玄蕃の頭は宙を舞い、座敷の上がりのところに飾られてるやん。
もうこのいかにも作りもんの頭が笑っちゃう。
↑残った(?)胴体は上手いこと舞台をはけていった。(笑
こういう首や死体の作りの緩さも、ちょっと悪趣味なところも歌舞伎のええところよね。
どこがやねん!
ハハハ。
弾正のお陰で小野家の騒動は収まって、めでたし、めでたし。
いやー、面白かったよ。
私のお気に入りの演目になりそう。

2幕目の「祝勢揃壽連獅子」を主目的に来たんだけど、うーーーん、これはどうなんだろ。
4人の連獅子が珍しいってだけかなぁ。
一番下のお坊ちゃんにはキツかったかな。
まぁ、それにしても、隣の席のお上品なご婦人2人にはうんざりしましたわ。
ずーっっと、芝翫さんのお家の噂話をしておりました。
注意したいんだけど、私の声がうるさいちゅう話になるからさぁ、なかなか出来ないんだよねー。
今度から、ゴルフ場で使われている「Be Quiet」の札を買って持って行こうか、本気で考えている。(笑

3演目目は「加賀鳶」
もうねぇ、これは最初格好良く始まるんだけど、途中から本当に胸糞の悪い話なのよ。
江戸の本郷界隈で、加賀藩のお抱え鳶と幕府直轄の鳶の一発触発、先日も大喧嘩をしたところ。
加賀鳶の巳之助さん松谷さん、中村3兄弟、男女蔵さん、そら、皆、格好ええでぇ。
血気盛んな若者が出入りをしようとしているところに、頭である梅吉(幸四郎)が現われて宥めて止めようとする。
それでも行こうとする鳶たちに、「そないに行きたいなら、わしを殺して行け」梅吉が立ちはだかる。。
まぁ、こりゃお約束やわな。
これで殺して行ったら、どうなるんやろ。(笑
皆、その場を格好よく引き揚げていく。
この所作がほんまに粋でええのよ~。
がらっと変わって、2幕目。
もうねぇ、ほんまにこの話、下衆で嫌なヤツの話なの。
青梅からやって来た百姓が腰の痛みに苦しんでいるところに、盲目の按摩・道玄(幸四郎:梅吉と二役ね)が通り掛かるのね。
道玄は介抱するんだけど、ふと触った懐に大金が入ってるとわかるといなや、百姓をあっさり殺して金を奪ってしまうのよ。
このズルくて非情な感じを幸四郎さんがめっちゃ好演してた。
粋な鳶の頭より似合うわ~。
オイオイ。
そこに加賀鳶の一人、松蔵(梅玉)が通りかかって、道玄の煙草入れを拾うの。
暗闇の中、2人がぶつかりそうでぶつからない、これが見せ場。
結局、道玄は見つからずにその場を立ち去ることが出来たのよね、
ちょっとした茶番?
ハハハ。
場面は変わって、道玄の家。
道玄は所謂DV夫なのよ。
おばさんの身を案じる姪のお朝(児太郎)が訪ねて、奉公先の主人にもらったお金を渡すの。
何やらね、おばさんの憐れな話を聞いて、不憫に思った主人が5両もくれたんだって。
5両って、結構大金だよねー、そんなことある?
おばさんは、当然姪が盗んで来たんじゃないかと疑うの。
奉公先にことの真偽を聞きに行こうとしたところで、道玄が現れておばさんだけ奉公先に出向かせて、お朝に奉公先での様子を話させるの。
このお朝もさぁ、ちっとは考えたらええのに、寝る前に主人の肩を揉む話なんかをペラペラ喋っちゃうのよね。
そこに道玄の愛人・お兼がやって来て、お朝が主人に手籠めにされたと脅して、ゆすろうと悪だくみを始める。
主人は奉公人のおばさんを気の毒に思って、お金をくれたんやろ?
そんなええ人をゆすったらあかんやん。
おまけにお朝を売っちゃうのよ~。
ったく、どこまで下衆なんだ?
お朝が手籠めにされたことを苦にして家出をしたことにして、書き置き偽造して奉公先からお金をせしめようと算段。
ああ、あかんあかん。
場面は変わって、お朝の奉公先の質屋。
道玄「主人が可愛い姪を手籠めにした。その言い訳に5両をあたえたんやろ」と店先で難癖をつけ始めるの。
最初、店の者も主人もこの言いがかりに取り合わなかったんだけど、そこにお兼が現れて、「私はお朝から全部聞いた。証人やで」と。
もうそれ、無茶苦茶やで。
お兼が持って来た書き置きを読み上げる道玄、店先でそんなことをされたら堪ったもんやないわな。
番頭が50両で話をつけようとしたところに、松蔵が現れて、
「その書き置きとお朝の手習いの筆跡は違うで」
道玄に帰るように促すのよ。
でも、黙って帰るわけないわな。(笑
そしたら、この間拾った煙草入れを出して、暗に「これを暴いていいんか?」とプレッシャーをかけるんだな。
さすがに道玄も藪蛇やと思うよね。(笑
手切れ金じゃないけど、禍根を残さないために書き置きを松蔵が十両で買い取って、めでたくお引き取り願った。
場面は変わって、また道玄の家。
大金をせしめ損なった道玄は、むしゃくしゃしておせつ(おばさんね)を折檻して、玄関に縛って転がしておくの。
その傍らで、自分はお兼を酒を飲んでんの。
何度も言うけど、サイテーやで、自分ら。
そこへ家主がやって来て、犬が道玄の物と思われる血の付いた布を咥えて来たよん。
何かヤバそうやから、役所に届けようと思ってるんやーと。
万事休す。
この間、百姓を殺して金を奪ったときに返り血を浴びたから、縁の下に隠しておいたのを犬が見つけてしまったんだなぁ。
道玄お兼は、もうこりゃ逃げるしかない用意を始めるんだけど、時すでに遅し。
家の周りを警察が取り囲んでた。
さぁ、ここから暗闇の中の大捕りもの。
場所を加賀藩の表門に移して派手なアクションよ。
捕まえたと思ったら味方で、「ちゃうちゃう」というのを何回か繰り返して、遂に道玄は御用。
これで幕なのよ。
ふぅ~、最後まで幸四郎さん、悪いヤツでした。
この演目、3回くらい観てるんちゃうかなぁ。
もうお腹一杯やな。
最初の幕だけでええわ。(笑
そして、いつも疑問なんだけど、姪のお朝はどうなったんやー!
売られたまんまかーい!


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