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ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

レビューあれこれ

2016年04月27日 | 現代音楽

             レコ芸。「特選盤」いただきました。写メしていただきました

 

懐かしい業界。このとても「深くて狭い世界」の感覚。

東京に戻ったら・また聞きにきてくれそうなwelcomeback感覚に・懐かしくてしんみりとしました。お二人もCDを聞いて昔のヤザワを思い出してたんでしょうね。歳を取っても本質は変わらないから。

クラシックのピアニストが新曲の新譜の発売と同時にコンサートをするというポップス歌手のようなことはしないです。何十年もかけて弾き込んだレパートリーを録音するものなので、いくら「現代音楽」とはいえ、これは「東京へ帰ってこい」エールなんでしょね。

ありがとう。嬉しいけど悲しい

まあもうすぐちょっと帰りますけど

録音評は:今回も:まるでとんちんかんで:そこがまた懐かしい。こういう「ステレオ録音を高額なスピーカーで聞くクラシック・ヲタ」に支えられている世界なんです。サラウンドとかマルチチャンネルとか「???」なので、録音に圧迫されているのか曲に圧迫されているのか(笑)、両方なのか、よく分からないけど仕事なのでなんか書かなくちゃ。なんですね。ご苦労さまでした。いんですよ、これで。批評はアマチュアがするもので広告はプロがするものだから。レコ芸は格式高い雑誌ですけどね。この録音評で特選盤ということは、録音評はそもそも不要なんですね。とはいえサンレコがクラシックを取り上げるということも・ほぼないし、その意味もないので(ステレオひと筋ミックスもナシ)、「存在することに意義がある」のでしょう。格式高い雑誌なのでどうしても「センセイ」クラスの現場音痴が書くのでこういうことになる。サンレコなら掲載してくれなかったかも。よかったネ

 

まースゴい字数だこと。我ながら。倍返しってヤツかしら?

 

CDジャーナル

 素晴らしい   プロの仕事って感じ

これだけ短い文章なのにアルバムの全体像が見える(と思うのはひいき目もあるか

 

レコ芸の評は「現代音楽」の枠なので、評者はコンサートもCDも現代音楽を沢山聞く「その筋」なので(笑)、長年コンサートで私の演奏をよく聞いてくれていたんです。それでちょっと内輪っぽい書き方なんだと思います。

確かに色々弾いてきましたが、それでも私が出演したコンサートで「私が選曲したプログラム」というのはほとんどありませんでした。

アルゲリッチだって毎年日本に来て何回も弾いてるわけではないので、ヤザワごときが何回も舞台の仕事があるというのは、ほとんどが新曲初演で、作曲家が曲を書いたので頼まれて演奏するというものでした。いわばタイプライター的な仕事。

 

10年ほどは:「いったいどんな恨みを世の中に抱いて、こんなヒドい騒音(新曲)を人々に聞かせようとしているのか」と思っても・黙って・黙々と練習して・少しでも聴衆が苦しまないように、「こんなヒドい曲をここまで素晴らしく弾いてくれるなら是非・彼女(ヤザワ)に頼みたい」と仕事が増えるように頑張りました。

こうして駄曲演奏の依頼が増えました。

「私は自分主宰のコンサートではこんなヒドい曲は選ばない」にも関わらず、主催者から泣かれれば(脅されて:笑)・チケットも沢山売って・本来なら私主宰のコンサートにだけ来ていれば現代音楽のファンになっていたであろう人々を現代音楽嫌いにもさせてきました。

 

こうした「全人格労働」と、その合間を縫って「私が本当に良いと思う曲」で定期的に開いていたリサイタル(マルチメディアを含む)の『暗闇に差す・ひと筋の光』(←と本気で思って業界を改革しようとしていた)活動の成果に対して賞をいただきました(と思っている:笑)。 

デビューしてちょうど10年目。権威ある賞でしたが、自分のレパートリーを構築してCDを作るような時間もなく、CDを出していないピアニストの初の受賞だったのではないでしょうか。当時、最年少での受賞だったと思いますが、よく業界に貢献したということだったのでしょう。

 

ここで一区切りをつけて私は東京を離れてNYに移り住みました。

最初の10年は業界での立場を作るため。次の10年で自分の世界を作ることにしたんです。

「もう若手ではなく中堅なので、何の曲でも受けるというような仕事の仕方はしない」というスタンスになり:コンサートの仕事をいただく時でも:主催者に「楽譜を見て(出演するか決めて)下さい」と言われるようにもなり、プログラムも自分で選曲がかなり出来るようになりました。ようやくCDも作り出したんですよ。

 

今は誰に脅されても(笑:今年になって1回ほど勘違い打診があった。新曲5曲を5万で弾いてだって! ここはインドネシアなのか?台湾だってそんなこたー言わねーぞ!勘違いというよりブラックだよな!流行ってるからな!ブラック!気をつけないと!!)「もうトシなのでムリが効かないんですぅ」で通るトシになりました

 

実際・腕も故障してきたのでムリは出来ないんです。大事に使わないとね。駄曲なんか弾いてる場合じゃないんですよ。それに人間らしい暮らしをしないと、いい音楽にもならない。趣味や考える時間がないとクリエイティヴなことは出来ないんです。もうタイプライター・ピアニストは卒業してるんだから。

 

こういう暮らしが出来てる今が人生で1番充実していると思える。

分かち合える人は近くに誰もいないんですけどね。友達はみんな東京

この孤独感も創作には良いのかもしれないですね。気分はゴーギャンですよ

ゴーギャンと違って連休明けには帰省しますけど。帰省というより出張か。

 

東京にいた時は活躍してるように見えただろうけど不幸でした。

たまたま今日、この2つの記事が目について。

カーラ・デルヴィーニュ「モデル引退」の真実を語る~「大事なのは他人ではなく自分がどう思うか」

仕事で私が壊れる 人生を搾取する「全人格労働」

子どもを欲しいと思ったこともないし、連れている人を見ても羨ましいとも可愛いとも思わない(笑)し、結婚もしたくないけど、同じバックグラウンドを共有している友人とが欲しい ノエルいなくて淋しくて

 

ここ(沖縄)に友人が集結してくれたらいいのに。と、やっぱり東京に帰る気はないです。みんな移住しておいで~~せめて遊びに来て~

渋谷のタワレコだそう ありがとうございます

 

こういうセレクトとか話題がある場所というのは:日本ではやはり東京と、大阪とか京都あたりが少しで、あとはヤザワ的に各所に1名づつとかなんでしょね。

そうそう。タワレコの冊子、intoxicate にも大きく掲載していただきました

那覇じゃ誰~も読まない冊子。「置いてあることに意義がある」のさ

パレット久茂地に取りにいくか

発売日も:「おめでとうアタシ  猫組とお祝い。1人(ノエル)減っちゃったから。

 

jazztokyo

ミニライブを1番楽しみにしてるのは・実は・ヤザワなのかもしれません

 

 

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AbsoluteーMix へのオマージュ (あらきんあげいん)
2016-04-28 22:25:35
こんにちわ。

第16回中島健蔵音楽賞ですね
受賞されたのは。
ちょっと調べてしまいました。
驚いたのは、著名なピアニスト、
作曲家より先んじて受賞されているという。

ニューヨーク時代の映像は昔
YouTubeに上がってましたね。
ワシントンだったか
美術館ロビーみたいなところで、
ものすごく映像が粗い、白黒だった。

「愛の讃歌 La Vie en Rose」を
ソプラノ三橋千鶴さんだったと思うのですが 演奏されていた
そのアレンジが初期のフィリップグラステリーライリー、ライヒみたいな
徹底したミニマルなピアノ伴奏で
ぼくは仰天し、ものすごく惹かれました。

ぼくが 矢沢朋子さんを知った
最初から2番目くらいの映像です。

今、ちょっとYouTubeに
見当たらないのが
ものすごく せつないです。

自分の想い出話を書いてしまう気持ちに
なるくらい、矢沢さんの
このエッセイブログはどこかさびしげで
それでも矢沢さんらしく?
明るさを湛えていて
妙に何回も読み返しています。

では渋谷タワレコで
素敵なライブイベント楽しみに
しています♪
返信する
Re:AbsoluteーMix へのオマージュ (ヤザワ)
2016-04-28 23:29:33
>徹底したミニマルなピアノ伴奏

一瞬・冷や汗というか恥ずかしいというか・
「徹底して手を抜いてた」だけかもしれません
でも案外・そういう力が抜けてるほうがいいのかもしれませんね
嫌味じゃなかったんですね。よかった

では渋谷で!
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